数あるイタリアンフブランドのなかで、ここ数年でシェアを拡大してきたのがウィリエールトリエスティーナ(以下ウィリエール)だ。マルコ・パンターニ、ジルベルト・シモーニ、ダミアーノ・クネゴら、ロードレースの歴史を彩るイタリア人レーサーたちが乗り、グランツールに出場するチームへサポートを続けている、ロード乗りにはおなじみのブランドである。近年はMTBやトレッキングバイク、eバイクなどもラインナップし、総合ブランドへと変貌を遂げつつある、勢いを感じるブランドだ。
そんな同社は、今年が創業110周年の節目の年。100周年のときは、イタリア語で100を意味する「チェント」の名を与えられた旗艦モデルが発表され、翌年にはより軽さと剛性を手に入れたチェントウノ、さらに剛性を上げたチェントウノSR、空気抵抗低減を果たしたチェントウノエアーと、ロードバイクのトレンドを取り入れながら〝チェントシリーズ〞は10年の月日を過ごしてきた。そして今年、110を意味する「チェントディエチ」と、エアロロードをイメージさせる「エアー」を冠されたフラッグシップモデルが登場。その発表会を取材するため、4度目のイタリア本社取材へと向かった。