難易度=(1~5)〈1=初めての人でも安心/2=自分で「やる気はあるぞ!」と言える人向き/3=1日に80km走った経験がある人向き/4=1日に160km走ってみたい健脚派向き/5=風雨の下でも160kmを完走するやる気のある人向き〉
「百哩走大王」とは、30歳以上の大人のサイクリストの全国組織である『センチュリーランを走る会』が、会員の年間活動記録に応じて与える称号。自転車百哩走大王たちが国内外のレースではない長い距離を走るイベントを、実際に参加したライダーの目で紹介する。
※この記事はサイクルスポーツ2003年10月号からの転載です。現在とは情報が異なる場合もありますので、ご了承ください。 地図の拡大を見る

●開会式はのんびり。手作りっぽくて暖かみがある


●人との関わりを持ち続けている櫛田川は、とても美しい


●目指す蓮ダムは、あの山の懐
 松阪市と奥香肌峡とを往復するロードみえの目玉は、コース途中にある温泉。ゴール付近に温泉がある大会は数あれど、コース途中で「さぁ温泉に入ってください」という大会は非常に珍しい。
 清流櫛田川をずっと遡るコースは、ペダルのひと漕ぎごとに移り変わる大自然の表情が大変すばらしく、足を止めて見入ることもしばしばである。
 スタートした当初は阪内川の流れに沿って走る。道幅は広く路面状況も悪くはないが、観光地へのアクセス道なので交通量は比較的多い。ただ、大型車の走行は少なく、それほど危険を感じることはない。
 目指す方向の山々は、仁王像のようにそびえる。その山が両肩あたりに迫るようになると、最初の峠が現われる。標高差は大したことはないが若干道幅が狭まり、だらだらとした上りが続く。このフタコブラクダのような連続峠は、景色もとりたてて楽しめるものではなく、ここはガマンのしどころ。
 上り返した峠を爽快に下ると、水晶のような櫛田川が出迎えてくれ、ここからロードみえの真髄を味わうことになる。

●あるときはロングライド愛好者、またあるときは温泉マニア。本日は両方楽しめてぜいたくなり
 コースは若干の上り下りを繰り返し、徐々に標高を稼いでいくため、それほどキツイ上りはない。走りに余裕があるので、1つ1つの川底の石がつかめるほどに透き通る櫛田川を横から上から眺め、川面に映る木々の衣を脳裏に染みこませ、頬をなでる甘い山の空気を腹一杯にため込む。
 道々に案内のスタッフが立っているのはもちろん、細かく配置されたエイドステーションや案内板などサイクリストの立場に立った配慮がうれしい。また、コンビニや商店は第1CPから先はまばらになるが、それほど心配はいらない。
 第1CPは道の駅「飯高駅」。ここは同時にBコースの折り返し点だが、この大会はここから先がウリなので、ぜひともAコースを走ってほしい。100kmを超える距離は心配かもしれないが、コース前半が上り基調の分だけ、帰りはほとんど下り。つまり行くだけ行ってしまえば、勢いだけで帰ってこられるのだ。また、距離の割に制限時間が長く、大変ゆっくりと走れるのもうれしい。それでも心配という人には、最後尾に回収車がついている。
 しばらくは広く快適な道だが、山々がのしかかるように迫ってくると道幅は狭くなり、情緒あふれる由緒正しい日本の山村を縫うように走る。呼吸する空気は冷たさを加えてさらに輝き、一段と気分が良くなる。
 国道から逸れて目の前に尖った山々が現われると、その先が折り返し点の蓮ダム。ダムサイトまで一気に標高を稼ぐ激坂があるが、押して歩いても知れた距離。その激坂を上りきると、ダム湖を一望するポイントだ。絶景のダム湖畔を一周するが、周遊路は細いうえに見通しも悪くハイカーも多いので、注意してゆっくりと走ること。
 ダムの堰堤を渡りきったら、激坂を下って第2CPの「ホテルスメール」で昼食だ。売り物の「香肌の湯」は少し奥にある。
 帰りは何も心配せずにペダルを回せば、どんどん距離が稼げるが、最後の最後にフタコブラクダ峠が待ち受ける。往路の上りより勾配がきつくなるので、ここを上る力は残しておこう。もう一度汗をかいて再び阪内川と出会うと、ゴールはすぐそこ。分岐点にいるスタッフから「あとひとがんばり」と声で押され、もう一漕ぎだ。
 まだ開催回数が少なく、いかにも手作りの素朴な大会ではあるが、暖かみのあるスタッフ、少々の難関を用意しつつも走りやすく景色の良いコースは、最近注目を浴びる長距離ライドの入門として最適である。
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成瀬 徹 岐阜県高山市在住
もともとはツーリング野郎だが、長距離ツーリングの機会が減り始めた頃、センチュリーランに出会いすっかり虜になる。普段は数多い趣味をやりくりしつつ、日ごと移り変わる飛騨の大自然を楽しみながら、ちょっと長めのポタリングをしている。
[参加データ]
(第3回大会=2002年11月17日)
バイク:トレック1400T
タイヤ:700×23C
ギヤレシオ:52×42T×30T/12~27T

●コース
中部台運動公園-大石-飯南高校(給水)-道の駅「飯高駅」(52kmコース昼食&折り返し)-九十九曲-森-蓮ダム一周-中大橋-ホテルスメール(110kmコース昼食&折り返し)
●距離数
110km&52km
●問い合わせ先
三重県サイクリング協会
〒515-0034 三重県松阪市南町275-5 スギノサイクル内
TEL&FAX.0598-23-6885
●会場までのアクセス
電車の場合:JR紀勢本線&近鉄山田線「松阪駅」から約6km
クルマの場合:伊勢自動車道「松阪インター」から約7km