栃木市は日光例幣使街道の宿場町として、また市内を流れる巴波川の舟運を生かした商人町として栄えた歴史をもつ。栃木市内の町並み巡りに、ちょっとした峠越えを加えたコースを紹介しよう。
※この記事はサイクルスポーツ2007年5月号からの転載です。現在とは情報が異なる場合もありますので、ご了承ください。 地図の拡大を見る

●唐沢山神社の駐車場脇からは、木の間越しに平野を一望できる

1.富士見橋を渡ったら右折し、小さな川沿いの石畳の敷かれた道をのんびりと進む

2.やがて川の対岸に、木材回漕問屋の蔵が並ぶようになる。この建物は「塚田歴史伝説館」となっており、内部を見学できる
 JR両毛線の栃木駅前から左斜めに向かう道を進むと、300mほどで用水路にかかる富士見橋を渡る。右折して川沿いに進むと、川をはさんだ右手に木材回漕問屋の蔵が並ぶ。この建物は現在は「塚田歴史伝説館」となっており、内部を見学することができる。
 さらに進むと、明治・大正期に銀行と麻の問屋を営んだ「横山郷土館」。この郷土館の角を左に曲がると、明治初期に県庁とされた現在の「栃木市役所別館」が現われる。市内には500年の歴史を誇る旧家「岡田記念館」などほかにも見どころが数多いので、県道11号線沿いにある「とちぎ蔵の街観光館」で情報を収集してから巡るといいだろう。
 名残を惜しみつつ、かつて葛生原人(その後、室町時代の人骨と判明)の里として知られた旧葛生町市街(現在は佐野市と合併)を目指すことにする。「栃木市役所別館」の角を右折し、栃木高校北側に面した道を西に向かう。まもなくこの道は県道75号線に合流。東北自動車道をくぐった1km先で、「露天風呂 栃木蔵の湯」の看板を目印に十字路を右折して県道126号線に入る。田園風景を抜けた後にレーシングカート専用サーキットの前をよぎり、道は徐々に高度を上げていく。クルマがすれ違うのがやっとの細い道は、それだけ交通量も少なく、サーキットから届く排気音を除けばペダリングを遮るものはない。カーブには番号標識が立ち、その20番目が峠。ここには琴平神社という、小さな社に向かう参道の入り口がある。
 上りと同様の急カーブの連続を、スピードを上げすぎないよう慎重に下り、突き当たりの県道123号線を左折。本町交差点を直進して葛生駅の脇をかすめ、道なりに6kmほど進んで「唐沢山」を示す道路標識に従って左折する。
 先ほどの峠より標高差は少ないものの、こちらも勾配はきつい。ダンシングを交えてあえぎつつ上る。上り詰めた唐沢山城跡は藤原秀郷築城と伝えられるもの。今は神社がまつられている。苦労して上ったおかげで手にした平野を一望する景色を満喫したら、先を目指して道を下り、1・2km先の分岐を犬伏町に向かって左に入る。
 犬伏町交差点を左折。続く分岐を右折し、JR両毛線を横切って佐野市街からの県道67号線に合流。「とちぎ花センター」の標識のある下津原交差点では、センターとは逆方向となる左に曲がる。
 山すそを横切るように進む道は、緩やかなアップダウンを繰り返す。この道の途中には、土地の戸長を務めた白石家を修復した「郷土資料館」と、「歴史民俗資料館」が隣り合う。
 県道11号線にぶつかったら左折。3km先の交差点は、左折すれば「陸の松島」と呼ばれる大平山に向かうが、このコースはオプション。時間と体力に余裕のない人は、右折して栃木市内に戻る。

3.明治・大正期に銀行と麻の問屋を営んだ「横山郷土館」


4.明治初期に県庁とされた現在の「栃木市役所別館」はチェレステグリーンに塗られ、ビアンキファン必見!?


5.クルマがすれ違うのがやっとの細い道は、徐々に高度を上げていく

6.琴平神社に向かう参道は山道になっているので、自転車は入り口に置いていこう

7.藤原秀郷が築城したと伝えられる唐沢山城跡には、明治初期に創建された神社がまつられている

8.江戸時代中期に土地の戸長を務めた白石巳代治氏の家を1981年に修復。現在は「郷土資料館」として内部を見学することができる

9.築城の際に見た霊夢に従って掘ったとされる井戸。深さ9m直径が8mで、これまで枯れたことがないという
 
地図拡大
●問い合わせ先
とちぎ蔵の街観光館(栃木市観光協会)
TEL:0282・25・2356〈www.kuranomachi.jp
佐野市観光協会 TEL:0283・62・9855
www.sano-kankokk.jp
岩舟町観光協会 TEL:0282・54・3313
www.cc9.ne.jp/~i-kankou
大平町観光協会 TEL:0282・43・9212
www.cc9.ne.jp/~ohira-kanko
塚田歴史伝説館(開館時間:9時30分~17時、休館日:月曜、入館料:大人700円、TEL:0282・24・0004)
横山郷土館(開館時間:10時~16時、休館日:火曜・水曜、入館料:大人500円、TEL:0282・22・0159)
岡田記念館(開館時間:9時30分~17時、休館日:無休、入館料:大人600円、TEL:0282・22・0001)
郷土資料館と歴史民俗資料館(開館時間:9時~17時/3月~9月 9時~16時30分/10月~2月、休館日:月曜・祝日の翌日・年末年始、入館料:大人200円、TEL:0282・43・8686)
●駐車場
栃木駅近くにはいくつも駐車場があるが、南口側のほうが空いている。この駐車場(1時間100円)は、1日利用した場合には700円に割り引かれる。また、唐沢山神社の上り口には無料駐車場があるので、そちらを利用してもいい。
●食べ物&お土産
「蔵の街のいも娘」(左)は、ホクホクしたサツマイモをフレッシュバターたっぷりの生地に入れて焼き上げたもの。いわゆるマドレーヌだが日本茶にも合う。「栃木のいちご」(右)は栃木特産のイチゴ「とちおとめ」をそのままじっくり煮込み、しっとりとした生地に閉じこめたもの。イチゴの持ち味と生地のバランスがうれしい。いずれも3個入り472円で、お腹にも懐にもやさしい。本文中に記したとちぎ蔵の街観光館で入手可能だ。