難易度=(1~5)〈1=初めての人でも安心/2=自分で「やる気はあるぞ!」と言える人向き/3=1日に80km走った経験がある人向き/4=1日に160km走ってみたい健脚派向き/5=風雨の下でも160kmを完走するやる気のある人向き〉
「百哩走大王」とは、30歳以上の大人のサイクリストの全国組織である『センチュリーランを走る会』が、会員の年間活動記録に応じて与える称号。自転車百哩走大王たちが国内外のレースではない長い距離を走るイベントを、実際に参加したライダーの目で紹介する。
※この記事はサイクルスポーツ2005年1月号からの転載です。現在とは情報が異なる場合もありますので、ご了承ください。 地図の拡大を見る

●会津磐梯山を望む
 新潟の自転車長距離走大好きショップ「スポーツサイクル羽鳥」が企画する、バカバカしいほどの長距離を走る「日帰りサイクリング」。距離がマイル表示で第1回目とあれば、大王さまは見逃せない。
 コースの概要は以下の通り。新潟市郊外の阿賀野川公園をスタートし、川沿いに国道49号線を遡る。県境を越えて福島県に入り、会津盆地を横断して猪苗代湖畔へ。さらにそこから山に向かい、磐梯吾妻スカイラインの最高地点・浄土平で折り返し、再び同じコースで新潟市へ戻る。
 距離は片道100マイル(165km)強で、往復すると約330kmに及ぶ。浄土平の標高が1622mもあるため、上り標高差も相当である。制限時間は24時間(ハーフの部は16時間)だが、折り返しの浄土平では16時に関門が閉鎖される。
 主催者はワンデーサイクリングの東京~糸魚川ファストランを意識し、距離で約55km長く、最高標高で500m高くした。「日本一きついサイクリング」という自負もある。ただしレースではないので、お間違えなきよう。順位付けやタイム計測はない。制限時間内の完走者は、等しく栄誉を讃えられる。
 受付時には詳細図のほか、折り返し地点で伴走車に渡して通過を証明するプレート2枚が渡される。実行委員長羽鳥氏のあいさつののち、深夜0時に7人が、遠く福島県の浄土平を目指す。
 はじめは阿賀野川の土手上を進む。闇のなかを自転車のチェーンの音だけが響く。街灯はなく、強力なライトが欠かせない。23km地点の保田交差点で国道49号線に入り、会津を目指す。深夜ということで、交通量はわずかだ。トラックも少ない。また、深夜走行では周りの景色が見えないので、上りの勾配が分かりにくい。ついつい重いギヤを踏み続けて疲れがちだ。段差も発見しづらく、パンクもしやすい。強力なライトと点滅式テールライトが絶対に必要だ。
 新潟と福島の県境となる鳥井峠(65km地点)、さらにその先の車峠(75km地点)と、2つ長い上りが待ち受ける。闇は深く人家もなく、実に心細い。さらに下り坂では、霧で20m先も見通せない。なんだか宙に浮いているようだった。
 会津坂下で空が白々と明けてきた。会津盆地への長い下り坂だ。ここぞとばかりにアウターを踏み込む。100km地点手前のコンビニで朝食休憩。ここから再び上り坂となり、猪苗代湖へと向かう。短いが、きつい上りが待っている。湖畔へ出ると朝日が差してくる。
 125km地点、猪苗代のコンビニで上りに備えて水を補給する。ここから浄土平まで標高差は1100m。じっくりいくしかない。慣れない深夜走行で、すでに7時間を経過している。135km地点から本格的な上りが始まり、その先の中の沢からは、カメのような歩みになる。149km地点の横向大橋で左折、いよいよ九十九折りの山道だ。
 横向温泉の前に足湯があったので、足を浸けて疲れを癒す。そのまま温泉に入りたい気持ちを抑え、再び上りに挑戦する。10%を超える勾配が待ち受ける。
 9時50分に磐梯吾妻スカイライン入り口に到着。すでに標高は1000mを超えている。気持ちの良い景色のなか、じっくりとペダルを踏む。このころになると、すでに浄土平から折り返してくる参加者とすれ違う。休み休み進み、ようやく11時にスカイラインの最高地点に到着。白樺林の幹の白さよ。
 やがて前方に浄土平の駐車場が見えてくる。やったー、100マイルの部のゴールだ。スタッフに迎えられ、プレートをポストに投入する。所要11時間15分。なんとも走りがい満点の大会であった。
 ここでスタッフに別れを告げ、新潟とは逆の福島駅を目指す。途中の高湯で共同浴場に立ち寄り、源泉掛け流しの湯に浸る。深夜走行の疲れか広間で昼寝。心身ともに癒されて、あとは福島駅から新幹線で帰京した。

●深夜0時、闇のなかをスタート

●猪苗代湖畔で朝を迎える

●横向温泉の足湯

●浄土平の折り返し点(100マイルの部はゴール)
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平本雅典 神奈川県在住
「センチュリーランを走る会」の事務局を務める。JCA公認サイクリングディレクター2級と自転車百哩走大王を取得しているセンチュリーライド大好きおじさん。裏磐梯吾妻スカイラインの上り坂で脚の売り切れに直面し、500mごとに休憩となってしまった。その反省からジムに通い、スピニングの練習を再開した。
[参加データ]
('04年大会=2004年9月20日)
バイク:キャファ IF8000SUS(リヤサス付きロード)
タイヤ:700×23C
ギヤレシオ:52・42・30T×12~25T
●コース
阿賀野川公園→保田→鳥井峠→車峠→会津坂下→猪苗代湖→浄土平(100マイルの部)
+同じコースを逆走(200マイルの部)
●距離数
165km(100マイルの部)&330km(200マイルの部)
●問い合わせ先
スポーツサイクル羽鳥
〒950ー0893 新潟市はなみずき2-13-18
TEL.025-279-4133
FAX.025-279-4131
●会場までのアクセス
鉄道:JR上越新幹線&信越本線&白新線&越後線「新潟駅」から自転車で約30分(10km)、または「新潟駅」からJR白新線に乗り換えて「大形駅」から約5分(1km)
クルマ:日本海東北自動車道「新潟空港インター」から1km