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ピナレロ × ジャガーが共同開発したウィギンスのアワーレコードマシン BOLIDE HR

ウィギンスがアワーレコード更新に使ったスペシャルマシン。これがその詳細だ!
 

ギア比は58T×14T

 
6月7日(日)イギリス・ロンドンにあるリー・バレー ヴェロパークにて、サー・ブラッドリー・ウィギンスがUCI アワーレコードに挑戦し、54.526kmを走破して世界記録を更新した。この快挙を支えたバイクが「ピナレロ・BOLIDE(ボライド) HR」。ウィギンスの記録更新のためにピナレロとジャガーが共同開発したスペシャルマシンだ。ギア比は58T×14T。
 
ピナレロ社、アワーレコードといえば1994年9月、ミゲール・インデュラインが当時の世界記録である53.040kmを記録した時の事を思い出すだろう。自転車史に残る美しいバイクのひとつだ。それから22年。ピナレロは再びアワーレコードを塗り替えた。 ウィギンスが使用したバイクに話を戻そう。彼が2014年スペイン・ポンフェラーダで開催されたロードTT世界選手権において、チャンピオンを勝ち取った時に使用していたバイクをベースに、アワーレコードの記録を塗り替えるために最適化され、UCIの公認を得られるように設計されている。
 

ジャガーの技術

 
ジャガーのエンジニアは、これまで設計した中でもっとも空力特性に優れた「JAGUAR XE」を開発するのに用いられたのと同じ「CFD(計算流体力学)設計」を取り入れ、ロード・カーの技術をリードする研究開発のキーとなる洞察と同じ方法 を用い、積み上げた知識を生かして、全体的な空力性能を7.5%も向上させた。

具体的にはフロントフォークの幅を狭くし、フロント・ディスクホィールとの間隔もより狭くした。そしてボトムブラケット周辺での気流を整えた。フロントフォーク表面やチェーンリング、ハブなどの空力特性を最適化するための再設計なども行なわれている。また会場となるバンク(1周250m、最大バンク角42 度)の特性も鑑みられている。
そしてハンドルバーは空気抵抗軽減のため、まったく新しいものが製作された。ウィギンスのポジションを再現しているのはもちろん、CFD設計で導き出された形状を、いままでであればCNCやカーボンモノコックによって製作するところだが、レーザー焼結技術(3Dプリント技術)を用いて製作されたチタニウム製ハンドルバーを装備。

ジャガーランドローバー 主任CFDエンジニアのジョン・ピットマン氏のコメント:ジャガーには、エアロダイナミク スにおける豊富な知識と経験、有能なエンジニアのチームがあります。我々はピナレロとのコラボレーションで作業することができることを非常に誇りに思っています。
バイクの開発に、このようなハイレベルのエンジニアリング機能と解析手法を用いることは、自転車業界では非常に新しい取り組みですが、私たちジャガーランドローバーが業界をリードする専門知識と設備をもっていることを見せられました。
 
 

サー・ブラッドリー・ウィギンス「最も過酷なチャレンジ」

 
UCIアワーレコードへの挑戦とは、自転車競技において、コンマ1秒のタイム差が非常に重要となる、人間のパフォーマンスの限界に挑む最も過酷なチャレンジです。
 
私は2010年以来、ジャガーのパフォーマンス・エンジニアと協力してきました。彼らの世界でも有数のエアロダイナミクスにおける知識と経験、そしてフレー ム設計におけるエキスパートであるピナレロとのコラボレーションは、私が新たな記録を樹立するのに大きな自信を与えてくれました。「BOLIDE HR」は、私がこれまで乗ってきたバイクの中でもっともエアロダイナミスクに優れたトラックバイクです。
 

 

ピナレロ社CEOのファウスト・ピナレロ氏「とても光栄で誇らしい」

 
われわれがミゲル・インデュラインのために、最後に設計したアワーレコードモデルから20年後、ブラッドリーのアワーレコード挑戦のため、この特別なBOLIDE HRを作ることができたのはとても光栄で誇らしく思っています。
ブラッドリーならびにチームスカイのパートナーとして、ジャガーと我々の関係は、ピナレロがワールドクラスのハイパフォーマンスバイクを作成し続けられることを確実にしています。

 
ジャガー・ランドローバー グループのグローバル・ブランドエクスペリエンスディレクターであるマーク・キャメロン氏
サー・ブラッドリー・ウィギンスはイギリススポーツ界のレジェンドです。そして彼はジャガーの行なうグローバル・サイクリング・スポンサーシップにとって必要不可欠な人物です。ピナレロと我々の優れた協力で、ウィギンスのBOLIDE HRを共同開発することにより、ジャガーが持つワールドクラスのエンジニアリング技術を世界中の観衆に証明するのに役立っています。

 

問い合わせ先

ピナレロジャパン
http://www.pinarello.jp