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ジロのすみっこから、僭越(せんえつ)ながらお届けします その3

現在開催中、今年最初のグランツールであるジロ・デ・イタリア。レースが北イタリアに差し掛かるタイミングで運よくイタリアに行く仕事があった中島が、これまた運よくニッポ・ヴィーニファンティーニチームにくっついてジロ第13ステージ~第16ステージまでを回れるチャンスをゲット。そんな日々をお届けします。
 
text:中島丈博

クネゴはチームいちばんの人気者


第15ステージの山岳TTスタート前、チームエリアではエースのダミアーノ・クネゴがチームバスから降りてくるのを多くのファンがいまかいまかと待っていた。第4ステージで山岳賞ジャージ「マリア・アッズーラ」を獲得し、12年ぶりにジロの表彰台へ帰ってきた。それからこのジャージを守り続けている。

TT前ということでローラー台でアップをするのだが、通常チームのアップエリアはテープやつい立で関係者以外が入れないようになっているもの。だが、ニッポ・ヴィーニファンティーニにはそれがない。ゆえにファンがサインや記念撮影をお願いしやすい。というか、し放題に近い状態になっていた。とはいえ節度ある人たちばかり。ファンの意識も本場ということだろう。

「クネゴは3週間のレースを闘い抜くためのノウハウを持っている。過去出場した長いレースでは必ず完走しているので、このジロもいい形で走り切ってくれるのではないか」とチームGMのフランチェスコ・ペロージ氏は語っている。
 
マリア・アッズーラのスキンスーツを身にまとい、山岳TTへと出撃していくクネゴ
マリア・アッズーラのスキンスーツを身にまとい、山岳TTへと出撃していくクネゴ
サイン、記念撮影に応じる
サイン、記念撮影に応じる

ジロはバイクを変更!?

春先のキャンプを訪れた時、チームのバイクは、昨年に引き続きデローザ・プロトスだった。だが、今ジロ・デ・イタリアでは一部選手を残してニューモデルであるデローザ・SKピニンファリーナを使用している。カラーリングはブルーにネオンオレンジの入った、チームカラーを反映したデザインになっている。このブルーがとてもきれい。合わせられるカンパニョーロ・ボーラウルトラ35のデカールもチームカラーのオレンジにあわせたものに変更。この心憎い演出は、チームメカニックが1本1本貼り直したそう。大変だ・・・。
 

クネゴはエース仕様のスペシャルカラー

前回の記事「僭越(せんえつ)ながらお届けします その2」を読んでくれた人で、「バイクの色は、その1色だけ?」と思った人がいたならかなりの観察眼をお持ちである。エースのダミアーノ・クネゴだけは、チームカラーとは別のスペシャルカラーのモデルが用意されているのだ。前回の記事でたびたび登場していたホワイト基調のバイクがそれ。差し色にレッドと、ネオンイエローが入っている。このカラーリングは、SKピニンファリーナの開発にも大きくかかわったカロッツェリアであるピニンファリーナが発表したコンセプトカーとおそろいのデザインだそうだ。
 
ステムは130㎜
ステムは130㎜
クランク長は170㎜
クランク長は170㎜
ルーフキャリアはアーム一本で各バイクを固定している。スペアバイクを素早く降ろすためだ
ルーフキャリアはアーム一本で各バイクを固定している。スペアバイクを素早く降ろすためだ

アルペンスキーW杯男子ダウンヒルチャンピオン「ペーター・フィル」登場!

専用カラーのデローザ・SKピニンファリーナ
専用カラーのデローザ・SKピニンファリーナ
ペーター・フィル本人と、クリスチアーノ・デローザ氏が登場。フィル選手もかなりの人気度だった
ペーター・フィル本人と、クリスチアーノ・デローザ氏が登場。フィル選手もかなりの人気度だった
第15ステージのスタート前、チームエリアではデローザのちょっとしたセレモニーが行われた。イタリア人プロスキーヤーのペーター・フィル。彼はアルペンスキーW杯男子ダウンヒルの現チャンピオンで、トレーニングでロードバイクに乗っている。そこで、デローザが彼のためのスペシャルカラーに塗られたSKピニンファリーナを用意した、そのお披露目が行われた。