合計標高差1400m! 都内発着のコースとして、がっつり上る点ではトップクラスの山岳ルート。道は簡単で迷う箇所もなく、まる一日をたっぷり楽しめること請け合い。脚自慢のキミに超オススメだ。
※この記事はサイクルスポーツ2007年5月号からの転載です。現在とは情報が異なる場合もありますので、ご了承ください。 地図の拡大を見る

●小菅村の小菅の湯と上野原を結ぶボンネットバスのバス停となっている鶴峠。平らな区間のないコンパクトな峠だ

1.上川乗の交差点をスタート。自販機はそこそこあるが、食堂となると途端に少なくなるコースなので注意しよう

2.人里付近ののどかな雰囲気の中をゆっくりと走る
 上川乗からしばらくは、緩い上りと平たんが交互に現われるのどかな道。ウォーミングアップを兼ねてゆっくりと進もう。途中の小さな集落には自販機もちらほらあり、ハイカーに人気のエリアであることを示している。
 スタートして7km、数馬の湯を過ぎると道は一気に上りはじめる。さあ、ここから8km弱、標高差500mとなる風張峠へのヒルクライムにチャレンジだ。右手に重厚な茅葺き合掌造りの兜屋旅館が見え、かつてこの道が奥多摩有料道路と呼ばれた時代の料金所を通過する。ところどころに9%、10%と挑発的な看板があるが、ローギヤでじっくり上っていけば大丈夫。壁のような坂ではない。
 途中、都民の森駐車場にはトイレや売店があり、休憩するにはよい場所だ。ここを過ぎると峠まであと3kmほど。もうひとがんばりが必要だ。眼下には南秋川、北秋川の山々が望め、ずいぶん高度を稼いだことがわかる。風張峠の駐車場には案内地図くらいしかないが、その分静かに一息入れることができる。ブレーキをチェックして、奥多摩湖へのダウンヒルに身を投じよう。
 ここの下りはモーターサイクルがセンターラインぎりぎりに攻めてくるので、こちらは安全マージンを十分取って下る。右下には奥多摩湖の濃緑色の湖面が見え始め、三頭橋に下り着く。これを右にとれば深山橋を渡って、奥多摩湖岸の国道411号線に出る道だ。
 この三頭橋を左にとり、静かな国道139号線を山梨県・小菅村へと向かう。道なりに進むと日帰り入浴施設である小菅の湯を経由しても鶴峠に向かうことができるが、その手前、余沢の集落から「村道ー上野原」の道標に従って左へ入ったほうが近い。
 しかしこのショートカットルートにも上りがあって、一汗かかされる。しばらくで県道18号(上野原丹波山)線に出て左へ。ここから鶴峠までは短い距離ながら、勾配がキツくガッツが必要だ。ヒルクライムビギナーなら34×27程度のローギヤが無難なところ。鶴峠はバス停のみのシンプルな峠で、平らな部分がなくすぐ下りにかかる。ひと下りした長作の辺りにトイレがある。日当たりのいいところで休憩しよう。
 甲武トンネル分岐の上野原市棡原までは、少しアップを交えた下り基調の道だ。途中の集落は風情もあり幸せな気分になれるが、路面はあまりよくなく道幅も狭いので注意が必要だ。長寿の村として知られた棡原で「あきる野・檜原」の道標に従い左折し、いよいよ最後の甲武トンネルへのアップに差しかかる。
 カーブの多い道をマイペースで上がっていくと、ローリング族対策のバンプ舗装が始まる。ここが峠までラスト1kmなので、力が余っているならペースを上げてみてもいい。じきに全長954kmの甲武トンネルが、オレンジ色のライトをつけて口を開いているはずだ。
 甲武トンネル、続いて栗坂トンネルを抜けて上川乗へと下る。越えた3つの峠を合計した標高差は1400m。この山岳ルートを制覇した余韻に浸っているうちに、クルマを停めた場所へと下り着くだろう。

3.標高が上がると、眼下に南秋川の谷を見下ろすようになる。都民の森から峠までが頑張りどころだ

4.風張峠は駐車場だけの静かなところ。12kmのダウンヒルに備え、ウインドブレーカーを着込む。ブレーキのチェックも忘れずに

5.下っていくと奥多摩湖が見え始める。途中の駐車場で一息入れて山々を眺めるのもいい

6.奥多摩湖にかかる立派な三頭橋を渡り、国道139号線に出る。小菅村へは写真右方向へ進む

7.村道を3km弱進む間に原始村なる施設があり、それを過ぎると県道に合流する。コースは写真左から来て正面へ進む

8.上野原側へ下っていき、長寿の村棡原の集落で分岐。写真の道標に従って左に進めば、甲武トンネル方面へ向かう

9.甲武トンネル内は照明があるが、やや暗いので自転車には前照灯をつけて走行することをオススメする

10.帰路に立ち寄りたい4月15日にオープンした「瀬音の湯」(あきる野市十里木)。荷田子の交差点で秋川を対岸に渡ったところにある
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●問い合わせ先
檜原村観光協会 TEL:042・598・0069
www16.ocn.ne.jp/~hinohara/
奥多摩観光協会 TEL:0428・83・2152
www.okutama.gr.jp/
小菅村観光協会 TEL:0428・87・0741
www.kosugemura.com/
上野原市役所 TEL:0554・62・3111
www.city.uenohara.yamanashi.jp/
数馬の湯(営業時間:10時~22時/4月~11月、10時~19時/12月~3月、 休館日:月曜、入館料:大人800円※3時間、TEL:042・598・6789
http://www.kazumanoyu.com〉)
小菅の湯(営業時間:10時~19時/4月~10月、10時~18時/11月~3月、休館日:第4金曜、入館料:大人600円、TEL:0428・87・0888
www.vill.kosuge.yamanashi.jp/kosugenoyu〉)
瀬音の湯(営業時間:10時~22時、休館日:なし、入館料:大人800円、TEL:042・595・2614)
●駐車場
起点とした上川乗交差点付近では、五日市寄り800m右側のスペースが十分広い。甲武トンネル寄り400m左側は浅間峠登山口で、ここにも数台なら可能。奥多摩周遊道路方面へ500mほど行った左手にも少し置くことができる。
●食べ物&お土産
小菅の湯手前、余沢にある「チャーちゃんまんじゅう」(TEL:0428・87・0667)が最高! 峠を一つ越えて疲れてきたころなので、よもぎ、かぼちゃなどの甘いまんじゅうがウレシイ。きのこや高菜入りもあり、各105円。五日市方面へ向かう自転車乗りにはつとに知られる「カフェ・やまねこ亭」(武蔵五日市駅前、TEL:042・596・6321)では野菜カレーやチリコンカンライスの食事をとることができる。