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飛行機輪行の裏側を大解剖! サイスポ取材班がANAのバックヤードへ潜入取材

これから本格的なシーズンを迎えるサイクルイベントやレース。今年こそは飛行機を利用して遠征しようと考えている人も多いはず。そんなときに気になるのが、飛行機輪行の安全性。

「受託した自転車は一体どのような扱い方をしているの?」「どういう風に運ばれているの?」。

そんなサイクリストの不安に応えるべく、サイスポ編集部は普段見ることはできないANA(全日空)のバックヤードへ潜入取材をした。


 
text:大城実結 photo:長谷川拓司

潜入! 輪行袋の辿るバックヤードの旅


羽田空港の手荷物カウンターにて受託手続きを完了させたところから、知られざるバックヤードツアーがはじまった。

輪行袋が向かうのはコンテナに荷物を収容する「手荷物仕分け場」と呼ばれる場所だ。各コンテナに次々と荷物が収容されていく中、人の手によって手荷物仕分け場に運ばれてきた輪行袋。羽田空港では人力のほかにも、長尺手荷物や精密機器に対応するベルトコンベア(傾斜と速度が緩やかなベルトコンベア)。

AKN53646NHと記されたコンテナに収納された輪行袋は養生と固定ののちに、瞬く間に飛行機の待つスポットへ向かう。テキパキとした早業であると同時に、人の手の温かみを感じる搬入だった。
 
手荷物カウンターで受付。このときに注意事項や同意書記入などを行う
手荷物カウンターで受付。このときに注意事項や同意書記入などを行う
メイクでの作業風景。手で運ばれた輪行袋は、ひとつひとつ丁寧にコンテナ内に収容されていく
メイクでの作業風景。手で運ばれた輪行袋は、ひとつひとつ丁寧にコンテナ内に収容されていく
養生を行ったあと、中で暴れぬようにしっかりと固定される
養生を行ったあと、中で暴れぬようにしっかりと固定される

飛行機へ到着したコンテナは貨物室へ搭載されていく。尾翼付近の搬入口から確かに運び込まれるコンテナAKN52646NH。すべての荷物の搬入が終了し、飛行機のプッシュバックがはじまる。我々サイスポ取材陣は「到着空港にて無事な姿でまた会おう」と、我が子を見守るような気持ちで離陸する飛行機を眺めた。
 
他航空会社の積載状態。トランクの後方に輪行バッグが見える
他航空会社の積載状態。トランクの後方に輪行バッグが見える
最終的にはこの写真のように他に荷物と一緒に積み込まれる事が多い
最終的にはこの写真のように他に荷物と一緒に積み込まれる事が多い

バイクを積んだコンテナは機内へ! 動画





機体後方の貨物室に格納されるコンテナ。確かに輪行袋は旅立っていった
機体後方の貨物室に格納されるコンテナ。確かに輪行袋は旅立っていった
プッシュバックされ、滑走路に向かう機体。目の前で見る臨場感は鳥肌ものだった
プッシュバックされ、滑走路に向かう機体。目の前で見る臨場感は鳥肌ものだった
到着空港にて丁寧に取り出される輪行袋。長かった旅ももうすぐ終わりだ
到着空港にて丁寧に取り出される輪行袋。長かった旅ももうすぐ終わりだ

再会したのは愛媛県・松山空港。少し緊張しながら運び出されたコンテナの中を覗くと、搬入時と変わらぬ輪行袋の姿があった。そうして最後まで人の手で預け主の元に到着したのだった。

 

「とにかく丁寧に扱うように心がけています。」

ANAの担当者はこう語る一方、利用者に気をつけてもらいたいこともあるという。

「私どもは自転車については専門家ではないので、梱包方法には明るくありません。ぜひしっかりとご自身で梱包を行ったのちに、お預けをお願いしたいです」

3月20日発売予定のサイクルスポーツ5月号付録でも、詳細なバイク輪行術を紹介している。ほかにも受託時の注意事項やバックヤードの詳細など、痒いところに手が届く情報が満載だ。飛行機輪行初心者も常連も、大満足の別冊付録をご覧あれ。




 
最後まで人の手で預け主の元へ。自転車は無事無傷で松山空港に到着した
最後まで人の手で預け主の元へ。自転車は無事無傷で松山空港に到着した