荒川と中川の間を延びる首都高速の巨大な高架の下を走り、蛇行する中川を遡る。都内随一の水郷公園から寅さんのふるさとを訪ねて直線的な新中川を下り、東京大停電の現場検証をしながら東京湾岸へ戻ろう。
※この記事はサイクルスポーツ2007年5月号からの転載です。現在とは情報が異なる場合もありますので、ご了承ください。 地図の拡大を見る

●頭上を走る高速道路の大きさに圧倒される首都高速中央環状線下。右には中川、左には荒川が流れる

1.荒川・中川の河口を上流に向かって走る

2.荒川砂町水辺公園は、季節ごとにさまざまな花が咲き誇る。後ろの清砂大橋は2004年に開通した
 葛西臨海公園をスタートし、荒川・中川の河口から川上に向けて走り出す。清砂大橋まで走ったら、荒川の右岸に渡り葛西橋まで走る。河川敷は春は菜の花、アグロステンマ、秋はコスモスが咲いている。
 葛西橋を途中まで渡り返し、中央環状線の下へ降りる。高速の真下はコンクリート、荒川側に一段下がってアスファルト舗装だが、走る時間帯・気温・風に応じて好きなほうを走ろう。船堀橋を越えると、中川の左岸に江戸川競艇の観客席が現われる。川が左に大きくカーブしてJR総武線と平井大橋をくぐると、かつしかハープ橋と上平井水門が見えてくる。水門を過ぎて最初の人道橋を渡り、木根川薬師の脇を通って中川へ。
 蛇行する中川の堤防沿いを上っていく。ここまで蛇行していて、しかも堤防で囲われている川というのは、まっすぐ流れる川を見慣れた目には不思議だ。青砥橋の先が新中川との分岐点。新中川はまっすぐ南のほうに流れていく。分岐のすぐ川上に見える斜張橋は高砂橋だ。
 京成本線をくぐり、さらに中川を遡る。国道6号線を横断するには、150mほど西を走る環七通りへ迂回する。再び川沿いに戻ってJR常磐線をくぐり、1・3km走って飯塚橋で左岸へ渡る。右手に現われた大場川水門ではそのまま中川を離れ、右から流れ込む大場川沿いへ。堤防には桜並木が続き、対岸にはヨットやモーターボートが停泊するマリーナがある。
 右から近づく都道307号線に合流したら、水元公園に入る。水元公園は都内唯一の水郷公園。ポプラやメタセコイヤといった並木も壮観だが、小合溜沿いの開放感は23区内とは思えない。水産試験場跡地の横を通って公園を抜け、江戸川の堤防に出たら江戸川自転車道を南下する。JR常磐線と新葛飾橋の下をくぐると、金町浄水場から延びるちょっとレトロな取水塔が2つ見えてくる。東京で2番目に大きい金町浄水場は、東京都東部の約250万人に水を供給している。92年以降オゾンを使った高度浄水処理を行なっており、「東京水」として売られている水もここで処理された水とのこと。浄水場の先には矢切の渡しが見える。
 寅さん記念館の手前で江戸川を離れて柴又帝釈天(題経寺)へ。帝釈天から柴又駅へ延びる参道は、人が多いときは押して歩こう。柴又駅には寅さんの銅像が立っている。駅の右手の踏切を渡ってバス通りに戻ったら、そのまま道なりに走る。高砂駅脇の踏切を渡ると、先ほど対岸を走った高砂橋が見えてくる。
 今度はその高砂橋を左折して新中川を下る。中川とは対照的にまっすぐ流れる新中川は、47年のカスリーン台風によって東京東部が浸水したことから49年に開削を開始。63年に完成した放水路だ。いつまでも対岸との距離が変わらずまっすぐ進む。ただ、新金貨物線の鉄橋だけは迂回が必要。JR総武線から先の橋は、河川敷に下りてくぐる形になる。
 今井水門の先で、新中川は旧江戸川に注ぎ込む。次は旧江戸川沿いを河口に向かって下る。浦安橋付近には船宿が並び、海の近くに戻ってきた気になるだろう。正面にはディズニーリゾートが見え、06年8月に東京を大停電に陥れた高圧線の下をくぐる。幅の広い堤防の上に出て、その先にある舞浜大橋をくぐれば葛西臨海公園だ。

3.木根川薬師(浄光寺)。さだまさしの「木根川橋」では、植木市の日(4月8日)に雨が降ると歌われている

4.中川は天井川になっていて、堤防のすぐ外に遊歩道が、そして一段下がったところに住宅地が続いている

5.行きも帰りも目にすることになる高砂橋は2003年に架け替え工事が終わって開通した

6.大場川沿いの桜並木は、この先水元公園の桜堤へと続いている

7.水元公園の小合溜沿いは開放感あふれ、気持ちよく走れる

8.江戸川を走っていると、金町浄水場の給水塔のとんがり帽子と丸頭が見えてくる

9.休日の柴又帝釈天は人があふれている。平日の静謐さがウソのようだ

10.葛西臨海公園に入り、次第に大きくなってくる観覧車を見ながらゴールを迎える。観覧車の直径は111mある
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●問い合わせ先
葛西臨海公園サービスセンター
TEL:03・5696・1331
水元公園管理事務所
TEL:03・3607・8321
葛飾区観光協会
TEL:03・3838・5555
www.katsushika-kanko.com
●駐車場
葛西臨海公園駐車場(200円/1時間※以後30分ごとに100円、24時間、TEL:03・3877・0725)
●食べ物&お土産
柴又といえば帝釈天と寅さん、そして名物は草団子。映画「男はつらいよ」の第1作から第4作まで、寅さんの実家「とらや」のロケで使われたのが、帝釈天参道の中ほどにあるその名も「とらや」だ。名物の草団子はもちろん、店内ではうどん、そば、ラーメンなど食事もできる。また、とらやオリジナルの焼草団子(食べ歩き1本140円)は、草団子を醤油につけて焼き、刻み海苔をまぶした土日限定の品、散策しながら食べ歩きたい。