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カンパニョーロがリヤ12速化!

リヤスプロケットの枚数が10速から11速に変わったのは2009年、やはりカンパニョーロによる革新だった。

あれから9年、再びカンパニョーロがリヤスプロケットに1枚のギヤを加えたリヤ12速をリリース。全てが新しくなったその詳細を、スペインはグラン・カナリア島で行われた発表会で取材した。


※価格はすべて予定価格です。今後変動の可能性があります。

 
text:Takehiro Nakajima

〝コンポーネント〞という概念を世界で初めて作ったカンパニョーロの意地

12速レコードで組まれたバイク

市販されるロードバイクコンポーネントとしては初、他社から1歩ならぬ〝1枚〞リードだ。もちろんリヤスプロケットを1枚増やすということは、コンポーネント全体を再設計する必要がある。全てのパーツが見事なコンビネーションを発揮してこそ初めて機能するからだ。カンパニョーロのプロダクトマネージャーに、開発で一番苦労したことは何かを聞くと「全てのパーツが問題なく連携して動くようにすること」と語ってくれたことがそれをよく表している。

今回リヤ12速に対応するのはトップ2グレード、スーパーレコードとレコードだ。まず発表されたのは機械式変速のリムブレーキモデルとディスクブレーキモデル。全てのパーツが12速専用だが、ホイールは従来の11速モデルと互換性がある。もちろん、フレームのエンド幅も現行のリムブレーキロードバイクの標準である130mmに対応している。モデルチェンジで心配になるフレーム、ホイールとの互換性が維持されているのは、ユーザーにとってメリットだ。

変速系以外にもアップデートが行われている。リムブレーキキャリパーは、17Cや19Cといったワイドリムホイールに対応している。フロントディレーラーも、太めの28Cタイヤをつけても十分なクリアランスを確保できるなど、ロードバイクの最新モードにフィットする設計変更が行われているのだ。冬前にはEPSモデルも登場する予定だが、まず機械式変速モデルからリリースした理由は、「機械式で確実に12速化できてこそEPSが完成できる」とのこと。その完成度のほどを、各パーツの詳細から見ていこう。

 

リヤディレーラー

左がレコード、右がスーパーレコード

スーパーレコード価格/6万1500円(税抜)
レコード価格/ 3万3000円(税抜)


12速に対応すべく、より高い変速性能を実現するため改良された 
プーリーケージ長は1モデルのみ、従来のようにロングケージとショートケージはない。どの歯数でもスプロケットと上プーリーとの間隔が一定になるような軌跡を描いて動作する。またリヤの歯数が小さくなればなるほど、プーリーケージがハブ軸の前方に動いていく。これによって、スプロケットにチェーンがかかる歯数が増えるので、パワー伝達効率がアップする。プーリーケージのホイール側プレートは前作より薄くなっているので、12速化されてもスポークにヒットするリスクを軽減。レコードはプーリーケージがアルミ製になる。プーリー本体は上下とも11Tから12Tに大型化。上プーリーは下プーリーよりも歯丈が高くなり変速性能を向上している。 

 
上下のプーリーで歯先の形状が異なる

スプロケット

素材はすべてスチール製になった
ロー側5枚はクロモリ削り出し。3枚、2枚がそれぞれ1ピース

スーパーレコード 11-29T価格/4万7000円(税抜)、11-32T価格/4万9000円(税抜)(レコードグレード互換) 

11速用のホイールと互換性を保ちつつ12速化 
16Tが追加されたことにより12速化されたスプロケット。最大のメリットはワイド&クロスレシオだ。これまでの多段化はローに大きな歯数が追加されてきたが、その分15Tより大きいギヤで歯数差が2Tになってしまった。15T、17T、19Tといった具合。ここに16Tを追加することで使用頻度が高いレンジでギヤ比差を小さくし、ペースを一定に保ちやすくしている。低いギヤ比を実現しつつ、中間ギヤ比のクロスレシオをあきらめないでいいというわがままな仕様が実現できる。 

 

チェーン


スーパーレコード価格/ 8200円(税抜)(レコードグレード互換) 

耐久性はそのままに、より薄く 

スプロケットは11速と同じスペースに、各ギヤの薄くして12枚のギヤを収めている。ということは当然それにかかるチェーンも同じように薄くする必要があるということだ。その幅は11速用に比べて0.3mm薄い、5.15mm。 薄くはなっているが、耐久性は11速用と同等を維持しているという。 
 

エルゴパワー

左・リムブレーキ、右・ディスクブレーキ

スーパーレコード価格/6万8500円(税抜) 
スーパーレコードディスクブレーキ仕様+ブレーキキャリパー価格/7万4000円(税抜)(左右単体価格)
レコード価格/5万3500円(税抜) 
レコードディスクブレーキ仕様+ブレーキキャリパー価格/6万7500円(税抜)(左右単体価格)


基本形状はそのままに、ブレーキレバー形状、操作レバーのサイズを変更
10速から11速に移行した時は、その形状が大きく変更されたエルゴパワーだが、今回は基本的なデザインは踏襲されている。「もちろんいくつかの新しい形状をテストしたけれど、その結果、現在の形状を大きく変える必要がないと判断した」とプロダクトマネージャーは語る。とはいえ、各レバーは細かな形状変更が加えられている。シフトダウンレバーはやや大きく。シフトアップレバーはサイズアップ&手前にゆるく傾斜が付けられたことで、下ハンを握っている時の操作性をアップ。グリップパターンも一新されている。ブ レーキレバーは支点が従来より上になったことで、レバーを操作する力をより効率的に発揮することが可能。形状もやや変更されている。


 
レバー手前
レバー奥
リリース状態

フロントディレーラー

左・レコード、右・スーパーレコード
手前と、奥に巻く向き、巻き数の違うスプリングがセットされているのがわかる
インナープレートが前作よりも薄くなっている

スーパーレコード直付けタイプ価格/2万6000円(税抜) 
レコード直付けタイプ価格/1万5500円(税抜)


ダブルスプリング仕様になり、高い操作性を実現
従来は、変速プレートをシフトダウンさせる力の方向にのみスプリングが設けられていたが、新作ではシフトアップ方向の力をサポートするスプリングも追加された。従来はシフトレバーを操作する 手の力のみで変速していたものをスプリングがサポートする。インナープレートは薄くなり、チェーンをクロスでかけた時でも音鳴りがしにくい。ワイヤ固定ボルトは写真のようにディレーラー後方から固定する従来のルートに加えて、前方からも固定できるようになった。太いタイヤを使用する時でも十分なクリアランスを確保できる。

クランク


サイズ/ 165mm、170mm、172.5mm、175mm 
歯数/ 53-39T、52-36T、50-34T 

スーパーレコード価格/ 13万2000円(税抜) 
レコード価格/ 7万4000円(税抜)


大きくデザインを変更したクランクアーム。チェーンリングも12速に最適化
右クランクにあった穴がなくなり、エアロなデザインを手に入れたフルカーボンクランク。レイアップ、レジンが変更され紫外線耐性がアップしているという。4アームデザインは踏襲されているが、スーパーレコードは2本のアームをつなぐように〝ブリッジ〞が追加されている。高いトルクがかかる部分なので、チェーンをクロスでかけてたときにチェーンリングをサポートする。インナーチェーンリングは左右対称で薄い歯先を採用。12速を余すことなく使うことが可能。チタン製クランクシャフトは、ウルトラトルク機構を引き続き採用している。Qファクターも145.5mmと変わらず。採用されるBBベアリングはスーパーレコードはカルトセラミック、レコードはUSBベアリング。
 
スーパーレコード
レコード

ブレーキ

ノーマルキャリパー
ダイレクトマウントタイプ

スーパーレコードノーマルキャリパー前後セット価格/5万4000円(税抜) 
レコードノーマルキャリパー前後セット価格/3万5500円(税抜)

以下、スーパーレコード、レコードに互換性あり 
ダイレクトマウントタイプフロント用価格/2万6500円(税抜) 
ダイレクトマウントタイプリヤシートステー用価格/2万6500円(税抜) 
ダイレクトマウントタイプリヤBB下用価格/ 2万6000円(税抜) 
ディスクブレーキローター価格/ 7200円(税抜)  ※140mm径、160mm径とも同価格


カンパニョーロらしさは健在のリムブレーキ。 もちろんディスクブレーキもあり
ノーマルキャリパー、ダイレクトマウント、ディスクブレーキの全てのタイプがそろう。よりエアロでスムーズなデザインになり、タイヤ幅は28Cまで対応。さらにリム幅17Cのワイドリム、19Cのスーパーワイドリムにも対応。ダイレクトマウントタイプは前後ともブースターを備え、制動力をいかんなく発揮する。ディスクブレーキは昨年発表されたH11対応。

 
ディスクブレーキキャリパー&ローターは昨年発表された「H11」



スーパーレコードリムブレーキ仕様グループセット参考価格/40万円(税抜)
スーパーレコードディスクブレーキ仕様グループセット参考価格/44万5000円(税抜)
レコードリムブレーキ仕様グループセット参考価格/27万円(税抜)
レコードディスクブレーキ仕様グループセット参考価格/33万5000円(税抜)


※6月発売予定