市販されるロードバイクコンポーネントとしては初、他社から1歩ならぬ〝1枚〞リードだ。もちろんリヤスプロケットを1枚増やすということは、コンポーネント全体を再設計する必要がある。全てのパーツが見事なコンビネーションを発揮してこそ初めて機能するからだ。カンパニョーロのプロダクトマネージャーに、開発で一番苦労したことは何かを聞くと「全てのパーツが問題なく連携して動くようにすること」と語ってくれたことがそれをよく表している。
今回リヤ12速に対応するのはトップ2グレード、スーパーレコードとレコードだ。まず発表されたのは機械式変速のリムブレーキモデルとディスクブレーキモデル。全てのパーツが12速専用だが、ホイールは従来の11速モデルと互換性がある。もちろん、フレームのエンド幅も現行のリムブレーキロードバイクの標準である130mmに対応している。モデルチェンジで心配になるフレーム、ホイールとの互換性が維持されているのは、ユーザーにとってメリットだ。
変速系以外にもアップデートが行われている。リムブレーキキャリパーは、17Cや19Cといったワイドリムホイールに対応している。フロントディレーラーも、太めの28Cタイヤをつけても十分なクリアランスを確保できるなど、ロードバイクの最新モードにフィットする設計変更が行われているのだ。冬前にはEPSモデルも登場する予定だが、まず機械式変速モデルからリリースした理由は、「機械式で確実に12速化できてこそEPSが完成できる」とのこと。その完成度のほどを、各パーツの詳細から見ていこう。