かやぶきの家が並ぶ美山の町並みは、一度は見ておく価値はあるだろう。そして中程度の坂道を覚悟すれば、なかなか素敵なサイクリングルートを敷くことができるのだ。渓流と北山杉のなかをじっくり走ってみよう。
※この記事はサイクルスポーツ2007年5月号からの転載です。現在とは情報が異なる場合もありますので、ご了承ください。 地図の拡大を見る

●広域農道は上流に向かっているのでわずかながら上り坂だが、全然気にならない程度

1.ろまんちっく村には3種類の地ビールがあり、レストランでジンギスカン料理も味わえる

2.ジャパンカップのコースでもある鶴カントリー倶楽部脇の上り坂。直線的に上る
 宇都宮市が第3セクターとして経営する「ろまんちっく村」をスタートし、まずは鶴カントリークラブを目指す。短いが急峻な上りをクリアすると今度は一気に下り、宇都宮森林公園の駐車場にぶつかる。クルマをデポするのはここでもいいのだが、サイクリストによく知られた場所の割には閑散としていて売店もないので、今回はレストランや地ビール、露天風呂も用意されたろまんちっく村をおすすめしたい。
 ここからおよそ2は、ジャパンカップでおなじみの古賀志林道の上りを走る。90年の世界選手権のときは、現在のジャパンカップとは逆の下り坂として使われたルートだ。三差路になっている古賀志峠をレースでは反対側に下るけど、そうはしないで右折し、さらに標高を稼いでいく。しばらくして古賀志山への登山口が現われ、ここを過ぎるとようやく下りとなる。県道70号(宇都宮今市)線まで下っても、この県道はそのまま横断してしまい、県道南側の広域農道に出てのんびりと走ろうという作戦。このあたりは旧今市市で、現在は日光市に併合されている。
 文挟でJR日光線を横断すると国道121号線、いわゆる日光例幣使街道の杉並木が出現する。ただし今市までのルートとして、交通量の多いこの主要道は使わず、県道70号線を選択。このエリアこそ90年に世界選手権ロードが開催されたときに、ディフェンディングチャンピオンとして来日したグレッグ・レモンが練習したコースだ。アメリカチームは鹿沼市に宿泊していて、日光まで走りに行っていたのだ。
 この先の県道70号線は非常に快適な道で、次第に勾配がきつくなっていくが峠というほどではない。ウィングフィールドゴルフ倶楽部を過ぎるといったん下り、さらに千本木から短くて急な上りがあって、そのまま今市市街に突入。のんびりとした駅前で給水したり、今回のコースで初めて見かけたコンビニエンスストアで食料を調達したりできる。
 ここから大沢までは日光杉並木街道(国道119号線)を行く。今回のコースを右回りにしたのにはわけがある。この杉並木に囲まれた道路は、今市から宇都宮方面への一方通行となっている部分が多いからだ。しかも相互通行の側道もあって、クルマはそちらのほうが信号待ちが短いので側道ばかりを通る。つまり両側を杉並木にはさまれたこの一方通行路は、自転車だととても走りやすいのだ。ただし杉の木が老朽化しているので、路面に落ちている小枝に注意しながら走る必要はある。
 日光杉並木街道は途中から相互通行に変わってしまうものの、大沢からは県道22号線に入って再び走りやすくなる。標高330の鞍掛峠でトンネルになるが、トンネル手前で右側に現われる旧道に入れば古い峠道で越えられる。あとは坂を一気に下ってすぐにゴール地点だ。

3.ジャパンカップのスタート&ゴール地点となる宇都宮森林公園の駐車場。トイレあり


4.ロードファンがペイントした応援の文字がビッシリと描かれている古賀志峠。ここではレースのように左手前には下らず、左奥に向かってさらに上るのだ


5.梅林を眺めたりしながら田舎道をいく。こんな道を利用するのは近所の人たちだけだ

6.文挟から千本木まで徐々に上っていくが、厳しく感じるのは最後のゴルフ場辺りだけ

7.県道7号線の長畑にあったお地蔵さん。旅情あふれる風景が点在している

8.今市駅前にある「いまいちの水」。単なる水道水ということだが、とてもおいしい!

9.これが日光杉並木。側道が併設された区間は交通量がほとんどなく、自転車天国になる

10.鞍掛峠にあった道祖神。大谷石でできたご神体はなんとまあごリッパな!
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●問い合わせ先
宇都宮観光コンベンション協会 TEL:028・632・2445
www.utsunomiya-cvb.org
鹿沼市観光物産協会 TEL:0289・60・2507
www.kanuma-kanko.jp/
日光観光協会 TEL:0288・54・2496
www.nikko-jp.org
ろまんちっく村(開園時間:9時~17時
※レストラン&クア・露天風呂は10時~21時、
定休日:第2火曜、入園料:無料、TEL:028・665・8800
www.romanticmura.co.jp〉)
●駐車場
東北自動車道の宇都宮ICから10分ほどのところにある「ろまんちっく村」には、駐車場が数カ所にある。第1駐車場は常に混雑しているが、第2駐車場は広大でトイレもあってとても便利。
●食べ物&お土産
宇都宮を餃子の街としてプロデュースしたのは宇都宮市役所の沼尾博行さんだが、その後も自転車ロードレースのジャパンカップを手がけるなど手腕を発揮し、現在は市の外郭団体である「ろまんちっく村」の社長に就任している。その沼尾氏プロデュースのオリジナル商品が「野菜餃子」。1人前250円で、ここでしか味わえない。写真はお土産用の冷凍パックで5人前1200円。地ビールは「麦太郎」「麦次郎」「餃子浪漫」の3種類。木工芸品や花き販売もよりどりみどり。