トピックス

コルナゴ・C64 伝統のフラッグシップに新型登場

コルナゴジャパンのウエブサイトを見ると、C60の生産が終了になっていた。勘のいいサイクリストならうすうす気づいていたはずだ。次の「C」が来るのだと。

それがこの「C64」だ。


 
text:中島丈博 photo:長谷川拓司、中島丈博

カーボンラグ+カーボンチューブ構造は踏襲

C64 フレームサイズは480s。ペダル無しの実測重量は6.52kg
C64 フレームサイズは480s。ペダル無しの実測重量は6.52kg


コルナゴにとって「C」シリーズは特別なモデルだ。初代は1989年、同社35周年に登場したC35。当時まだ珍しかったカーボンモノコックフレームだった。

その次はC40。当時最強だったマペイチームに供給され多くの勝利を挙げた印象的なモデル。

その後、C50、C59、C60と時のトップレンジとして君臨してきた。そして今回発表されたのがその遺伝子を受け継ぐC64だ。C60と同じくカーボンラグでカーボンチューブをつなぐという構造だが、各部の仕様がアップデートされている。チューブは3Kカーボン仕上げだったものがUDカーボンになり、シートチューブとシートラグは一体化された。ブレーキはダイレクトマウントタイプに変更され、その制動力を生かすべくフォークとシートステーも強化されている。

フレーム重量は900g(サイズ500S未塗装フレームの状態)で、C60よりも186gの軽量化を達成している。

以下が軽量化の内訳だ
・シートクランプ/15g軽量化
・BBケーブル/6g軽量化
・ヘッドセット/10g軽量化
・フロントフォーク/45g軽量化。
・シートポスト/5g軽量化
 
C59でいち早くディスクブレーキロードに取り組んだ同社だ、もちろん、ディスクブレーキ仕様もラインナップされる。


・写真の完成車スペック
コンポーネント:カンパニョーロ・スーパーレコード 
クランク:カンパニョーロ・スパーレコード 53×39T 
ホイール:カンパニョーロ・ボーラウルトラ50 
タイヤ:ヴィットリア・コルサCX 700×25C 
ハンドル、ステム:コルナゴオリジナル 
サドル:セライタリア・SLR 
シートポスト:専用品 
カラー:BFBL(アズーロ)、BFWH(ビアンコ)、PKBK(マットブラック)、PKRD(レッド)、PKSL(シルバー)、PKWH(ホワイト)
サイズ:420S 、450S 、 480S 、 500S 、 520S 、 540S 、 560S 、 580S 、 600S 
実測重量:6.52kg(サイズ480S、ペダル無し)

フレームセット価格:65万円(税抜)、アートデコール(BFBL、BFWH) 69万8000円(税抜)
ディスクブレーキ仕様フレームセット価格:68万円(税抜)、アートデコール(BFBL、BFWH) 72万8000円(税抜)
※受注生産
 




フォークはストレートタイプである事に変わりはないが、ブレードの側面にあったリブがなくなり、プレーンな見た目になっている。ブレーキはダイレクトマウントタイプになった
フォークはストレートタイプである事に変わりはないが、ブレードの側面にあったリブがなくなり、プレーンな見た目になっている。ブレーキはダイレクトマウントタイプになった
ボトルケージ台座のくぼみよってダウンチューブの剛性がアップ。チューブの幅はC60よりも3mm狭い。これによりフロントでチェーン落ちが発生してもフレームとチェーンリングの間にはまってしまうの防ぐ
ボトルケージ台座のくぼみよってダウンチューブの剛性がアップ。チューブの幅はC60よりも3mm狭い。これによりフロントでチェーン落ちが発生してもフレームとチェーンリングの間にはまってしまうの防ぐ
ヘッドセットには、同社が昨年リリースしたエアロロード「コンセプト」で採用された、カーボン、ナイロン、エラストマーを融合させた特殊化合物から作られたものを採用。優れた振動吸収性をもたらす
ヘッドセットには、同社が昨年リリースしたエアロロード「コンセプト」で採用された、カーボン、ナイロン、エラストマーを融合させた特殊化合物から作られたものを採用。優れた振動吸収性をもたらす
シートポストはインテグレーテッドではない。D型断面をもち、クランプはトップチューブに内蔵されるので、とてもスマートなルックス。オフセットが15mm, 13mm, 0mm の3種類の選ぶことができる
シートポストはインテグレーテッドではない。D型断面をもち、クランプはトップチューブに内蔵されるので、とてもスマートなルックス。オフセットが15mm, 13mm, 0mm の3種類の選ぶことができる
シートステーはモノステーからダブルステーに変更されている。ブレーキをダイレクトマウントタイプに変更したことでより大きな力がシートステーにかかるため、それに耐える仕様変更だ
シートステーはモノステーからダブルステーに変更されている。ブレーキをダイレクトマウントタイプに変更したことでより大きな力がシートステーにかかるため、それに耐える仕様変更だ
チェーンステーはノンドライブ側が太い左右非対称。前作ではアルミ製だったリヤエンドだが、C64ではチェーンステーと一体のフルカーボン製になっている。ディレーラーハンガーはコンセプトなどと共通
チェーンステーはノンドライブ側が太い左右非対称。前作ではアルミ製だったリヤエンドだが、C64ではチェーンステーと一体のフルカーボン製になっている。ディレーラーハンガーはコンセプトなどと共通
BB規格には、C60に続きコルナゴ独自のスレッドフィット82.5を採用。プレスフィット用のBBを使用するが、金属製カップでBBパーツを受けるので、メンテナンスや交換作業時のフレームへの負担を減らせる
BB規格には、C60に続きコルナゴ独自のスレッドフィット82.5を採用。プレスフィット用のBBを使用するが、金属製カップでBBパーツを受けるので、メンテナンスや交換作業時のフレームへの負担を減らせる

国内最速試乗

データに裏打ちされたモンスター達がトップメーカーのフラッグシップに並ぶなか。コルナゴのC64の乗り味はなんとも古典的な味付けである。それでいてライドフィールのよさにはうならされる。

数字や実験によって、性能を約束されたバイクたちは、その走行性能の高さを疑う余地はない。数字は裏切らない。だが、フィーリングというなんともいい加減な人間のものさしに乗せた時に、そのデータモンスター達は必ずしも気持ちがいいかというと少し違う。データが証明しているんだ。だから、それを信じて走れば問題ない。そう信じるんだ……。

と、大げさな言い方をすれば、無理やり自分にデータが正しいから速いんだぞ! という暗示をかけながら走っているフシがなきにしもあらず。

それでいい人はいい。でも、手放しになんの前情報もなくバイクにまたがった時に「あ、いいな」と、感じさせる演出がなされているのがC64だと思う。外ラグフレームの最上級、最新のライドフィールを突き詰めた結果はこれだと納得させられる走りだ。

自分の感覚の延長、手足のように走ってくれる。ずっとバイクに乗ってきた人間の感性を無理せず延長したその先にあるのだ。これは、趣味のバイクとしてはとてもいい。と言い切れる。
 

実機展示中販売店

Y's ROAD 新宿本館 (東京)

カトーサイクル (愛知県)

・シルベストサイクル梅田 (大阪)

・サイクルセンター岡山 (岡山)

・しゃりんかん (熊本)

カラーバリエーション

BFBL(アズーロ)
BFBL(アズーロ)
BFWH(ビアンコ)
BFWH(ビアンコ)
PKBK(マットブラック)
PKBK(マットブラック)
PKRD(レッド)
PKRD(レッド)
PKSL(シルバー)
PKSL(シルバー)
PKWH(ホワイト)
PKWH(ホワイト)

C35(写真右) 1989年モデル

C40 1994年モデル

C50 2004年モデル

C59 2010年モデル

C60 2014年モデル

問い合わせ先

コルナゴ・C64スペシャルページ
http://www.colnago.co.jp/2018/product/c64/