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チネリが考えるディスクブレーキ搭載ロードバイク「ヴェルトリクス ディスク」 が登場 チネリ2019モデル発表会レポ

独創的なフレームワークやデザインセンスあふれるグラフィックで、コアなファンを増やし続けるイタリアのチネリ。2019モデルとして新たに発表したのは、ディスクブレーキ搭載を前提としてイチから設計した「ヴェルトリクス ディスク」だ。同時に発表されたニューカラー採用モデルとともに紹介する。
 
text&photo:江里口恭平

ディスクブレーキの採用を前提として設計されたマルチパーパスロードバイク

「ヴェルトリクス ディスク」 シマノ・105ディスク完成車価格/41万円(税抜)
「ヴェルトリクス ディスク」 シマノ・105ディスク完成車価格/41万円(税抜)

「スーパーコルサ」、「レーザー」……数々の名車を生み出しつつ、近年ではピストバイクレースの「レッド・フック・クリテリウム」においても存在感を示しているチネリ。70年を超える同社の歴史の中では、イタリアのチューブメーカー・コロンブスの傘下となるなどさまざまな転機がありつつも、そのたびに時流を先取る変化を重ねることで、現在も他のブランドにはない独創的なアイディアを持つイタリアンブランドだ。

そんなチネリが2019年モデルとして新たに発表したのは、同社が初めてディスクブレーキ対応を念頭において設計した「ヴェルトリクス ディスク」だ。
これまでのチネリのロードバイク設計においては、リムブレーキのために設計されて形となった後、その乗り味をディスクブレーキモデルでも再現するということが一般的であった。

それが今作では、普及してきたディスクブレーキ規格をもとに、その採用を主眼において開発されたのである。ディスクブレーキに対応させると言いつつも、決して長距離走行に適したエンデュランスロードとして片付けられるバイクではない。

このヴェルトリクス ディスクは、初心者から上級者まで幅広いユーザーに扱いやすく、短距離のクリテリウムレースから長距離のグランツアーも視野に入れることができる、マルチパーパスバイクとしてパフォーマンス面が突き詰められた。

フレーム素材には、BBからチェーンステーまでのパワーを効率よく伝える部分にハイモジュラスのカーボン、快適性をになうシートステーにはハイレジスタンス、ヘッドからトップチューブにはその中間のグレードのカーボンと、合わせて3種の素材を組み合わせて配置している。それらはチネリやコロンブスが培ってきた技術が組み合わさったのだと担当者は語る。

それでいて、アルミバイクからの乗り換えのユーザーにも手を出しやすいというプライスを実現したヴェルトリクス ディスク。それには2018年にイタリアにおける全てのレースにおいてディスクブレーキの使用が解禁され、搭載モデルを求める市場の声に応える形で生み出された、純競技志向バイクであるとも言える。



Spec.
「ヴェルトリクス ディスク」 
シマノ・105ディスク完成車価格/41万円(税抜)
フレーム/カーボン フォーク/カーボン メインコンポ/シマノ・105ディスク MIX
ホイール/ヴィジョン・チーム30コンプ タイヤ/ミシュラン・ダイナミックスポーツ 700×25C サドル/サンマルコ・モンザ
サイズ/XS、S、M、L、XL カラー/ブルーバーンズオレンジ

「ヴェルトリクス」 
日本限定カラーフレームセット価格/12万5000円(税抜)
サイズ/XS、S、M、L、XL カラー/イタロ79ホワイト
フレーム単体重量/1000g(Mサイズ)

シマノ・105完成車価格/29万5000円(税抜)
フレーム/カーボン フォーク/カーボン メインコンポ/シマノ・105
サイズ/XS、S、M、L、XL カラー/ブルーバーンズオレンジ

 
ワイヤはフレームとフォークともにもちろん内蔵式
ワイヤはフレームとフォークともにもちろん内蔵式
トップチューブにはモデル名の由来となった神話上の犬の姿が
トップチューブにはモデル名の由来となった神話上の犬の姿が
ダウンチューブからチェーンステーまでの剛性を担うラインが流れるように連続する
ダウンチューブからチェーンステーまでの剛性を担うラインが流れるように連続する
12mmスルーアクスル、フラットマウント、ローター径は140mmと、現在主流となったディスクブレーキの規格をもとに設計されている
12mmスルーアクスル、フラットマウント、ローター径は140mmと、現在主流となったディスクブレーキの規格をもとに設計されている
快適性を担うシートステーは扁平形状。タイヤは幅は最大28mmまで対応しており、こちらの展示車には25mmタイヤがインストールされていた
快適性を担うシートステーは扁平形状。タイヤは幅は最大28mmまで対応しており、こちらの展示車には25mmタイヤがインストールされていた
発表会ではゲストとして、チネリのセールスマネージャーであるパオロ・バイレッティ氏も来日。彼は2012年までプロロード選手として活躍し、現在でも片道70kmのロードバイク通勤をこなすという
発表会ではゲストとして、チネリのセールスマネージャーであるパオロ・バイレッティ氏も来日。彼は2012年までプロロード選手として活躍し、現在でも片道70kmのロードバイク通勤をこなすという

ミラノの町並みをさっ爽と駆け抜けるコミューターに贈る「センパー ディスク」

「センパーディスク」 シマノ・105日本限定カラー完成車価格/19万5000円(税抜)、フレームセット価格/10万円(税抜)、シマノ・ティアグラ完成車価格/19万円(税抜)
「センパーディスク」 シマノ・105日本限定カラー完成車価格/19万5000円(税抜)、フレームセット価格/10万円(税抜)、シマノ・ティアグラ完成車価格/19万円(税抜)

「Always(いつでも)」などの意味を持つ「センプレ」というイタリア語の、ミラノ風なまりである「センパー」。そんな名前を冠されたアルミディスクロードバイクは、まさにミラノの町並みに溶け込むようなシンプルさと色気を匂わせる。

ウィークデイにはファストコミューターとして、そして休日には日帰りの荷物を積載して峠を越えるツーリングまでと、あらゆる環境に対応できるこのセンパー。

そのためにはディスクブレーキを採用することは当然のことながら、長めのホイールベースによる安定感を重視したジオメトリ、キャリアやフェンダー装備を前提としたダボ穴など、「多目的な」というキーワードのもとに設計されている。

それでいてチューブにはコロンブスのエアプレイン7005トリプルバテッドど、軽量かつ剛性の高いアルミを採用するなど、チネリの実力が垣間見えるバイクである。


Spec.
「センパーディスク」
シマノ・105日本限定カラー完成車価格/19万5000円(税抜)
フレーム/アルミ フォーク/カーボン メインコンポ/シマノ・105
サイズ/XS、S、M、L、XL カラー/イタリアンホワイト

フレームセット価格/10万円(税抜)
サイズ/XS、S、M、L、XL カラー/ブルーディスティニー
フレーム単体重量/1600g(Mサイズ)

シマノ・ティアグラ完成車価格/19万円(税抜)
フレーム/アルミ フォーク/カーボン メインコンポ/シマノ・ティアグラディスク MIX
ホイール/アレックス・ATD500   タイヤ/ミシュラン・ダイナミックスポーツ 700×25C サドル/サンマルコ・モンザ
サイズ/XS、S、M、L、XL カラー/ブルーディスティニー

 
「イクスピリエンス」フレームセット価格/7万5000円(税抜)。カラーはレッドライトとエブリシングターンズグレー。コロンブス製アルミチューブにカーボンフォークをおごる高コスパのロードフレームだ
「イクスピリエンス」フレームセット価格/7万5000円(税抜)。カラーはレッドライトとエブリシングターンズグレー。コロンブス製アルミチューブにカーボンフォークをおごる高コスパのロードフレームだ
「ヴィゴレッリロード」フレームセット価格/10万5000円(税抜)。現在のトレンドカラーであるパープルに、虹色の光彩を放つロゴが組み合わさる
「ヴィゴレッリロード」フレームセット価格/10万5000円(税抜)。現在のトレンドカラーであるパープルに、虹色の光彩を放つロゴが組み合わさる
エンデュランスロードバイクの「スーパースター ディスク」にも新たにレーザーカラーが登場(フレームセット価格/21万円・税抜、シマノ・アルテグラミックス完成車価格/53万8000円・税抜)
エンデュランスロードバイクの「スーパースター ディスク」にも新たにレーザーカラーが登場(フレームセット価格/21万円・税抜、シマノ・アルテグラミックス完成車価格/53万8000円・税抜)
こちらもカラフルな色見をまとったグラベルバイク「ジデコ」(スラム・アペックスミックス完成車価格/20万円・税抜)。フロントは42Tのシングルギアだ
こちらもカラフルな色見をまとったグラベルバイク「ジデコ」(スラム・アペックスミックス完成車価格/20万円・税抜)。フロントは42Tのシングルギアだ
チネリの伝統を表すスチールロードフレームである「スーパーコルサ」や、最先端のスチールレースバイク「ネモティグ」など、会場ではチネリならではの個性あふれるさまざまなバイクが展示された
チネリの伝統を表すスチールロードフレームである「スーパーコルサ」や、最先端のスチールレースバイク「ネモティグ」など、会場ではチネリならではの個性あふれるさまざまなバイクが展示された
これぞチネリ!といえるユニークなセンスが感じられるサイクルキャップなどアクセサリー類も勢ぞろい。数多くの若いアーティストのパトロンとなって本社内に抱えることで、独創的なデザインが日々更新されている
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