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ルック新型TTバイク「796モノブレード」に込められたこだわり
2015.09.17
あらゆるものを内蔵し、ミニマムに
これによって、アイアンマン・コナのコース(180km)を時速40kmで走ったときに6.2w、126秒をセーブできる。
ポイントになるのは4つ。非常に幅の狭いヘッドチューブ。専用のDHハンドルバーセット。新開発のシートポスト。ZED3に世代が進んだ専用クランクだ。
まずは最大のポイントであるヘッドチューブ。左の写真を見るとその幅がかなり狭いことがわかる。ルックはかつて通常のロードバイクのようにヘッドチューブ内にフォークコラムが通る構造ではなく、フォークとフレームをヒンジでつなぐ形状を採用していたが、796ではフォークコラムがヘッドチューブの中を通る構造ながらこの幅を実現した。
フォークコラム径はわずか25㎜
そのフロントブレーキは同社のエアロロード795エアロライトと同じく、フォークブレードに内蔵されるVブレーキタイプ。リム幅28mmのワイドリムも装着することが可能だ。
フォークの肩の部分にはハンドルが切れすぎてトップチューブに衝突しフレームを痛めるリスクを減らすために、ハンドルを止めるための溝が切ってある。見えない部分までしっかりと作り込まれている。
フォークブレード先端はクイックリリースレバーがよりブレードにフィットさせるために左側だけすこし短くなっている。徹底的にこだわろうという開発姿勢が垣間見える部分だ。
クランクセットは新型チェーンリングを採用し、サイズ展開も豊富に
ZEDクランクの特長である、ペダル取り付け部のパーツを入れ替えることによってクランク長を選択できる機構はそのまま引き継がれている。
従来はクランク長が170mm、172.5mm、175mmの3種類からしか選択できなかったが、新型では新たに155mm、157.5mm、160mmと162.5mm、165mm、167.5mmが選択できる2モデルが追加された。
エアロ、メンテ、パッキングの利便性アップをかなえるシートポスト
まずフレームの付け根にはシートポストをクランプするパーツがあり、これによってシートポストを固定している。ただし、この部分では高さ調整はできない。クランプパーツはシマノDi2バッテリーホルダーも兼ねている。
シートポストは236mmあり必要な長さにカットしてフレームに取り付け、高さ調整はヤグラとの間に入れるエラストマー素材のスペーサーによって行なう。1mm刻みで最大12mmまでが調整範囲だ。シートポストは最大で162mmまでカットできる。
シート角はヤグラを交換することでロードTT用74°のほか、76°、78°、80°に設定することもできるのでトライアスロンでの使用にも対応できる。シートポスト〜サドルまでが簡単に取り外せるので、バイクを宅配便で発送するときでも梱包がコンパクトになる。
トライアスロンにも対応
796はロードTTはもちろんトライアスロンでの使用も視野に入れた設計となっている。プレゼンテーションでは元プロ選手のローラン・ジャラベールが登場。1997年の世界選手権タイムトライアルチャンピオンである彼は、現在トライアスロンにも挑戦しているとのことで796でアイアンマン・コナに出場予定とのこと。
ハンドルも幅広いポジションに調整可能
ハンドル周りにはボトルを取り付けたり、補給食などを納めるためのトップチューブバッグの取り付けアタッチメントも用意されている。