第4世代へと進化したキャニオン・アルティメットCF SLXシリーズ
ルート・ド・スッドでN・キンタナが実戦投入
今作では従来よりも横幅が狭く、縦方向に長いカムテール設計の「Dシェイプダウンチューブ」の採用を筆頭に、フレーム単体のエアロダイナミクスを8%(−7.4W)向上させている。
さらにステム一体型カーボンハンドルバー「エアロコックピット」(ドロップ形状が異なるSLXの専用品)も付属され、トータルでは14%(−12.9W)の空気抵抗削減するに至った。でありながら優れた重量比剛性は前作レベルを維持し、しかもフレーム単体重量は10g軽量化された780g(塗装込みのMサイズ)を実現。ちなみにカーボン繊維とレジンは、新しいバージョンとなっている。
ルート・ド・スッドでデビューしたN・キンタナのアルティメットCF SLX
空力とともに新型アルティメットの大きな改善点となるのが快適性の向上だ。シートクランプを持たない新型の「シートチューブインサート」と呼ばれるシートポストの固定方法は、ポスト部のしなりをより発生できるようになり、これにより垂直方向の快適性が15%向上。乗り心地が高められている。
こうした大きな点以外にもフリクションを低減するワイヤリード類、剛性25%高めたリヤディレーラーハンガーなど、その作り込みは細部に至るまで抜かりがない。優れた重量比剛性にエアロダイナミクスと快適性を付加した新型アルティメットCF SLXは、よりオールラウンドなハイパフォーマンスロードバイクとして確実な進化を遂げたといえるだろう。
そしてこのバイクは、先日行なわれたルート・ド・スッドにおいてN・キンタナが初の実戦投入をしており、総合成績2位のリザルトを残してそのパフォーマンスの高さを示した。もちろんツール・ド・フランスでも、彼がマイヨ・ジョーヌを獲得するための相棒となるのは言うまでもない。
■横幅を抑えたダウンチューブは上面を平らにして、下面にアールを与えたカムテール設計のDシェイプ。ねじれ剛性とエアロダイナミクスを両立する形状だ
■上下1-1/4インチ径のオーバーサイズヘッドチューブは、その中間にくびれを与えたアワーグラス型により、前衛投影面積を小さくして空気抵抗を削減する
■前作から引き続き採用されるボリューム感に優れるシートステー接合部。シートチューブに対してステーの接合位置を広くとって高いねじれ剛性を確保する
■全体的にややスリムになった印象のあるフロントフォーク。ブレード部分は、ダウンチューブなどと同じくDシェイプとしてエアロダイナミクスを高める
■シートポストの固定はシートチューブの後方から行なう。中央にあるラバーキャップを外すと奥にはイモねじがあり、これを回すとシートチューブに挿入された樹脂パーツがシートポストを押して固定される
超軽量モデル「アルティメットCF SLX EVO」も登場
また新型アルティメットCF SLXには、最上級グレードとしてフレーム単体では665g、フォーク重量275gの超軽量モデル「アルティメットCF SLX EVO」も用意される。アルティメットCF SLXとフレーム形状は同じだが、カーボン繊維とレジンが異なり、フレーム一体型のカーボン製フロントディレーラー台座、シートチューブインサートの固定ボルトがチタン製となる。
発売時期・価格は未定だが、こちらも注目の1台といえるだろう。
アルティメットCF SLX EVOの完成車は、THM製のクランク&ブレーキ、ライトウエイト・マイレンシュタインオーバーマイヤーのホイールを装備して4.85kgに仕上げた
※アルティメットCF SLXの詳しい製品情報については、キャニオンホームページ http://po.st/TheNewUltimate まで(アルティメットCF SLX EVOは掲載されていません)。
※アルティメットCF SLXの価格・ラインナップはユーロバイク中(8月末)に発表。現行モデルに準ずる価格・ラインナップを予定しています。受注開始はユーロバイク期間中から開始。デリバリーは11月以降を予定しています。