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110周年を迎えたウィリエール トリエスティーナから、ニューモデル「チェント10エアー」が登場!

1906年創業のウィリエール トリエスティーナは、今年で110年の節目を迎える。イタリアブランドとなれば、アニバーサリーモデルはお約束ということでチェント10(チェントディエチ)の登場を取材すべく、今年もイタリア本社へ飛んだ。
 
text●中島丈博 photo●中島丈博/Keisuke"Kitto"Kitamura(服部産業)

ウィリエール最新モデルはエアロロード「チェント10エアー」

 
数あるイタリアンフブランドのなかで、ここ数年でシェアを拡大してきたのがウィリエールトリエスティーナ(以下ウィリエール)だ。マルコ・パンターニ、ジルベルト・シモーニ、ダミアーノ・クネゴら、ロードレースの歴史を彩るイタリア人レーサーたちが乗り、グランツールに出場するチームへサポートを続けている、ロード乗りにはおなじみのブランドである。近年はMTBやトレッキングバイク、eバイクなどもラインナップし、総合ブランドへと変貌を遂げつつある、勢いを感じるブランドだ。
 
そんな同社は、今年が創業110周年の節目の年。100周年のときは、イタリア語で100を意味する「チェント」の名を与えられた旗艦モデルが発表され、翌年にはより軽さと剛性を手に入れたチェントウノ、さらに剛性を上げたチェントウノSR、空気抵抗低減を果たしたチェントウノエアーと、ロードバイクのトレンドを取り入れながら〝チェントシリーズ〞は10年の月日を過ごしてきた。そして今年、110を意味する「チェントディエチ」と、エアロロードをイメージさせる「エアー」を冠されたフラッグシップモデルが登場。その発表会を取材するため、4度目のイタリア本社取材へと向かった。
 

ウィリエール2代目のエアロロード

ステムの固定には斜ウスを備えたパーツを使う。ボルト一本締めだ。これとは別にフォークコラム内にアンカープラグも必要
フォークの内側は、25Cのタイヤを付けた状態でもしっかりとクリアランスが確保されているのが分かる
「ケーブルプレート」写真は機械式コンポーネントで組むときに使用するタイプ。ダイヤルはフロントディレーラー調整用だ

発表された「チェントエアー」は、ウィリエールにおいて2代目のエアロロードとなる。その成り立ちは、先代のチェントウノエアーよりもトレンドをフルに盛り込んだ内容となっている。一番に目を引くのは、ステム一体型ハンドル「アラバルダ」だ。英語で言うと「ハルバード」となり、近世ヨーロッパで使われた鉾槍で「トリエステ市」と「ウィリエール」のシンボルである。最近のエアロロードは、ハンドルバー〜ステムにどの程度ワイヤを内蔵するかが見どころのひとつ。チェント エアーは、シフトケーブルのみを全て内蔵する仕様になっている。ブレーキケーブルは一部だけ内蔵だ。サイズは6種類。
 
その他のパートも、トレンドを徹底的に追求している。フレーム各部のチューブ断面はカムテール形状を採用し、前後ブレーキはダイレクトマウントタイプ。シート クランプはフレームからまったく出っ張っていない。大きな空気抵抗が発生するフォークの股の部分は、ホイールとのクリアランスをあえて大きくとることで、空気を流れやすくして改善している。これにより太さ28Cのタイヤも装着できる。
 
コンポーネントは機械式、電動の両方に対応。ダウンチューブには「ケーブルプレート」というパーツがあり、コンポーネントのタイプによって最適なタイプが用意されている。機械式の場合にはフロントディレーラー調整ボルトを備えたもの、電動式の場合はプレーンなカバーといった具合だ。シートポストは、リッチー製の専用品。ヤグラ部は無段階で角度が変えられるので、サドル角度の微調整も容易に行える。
 
フレームサイズは全6サイズ展開で、各サイズそれぞれにとって最適なバランスを持たせるためにチューブの太さなどを変えている。例えばダウンチューブの太さはXSサイズで・3mmなのに対し、XXLでは・5mmになっている。冒頭で触れたアラバルダバーの話を読んで、「一体型ハンドルはポジションが......」と思った人もいるだろう。ウィリエールはそこも考えている。チェントエアーはノーマルのハンドルバーで組み立てることもできるのだ。その場合はワイヤ類を内蔵できる区間が減ってしまうが、この割り切りは他社にはない。
 
フロントディレーラー台座はアルミ製台座のフレーム取り付け部は大きな面を持ち、フロントディレーラーのサポートボルトを受け止めることができる
シートポストのフィキシングボルトもフレームにきれいに収まっている。リヤブレーキワイヤはトップチューブの上側から外に出るのでワイヤリングに無理がない
BBは386エボではなく、軽量化と使い勝手の良さを優先してプレスフィットに変更。ねじれ剛性も向上
リヤブレーキもダイレクトマウントタイプで、シートステーに取り付ける。アルテグラ、105グレードを使う場合はステンレス製ブースターが必要
チェーンステーはもちろん左右非対称。パワー伝達効率向上と、チェーンとの衝突リスクを低減する
シートステーの位置は、UCIルールぎりぎりの低さ。少しでも空気抵抗を低減するためだ

中島によるインプレッション「とにかく手堅いエアロロード」

エアロロードは、空気抵抗低減の見返りに個性的な走行性能を持つものと、空気抵抗低減はそこそこに、走行性能とのバランスをとっているものとに分かれる。どちらを選ぶかはライダーの目的によるので、一概にどちらがいいのか明言はできない。ちなみにチェントエアーはどっちなのかというと、後者だといえる。

低速で走っているときは、ハンドリングのクイックさが気になった。かなりヒラヒラしていて、神経質な印象だったのだ。ハンドルバーは強くねじるとたわむのが明確にわかるし......。だがひとたび走り出してスピードを乗せていくと、その印象はどこへやら、下りでスピードが出ているときでも、最初に感じていた不安定さはまったく顔を出さず、コントロールしやすい印象へと変わった。

自分はちょっとクセがあるほうが好みだが、チェントエアーはいたって〝まっとう〞である。加速も小気味良い。先代のチェントウノエアーは、フレームがしなってタメが効く印象で、ロングライドなど一定のペースで淡々と走るのに向く印象だったが、こちらは明確にロードレーサー然としたキャラクターに振り切っている。エアロロードとはいえ、上りも得意だ。下手なノーマルロードよりも走ってくれる。

ダイレクトマウントブレーキは、2カ所でブレーキキャリパー本体をフレームに固定しているため、ノーマルキャリパーよりも高いブレーキ性能を発揮できるのが魅力だが、個人的な経験上では搭載しているフレームによって、本来の性能が出せているものとそうでないものがある。このバイクは満足させてくれた。ただ、ワイヤ内蔵フレームの宿命ともいえる、ワイヤ類の引きの重さを感じたことを書き留めておきたい。

一体型ハンドルは、もちろん好みの分かれるアイテムだ。シェイプは1種類だし、個人的には幅400mmでステム長110mmもラインナップしてほしいのだが.....。ちなみに幅400mm、ステム長100mmのモデルは日本市場向けに追加されたサイズとのこと。コラムスペーサーの構造は、他社のコピーにならず、かつ利便性を確保している点に感心した。いくつかのエアロロード組み立てを見てきたが、その中でも難易度は低めに設計されていると思う。
 
明確にロードレーサー然としたキャラクターの仕上がり
上りでも活躍できるエアロロードだろう
完成車価格/未定
フレームセット価格/44万円(税抜)
アラバルダバー価格/7万2000円(税抜)
フレームセット+アラバルダバー価格/50万円(税抜) 

(試乗車スペック)
フレーム&フォーク/カーボン
コンポーネント/カンパニョーロ・レコード&コーラス
ホイール/カンパニョーロ・ユーラス
タイヤ/ミシュラン・プロ4エンデュランス 700×25C
ハンドル/アラバルダハンドルバー(ステム長100mm、ハンドル幅420mm)
サドル/アスチュート・スカイラインSR
カタログ重量/990g(フレーム、 サイズM)
サイズ XS、S、M、L、XL、XXL 
 

問い合わせ先

服部産業
06・6981・3960
http://www.wilier.jp