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タイムの新型「アルプデュエズ」 伝説の峠を冠したタイム史上最強のクライミングバイク

比類なきカーボンフレームとして、世界中のロードバイカーより熱い視線を送られるタイムが、アイゾンの後継機となる「アルプデュエズ」シリーズを発表した。ツール・ド・フランスで幾多の名勝負を演出した峠を車名に冠した、その姿とはいかなるものか。
 
text:吉本 司 photo:吉本 司、ポディウム

「アルプデュエズ」シリーズ発表

写真のモデルはアクティブフォークを装備して、専用のグラフィックを施した「アルプデュエズ01LTDアクティブフォーク」仕様。今回の試乗車はデュラエースDi2のコンポにエンヴィ・SES3.4がセットされた


アルプデュエズ」。バイクのコンセプトを明確に表し、このモデルに懸けるタイムの並々ならぬ意気込みが伝わる車名である。21のコーナーを持つツールで最も名のある峠に例えて、アルプデュエズは2つのグレードを用意した。最高標高となる最終コーナーの番号を冠した最高峰の「アルプデュエズ01」と、入口となる最初のコーナーの番号を冠した廉価グレードの「アルプデュエズ21」である。

世界中のロードバイカーが熱い視線を送るであろうアルプデュエズ1は、タイム史上最軽量を記録し、最強のクライミング性能を有する軽量ラウンダーに仕上げられた。840gのフレーム単体重量は、数値こそアイゾンから60g(8.6%)の軽量化に過ぎないが、重量比剛性は25%向上に成功したという。

フレームワークは前作の面影を全くと言っていい程に留めていない。傾斜を増したスローピングフレーム、角形を積極的に取り入れて断面積を大型化した各チューブ、内蔵仕様となったケーブル類など、アイゾンと比べると垢抜けたモダンな立ち姿を手にしている。

もちろんそのフレームの製造方法は、タイムのライディングフィールの根幹をなす、カーボン繊維を自社でソックス状に編む「カーボンブレイデッド」、CFRP成型技術の「RTM」(Resin Transfer Molding)が用いられるのは言うまでもない。

 


New altitude bike. Where lightness and stiffness meet. #staytuned

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先に述べた軽量化と重量比剛性の向上は、各チューブの大径化に加えて、カーボン繊維も一部で新たなタイプが用いられたことにより達成された。さらに軽量化と剛性の両立に欠かせないHMカーボンの使用率は、アイゾンが45%だったのに対して、アルプデュエズ1はその割合を60%にまで引き上げた。

ちなみにその他の素材の構成比率は、HR/HSカーボン37%、ベクトラン3%で、使用するレジンについてはこれまでと同様だ。

こうした変更の他にもカーボンブレードの使用数は減らされ、フレーム成型時の芯材の使い方を変えるなど、細部に至るまで徹底的にこだわった作りを展開することでアルプデュエズ1は、タイム史上最軽量とアイゾンを上回る重量比剛性の獲得に至ったのだ。

かねてからタイムは、ライダーの高いパフォーマンスを長時間維持するには快適性が欠かせないとして、ベクトラン繊維を織り込んでフレームを成形し、アイゾンでは振動減衰効果に優れるアクティブフォークを新たに採用してきた。本作ではさらに独自シートポストを持つ、セパレート型のシート構造を新たに採用して乗り心地が高められている(同時に軽量化の意味もあるという)。

こうして全方位で進化を遂げたと言っていい「アルプデュエズ1」だが、やはりその走りは、単なる軽量車とは違った“タイムらしさ”が感じされる。バイクの挙動は軽いのに、なぜか慌てることなく乗れる。ペダリングフィールは軽く、軽快なクライミングを見せるが、そこに軽薄さは微塵もなく、力強いペダリングフィールなのだ。

変な表現だが“冷静にキレた走りができる”とでもいうのだろうか.....。

残念ながら今回、台湾にて行われたプレスローンチでは試乗時間が十分とは言えず、現地ではアルプデュエズ1の魅力の片鱗しか味わえなかった。本稿執筆後、改めてアイゾンと比較しながら国内で試乗を行う予定だ。その模様はサイクルスポーツ5月号の誌面でお伝えするので、そちらをご覧頂きたい。

ちなみに、発表会は台湾で行われたが、製造はフランス本国で行われていることを書き加えておく。


 
ヘッドチューブ上端を落としたデザインを与えることで、より低いハンドル位置を実現する。タイム独自のヘッドシステム、クイックセットは40g軽量化されて、全てがヘッドチューブへ内蔵される
フォークブレードの先端にチューンドマスダンパーを内蔵して高い振動減衰性能を発揮する、タイム自慢のアクティブフォークを搭載。アイゾンと同じく一般的なブレードのクラシックフォークも選べる
BB規格はBB386を採用する。大径のハンガーシェルに断面積の大きなダウンチューブとチェーンステーを接合することで、軽量化をしながらもパワーロスを生まないBBエリアの剛性を確保する
新たに角形の断面形状を採用したチェーンステー。アイゾンと比べると、そのボリュームはかなり増した印象を受ける。パワーラインの剛性強化に効いているはずだ。タイヤ幅は最大28mmまで対応
今作ではISPモデルはなく、軽量化と乗り心地の向上を求めてセパレート式のみとなる。シート周りは一体感を増して洗練されたデザインとなり、シートポストの固定はクランプキャップで行う方式を新たに採用
シートポストはペダリング時のパワーロスを抑えるゼロオフセット仕様の専用品。D字に近い断面形状を持つポスト部は27.2mm相当の外径を与え、垂直方向の柔軟性を高めて乗り心地を向上させる


■Spec.
アルプデュエズ01LTD
●フレーム素材/HMカーボン=60%、HR/HSカーボン=37%、ヴェクトラン=3% 
●フレーム単体重量/840g(サイズ/S) 
●フォーク重量/525g(アクティブフォーク) 
●フレームサイズ/XXS、XS、S、M、L、XL 
●カラー/アルティウム
 
■フレームセット価格
●アルプデュエズ1
アクティブフォーク仕様
・アルプデュエズ 1 LTDアクティブフォーク(限定50本) 価格:75万円(税抜)
・アルプデュエズ 1 アクティブフォーク カスタムカラー 価格:70万円(税抜)
・アルプデュエズ 1 アクティブフォーク カスタムカラー ハンドル&ステム付 価格:81万円(税抜)
・アルプデュエズ 1 アクティブフォーク レギュラーカラー 価格:65万円(税抜)
 
クラシックフォーク仕様
・アルプデュエズ 1 クラシックフォーク カスタムカラー 価格:64万円(税抜)
・アルプデュエズ 1 クラシックフォーク カスタムカラー(ハンドル&ステム付) 価格:75万円(税抜)
・アルプデュエズ 1 アクティブフォーク レギュラーカラー 価格:59万円(税抜)
※レギュラーカラーはアクティブ、クラシックフォーク共、ホワイト、レッド、レーシング、フレンチエディション、カスタムヒーローの5色展開。
 
 
カラー:アルティウム
レギュラーカラー:ホワイト
レギュラーカラー:レッド
レギュラーカラー:フレンチエディション
レギュラーカラー:カスタムヒーロー

30万円台で憧れのタイムを手にできる

カラー:カスタムヒーロー


廉価グレードとなる「アルプデュエズ21」は、カーボン繊維のグレードとその使用比率、フレーム形状がアルプデュエズ1と異なる。素材の使用比率はHMカーボンが8%、HR/RSカーボンを85%とし、振動吸収素材としてベクトランの代わりに新たにバサルト繊維を7%用いている。

フレーム形状はシート部とヘッド部に大きな違いがあり、フロントフォークにアクティブ機能は搭載されない。シート部は、汎用性のある丸断面のシートポスト(27.2mm径)を、クランプタイプのバンドで固定する方法を採用。ヘッド部はクイックセットのトップキャップが露出するオーソドックスな作りだ。

もちろんカーボンブレイドやRTM成型といった製造方法は上位機種と同様。フレーム単体重量は、アイゾンからわずかに10g増となる930gに仕上げられる(Sサイズ)。垂涎のブランド、タイムを30万円台で手にできる魅力的な1台だ。

 
カラー:ホワイト
カラー:レッド


アルプデュエズ21
●フレーム素材/HMカーボン=8%、HR/HSカーボン=85%、バサルト=7% 
●フレーム単体重量/930g(Sサイズ) 
●フレームサイズ/XXS、XS、S、M、L、XL 
●カラー/ホワイト、レッド、カスタムヒーロー
 
フレームセット税抜価格
アルプデュエズ21 フレームセット カスタムカラー 価格:35万円(税抜)
アルプデュエズ21 フレームセット レギュラーカラー 価格:29万8000円(税抜)


 

アルプデュエズシリーズ、ジオメトリー

問い合わせ先

ポディウム
0742・64・3555
http://www.podium.co.jp/