難易度=(1~5)〈1=初めての人でも安心/2=自分で「やる気はあるぞ!」と言える人向き/3=1日に80km走った経験がある人向き/4=1日に160km走ってみたい健脚派向き/5=風雨の下でも160kmを完走するやる気のある人向き〉
「百哩走大王」とは、30歳以上の大人のサイクリストの全国組織である『センチュリーランを走る会』が、会員の年間活動記録に応じて与える称号。自転車百哩走大王たちが国内外のレースではない長い距離を走るイベントを、実際に参加したライダーの目で紹介する。
※この記事はサイクルスポーツ2003年12月号からの転載です。現在とは情報が異なる場合もありますので、ご了承ください。 地図の拡大を見る

●黒尾峠の上り口にある、のどかで穏やかな山村の風景


●黒尾峠に向かう途中の那岐大橋にて


●大会を支えてくれたスタッフのみなさん
 7時に受付が始まった。無事に車検を済ませて、7時20分にスタート。それまで降っていた小雨も、そのときにはやんでいた。
 途中の大原町役場までは、ショートコースに参加する小林睦夫さんと一緒に走るつもり。でも、緑豊かな気持ちのいいコースゆえ、ついスピードが出てしまい、後を振り返っても姿が見えなくなってしまった。小鳥のさえずりが、静かな山里に朝を告げている。
 まもなく第1CPのアゼリア館に到着。この大会は、カードに印を押すスタンプラリーとなっている。ゴールの制限時刻は16時なので、楽しみながらゆっくりと走ればいい。ここで小林さんに「先に行ってます」とメールを送り、再び走り始めた。県道46号線で美作土居を目指す。
 雨で洗われた木々が鮮やかな緑の衣を身にまとい、紫陽花が虹色に花びらを染め、野の花が初夏の風に揺れている。
 静かな山間の道を、追い風にのって楽しく走る。まるで風が「一緒に遊ぼうよ」と言いながら、背中を押してくれているよう。乳母車を押して畑に向かうおばあちゃんに、「こんにちは」とあいさつすると、おばあちゃんは少しだけ背中を伸ばして見送ってくれた。
 美作土居から国道179号線に。この辺りで自転車に異変が発生。不安を抱えつつも、「まだ大丈夫」と元気に走り続けた。
 県道5号線は、吉野川に沿って田園風景の中を走る穏やかな道。途中、コースから少し外れると、宮本武蔵生誕の地である大原町宮本。そこには武蔵の里など武蔵にまつわる施設が集中している。
 大きなガソリンスタンドがあったので、自転車屋があるかどうかを聞いてみる。そのとき、「澤田さん」と声を掛けられた。見覚えのあるジャージ、大王メンバーの小屋谷さんが、私に気づいて引き返してくれたのだ。
 そこで訳を話して空気を入れてもらい、空気を入れながらゆっくり進むことになった。天草センチュリーラン以来の再会に、楽しくしゃべりながら走る。
 第2CPの大原町役場を経て、のどかな田園風景の中をゆっくりと走る。パンクを忘れてしまうような穏やかな時間が過ぎていく。

●ゴール後、参加したみなさんとともに
 あわくら温泉を抜け、第3CPの志戸坂トンネルを出たところで、パンク修理をしている人を発見。パッチを分けてもらった。これでもう心配はいらない。
 智頭の千代川周辺は桜並木が続く。花見の季節にはロマンチックな道になるだろうと思いながら、国道53号線に入っていく。
 ここからは黒尾峠に向かう上り坂。2日前の事故で傷めたヒザをかばい、ゆっくりとペダルを回す。この道は「宮本武蔵がここで修行をしたのでは……」と思わせる昼でも薄暗い杉林が続いている。
 黒尾峠ドライブインが第4CP。ここからの下り坂は、路面が荒れて急カーブも続くので慎重に。
 坂を下ったところのコンビニエンスストアで、遅い昼食をとる。
 美作三湯の1つである湯郷温泉を通り、第5CPの湯郷鷺湯橋に到着。ここから先、ゆったりと流れる吉野川を横目に、英田町役場を目指して下る。
 そして無事にゴール。心が癒されるコースに、主催者やスタッフに対する感謝の気持ちが自然と湧いてきた。
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澤田伸子 岡山県都窪郡在住
自然の中を走るのが大好きなだけ。トレーニングを目的に自転車に乗ることはない。それでも日帰りで300~350・、2日がかりなら600~800kmを走る。これほどの距離を走る人はめったにいないので、たいていひとりで出掛けるものの、途中で友達と合流して一緒に走ることも。自転車に乗らない日は、少しだけ手の込んだ料理を作ったり、コンサートやショッピングに出掛けたりする。
[参加データ]
(第3回大会=2003年6月15日)
バイク:kijafa iF8000LIGHT
タイヤ:650×23C
ギヤレシオ:48×38×28T/14~25T

●コース
英田町役場-アゼリア館(第1CP)-大原町役場(第2CP、ハーフコース折り返し)-志戸坂峠(第3CP)-鳥取県智頭町-黒尾峠(第4CP)-湯郷温泉(第5CP)-英田町役場
●距離数
130km&90km
●問い合わせ先
岡山県サイクリング協会
〒700-0845 岡山県岡山市浜野2-5-30
TEL.086-263-2662
Eメール:t-masaru@mx91.tiki.ne.jp
URL:http://t-masaru-web.hp.infoseek.co.jp/
●会場までのアクセス
電車の場合:JR姫新線「林野駅」からバスで約20分
クルマの場合:中国自動車道「美作インター」から約15km、山陽自動車道「和気インター」から約25km