難易度=(1~5)〈1=初めての人でも安心/2=自分で「やる気はあるぞ!」と言える人向き/3=1日に80km走った経験がある人向き/4=1日に160km走ってみたい健脚派向き/5=風雨の下でも160kmを完走するやる気のある人向き〉
「百哩走大王」とは、30歳以上の大人のサイクリストの全国組織である『センチュリーランを走る会』が、会員の年間活動記録に応じて与える称号。自転車百哩走大王たちが国内外のレースではない長い距離を走るイベントを、実際に参加したライダーの目で紹介する。
※この記事はサイクルスポーツ2004年10月号からの転載です。現在とは情報が異なる場合もありますので、ご了承ください。 地図の拡大を見る

●翌朝、つたや旅館の玄関先にて参加者・スタッフそろっての記念撮影。これからバスで川越に戻る


●碓氷峠の急坂を、笑顔で上っていくALPHAWKのクラブ員


●同じく碓氷峠にて。撮影はサポートカーの車内から
「川越~直江津ロングファストラン」は、埼玉県川越市のサイクルショップ「レーシングスポーツ フジタ」を早朝5時に出発し、碓氷峠を越えて長野~妙高高原をひたすら走り、直江津海岸に19時までに到着するという、14時間で280kmのロングコースである。
 主催者である藤田照夫氏(レーシングスポーツ フジタ店長)の言によれば、直江津到着を19時までとしたのは、日没以降の危険な走行を避けるためとのこと。各人の脚力に合わせ、出発時刻は任意に設定することもできる。早い人は3時30分には出発するという。
 当日はクルマでショップ前に。駐車場は駐車可能台数が少ないため、あらかじめ確認しておくこと。
 マイクロバスに荷物を預け、昨年の参加で知りあったS氏、チーム大王のK氏とともに4時15分出発する。
 ライトを点灯して市街地をしばらく走行、国道254号線に出る。ときおり大型車が追い越していくが、路肩は広く危険は少ない。そのうえ比較的平坦であり、軽快に走行できるのがうれしい。関越自動車道の高架橋をくぐって道なりに進めば、国道254号線の本道となる。
 荒川に架かる玉淀大橋を渡って、いったん国道140号線に入り、JR八高線の高架をくぐって国道254号線に戻る。ここで昨年の参加時に、道をまちがえて秩父鉄道の波久礼駅まで行ってしまった。同じ轍を踏まぬよう、気をつけてほしい。
 児玉町を過ぎ、神流川の藤武橋を渡る。いよいよ群馬県だ。藤岡市を抜けて吉井町へ。町中の道は狭く、路肩も荒れている。注意して走行しよう。上州富岡駅前の道は、広くてよく整備されており路面もよい。ここは明治時代、官営の製糸工場があったところで、その施設案内の標識もある。
 上州一ノ宮付近で、これまで走ってきた国道254号線に別れを告げ、妙義・磯部方面の道路標識に従って磯部へと向かう。
 JR信越本線の碓氷川愛妻橋を渡ると、まもなく国道18号線に出る。ここからは直江津に向けて走るのみ。国道18号線は休日ということでマイカーの観光客が多く、渋滞している。それを尻目にひたすら前に進む。

●碓氷峠を上りきって、小さくガッツポーズの筆者
 松井田を経て、横川駅近くに差し掛かる。ここも観光客が多く、道路を横切る人も散見され、注意を要する箇所である。
 横川で国道18号線から旧国道へ入り、町中を直上する。昨年の参加時も思ったが、道が直線のためかなりキツイ。この後には碓氷峠までの上りが控え、先が思いやられるが、天気もよいし、これから展開されるであろう新緑に包まれたコースに期待しつつ前進することに。スタート以来S氏&K氏との3人で走行してきたが、健脚の2氏には、先行して碓氷峠で待ってもらうことにする。
 碓氷峠に到る旧道は九十九折りで、各コーナーに番号がふってある。当初はその番号を追っていたものの、疲労で番号も読み取れなくなる。2氏の後ろ姿はまもなく視界から消え、ひたすら路面と新緑の木々を眺めての走行となる。
 標高964mの碓氷峠に着く。頂上では藤田氏と、先行の2氏が待っていた。コース前半のヤマは越えた。
 再び2氏と同行、軽井沢へと下る。軽井沢は相変わらず観光客が多い。
 軽井沢から小諸に到る間は、浅間山を右に眺めながらのダウンヒルで快適に走行できるが、信号の変わり目、クルマの横からの進入に備え、スピードコントロールも必要だ。
 走行時間も7時間を経過し、集中力も途切れがちとなったため、コンビニで昼食をとる。ロングランでは走りながらの補給も必要だ。私はジャージの後ろポケットから取り出しやすい、ミニパンやスティックパンを常用している。昼食兼休憩を約30分ほどとり、走りを再開する。
 国道18号線は上田市街を迂回しており、道路幅員も広く安全に走行できる。また、更埴市まで千曲川沿いの走行となり、川沿いの景観が楽しめる。
 篠ノ井を経て、犀川に架かる長野大橋を渡ると長野市だ。国道18号線と重複する国道406号線の分岐を国道18号線方面に進む。この頃、昼食後の睡魔が訪れ、長野市穂保のコンビニで休憩する。
 豊野町の国道18号線と飯山方面への国道117号線との分岐以降は、鳥居川沿いに上り坂が続く。だんだんと疲労が増し、信濃町のコンビニで休憩する。諏訪市に住むチーム大王のメンバーが、こんな山坂道を称して「長野的平坦路」と言っていたことを思い起こす。「冷酒と親父の小言は後で効く」のたとえのごとく、徐々に脚にくる道だ。

●川沿いの平坦路を快調に走る
依然として上りは続く。やがて上信越道の信濃町インター付近に差し掛かると、これまであった上り坂が途切れた。峠だ。いよいよ大ダウンヒルの開始。日本海まで一直線に下ると思うと、これまでのつらさが吹き飛ぶかのよう。各峠で待っていてくれた2氏とともに快適に下る。速度は50km/hを上回っている。関川に架かる信州大橋で県境を越える。いよいよ新潟県だ。
 遠く、雪化粧の黒姫山や妙高山のすばらしい景観を堪能しつつのダウンヒルは、快適の一語に尽きる。冬季はスキー場となる妙高高原を経て新井市付近にくると、やや平坦ともなるが、まだ下りは続く。
 時間は17時。まだ明るい。いよいよ直江津だ。本ルート最後の上り、保倉川に架かる橋を渡る。最後に日本海に注ぐ関川の荒川橋を渡り、海辺の宿へ到着、藤田氏の出迎えを受ける。リミット1時間前、14時間の走行、これまでのつらい上りを振り返り、ここ日本海まで到達したという達成感がみなぎった。
地図拡大
飯塚良雄 栃木県在住
走り続けることが大好きで、走り出すとなかなか止まらない。すべて……ing。自分の人生を山坂道に投影しながらセンチュリーランを楽しんでおり、今後も日本各地を、また海外の大会も可能な限り参加し、楽しみたいと思う。
[参加データ]
(第10回大会=2004年5月3日)
バイク:パナソニック チタンシクロクロス
タイヤ:700×23C
ギヤレシオ:48×38×28T/14~25T
●コース
川越→国道254号線→東松山→寄居→藤岡→富岡→磯部→国道18号線→碓氷峠→軽井沢→小諸→更埴→長野→妙高高原→直江津
●距離数
約280km
●問い合わせ先
〒350-0062埼玉県川越市元町2ー3ー3
レーシングスポーツ フジタ 藤田照夫
TEL.049-224-3446 FAX.049-224-3475
●会場までのアクセス
鉄道の場合:西武新宿線「本川越駅」から徒歩で約10分
クルマの場合:関越自動車道「川越インター」から約20分