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入門ロードバイク 2015【キャノンデール、バッソ】

キャノンデール「シナプス カーボン 5」は、快適性を重視するエンデュランス系バイク「シナプス」のテクノロジーを搭載したエントリーモデル。
 
バッソ・ロトは2013年シーズンからラインナップに加わったコンフォート系のロードバイクで、ロングライドを主体とするユーザーから高い評価を得ている。
 

20万円台で乗れる!キャノンデール・シナプス カーボン5 105

イギリスの自転車専門ウエブサイトで2年連続 BIKE OF THE YEAR 獲得
 
2015シーズン注目の新星チーム「キャノンデール・ガーミン」。 選手たちが操るバイクが、エリートロードの「スーパーシックスエボ」とエンデュランスロードの「シナプス」だ。スーパーシックスエボは言わずと知れた名車であるが、 シナプスも、快適性を重視する数あるエンデュランス系バイクの中で、雄ともいえる存在だ。 
 
「シナプス カーボン5」はハイエンドと同じ金型とカーボンレイアップ製法を用い、フレーム素材にはバリステックカーボンを採用。上位グレードに使用されるハイモッドフレームと同じ剛性のため、ペダリングパワーを余すことなく推進力へ変えてくれる。ジオメトリーは、レーシングスペックの低い姿勢のポジションとアップライトなポジションを得意とするコンフォートロードとの中間設計。 
 
そして、ライダーのストレスを軽減させる独自の振動吸収テクノ ロジーを各所に搭載。フロントフ ォーク、チェーンステー、シートステーには、路面からの振動をいなす働きをするらせん形状の「SAVEプラスマイクロサスペ ンションシステム」を採用。また、カーボンの積層を最適化させ、路面追従性を追求している。  
 
いっぽうでパワー伝達を高めるため、BBは新型の73mm幅の「BBA」、シートチューブを2軸で支える「パワーピラミッド」構造で剛性を確保。快適性とレーシング性能を兼ね備えたモデルだ。
 

徹底的に快適性を追求した エンデュランスロード

 
CANNONDALE  SYNAPSE CARBON 5   105
シマノ・105完成車価格/24万円(税抜) 
 
レーム●カーボン
フォーク●カーボン
コンポーネント●シマノ・105
ホイール●シマノ・WH-RS11
タイヤ●シュワルベ・ルガノ 25C 
ハンドルバー●キャノンデール・C3コンパクト A 
ステム●キャノンデール・C3
サドル●プロロゴ・カッパエボ 
シートポスト●キャノンデール・C3
試乗車実測重量●8.48kg(54サイズ、ペダルなし) C 
サイズ●48、51、54、56、58、61 
カラー●ブラック×グリーン、ホワイト×ブラック
 
■写真下・左:シートステー、チェーンステーは「SAVEマイクロサスペンショ ンシステム」を採用。細身のシートステーは、路面追従性を追求
 
■写真下・中:洗練されたデザインで定評あるイタリアのサドルメーカー「プロロゴ」。カッパモデルはクッション性を確保したコンフォート仕様
 
■写真下・右:バリステックカーボンフォークの中央部には、振動減退をもたらすらせん形状の「SAVEプラスマイクロサスペンション」を採用
 
 
■従来のBB30よりも幅を5mm広げて、剛性を向上させる新型「BB30A」規格を採用。シートチューブとの接合は、2軸構造により剛性を確保している
 
■ハンドル、ステムはキャノンデールオリジナルパーツで統一。コントロール性を左右するヘッドチューブは上下異径チューブにより剛性を確保している
 

ハシケンのシナプス カーボン5 105 試乗レポート

 
わずかに長めのヘッドチューブは、無理のないレーシングポジションへと導いてくれる。加速を試みれば、カッチリ剛性で固めたレーシングバイクとは、ひと味もふた味も違うスマートなライドフィールを味わえる。フォーク、バックステ ーに搭載した「SAVEプラスマイクロサスペンションシステム」の恩恵をしっかりと体感できる。
 
細身のシートポストはしなりを生み出す。水面を泳ぐアメンボのようなイメージだ。フレーム重量も950gと十分に軽量で、BB30A規格によってBBまわりの剛性も確保されており、ヒルクライムも軽快そのもの。いつまでも乗っていたい気分にさせてくれる。トップ選手たちが、悪路の長距離レースで勝利をあげているのも納得だ。  
 
完成車として、シマノ・新105を標準装備し手抜きはない。最大32Tのワイドギヤ、25Cタイヤなど、エンデュランスロードとしてのスペックを備える。ちなみに28Cタイヤまで対応し、いかなる悪路でも走破可能だ。ヒルクライムレース からロングライドや山岳グランフォンドイベントまで、幅広く活躍してくれる。
 
BRAND HISTORY
1971年、アメリカのコネチカット州で創業。世界をリードするアルミの高い製造技術 だけでなく、MTB片脚サスペンション「レフティ」や、「BB30」など革新的な技術 を開発。世界最軽量をうたった「スーパーシックスエボ」など名車も多い。カーボン 全盛の時代にあっても、アルミキャドシリーズの開発を継続するこだわりも見せる。
 
キャノンデール・ジャパン TEL06・6330・1801
http://www.cannondale.co.jp
 
text●ハシケン photo●金上学
 

20万円台で乗れる!バッソ・ロト

 
イタリアンブランドの一つとして確固たる地位を築いているバッソ。そのコンフォート系ロードバイク「ロト」は、同じくハイモジュラスカーボンを採用したオールラウンダー系のラグーナと比べると、リヤセンターが12mm以上、またヘッドチューブも各サイズで12mm長くなっており、ジオメトリーからも長距離を主眼としていることが読み取れるのだ。  
 
幅の広いBB のメリットを最大限に生かした設計により、ダウンチューブをはじめ前三角を構成するパイプはかなりボリューミーだ。 これに対し、シート&チェーンステーはやや細めで、リヤの突き上げを緩和するという思想が造型からもうかがえる。
 
なお、シートステーはラグーナのモノタイプに対して双胴タイプであり、フロントディレーラーは直付け式に対してバンド止めとされる。 コンポーネントは、キャリパーやクランクセットまですべて11速のシマノ・105で統一。ホイールはリム高24mmのシマノ・WH_ RS010で、見た目にも白を基調としたフレームの色合にマッチしている。  
 
価格は、パーツ構成がまったく共通のラグーナと同じ23万5000円(税抜)であり、ここが大きな悩みどころ。エントリーレベルのライダーにとって、ストレスなく楽しむことのできるバイクだ。
 

快適なロングライドを楽しめるコンフォート系バイク

 
BASSO LOTO
シマノ・105完成車価格/23万5000円(税抜) 
 
フレーム●カーボン
フォーク●カーボン
コンポーネント●シマノ・105
ホイール●シマノ・WH-RS010
タイヤ●ヴィットリア・ザフィーロ 25C
ハンドルバー●マイクロテック・400mm
ステム●マイクロテック・110mm
サドル●サンマルコ・ERAスタートアップ
シートポスト●マイクロテック・31.6径
試乗車実測重量●8.80kg(530サイズ、ペダルなし) C
サイズ●480、510、530 
カラー●ホワイト×レッド、ホワイト×ブラック
 
■写真下・左:滑らかな曲線で構成されたシー ト&チェーンステー。スプロケットの歯数構成は11-28Tとかなりワイドで、急勾配も臆せず走れる
 
■写真下・中:サドルはサンマルコのエラスタートアップ。ベース中央に穴が開いており、ウレタンの凹みと合わせて会陰部への圧迫を軽減
 
■写真下・右:ベンド形状のオリジナルカーボンフォークを採用。WH-RS010 ホイールにヴィットリアのザフィーロを履かせ、高質な走りを実現
 
 
■幅の広いBB86を採用し、ダウンチューブをギリギリまで大径化。クランクセットは50×34Tの105 で、フレーム3サイズともクランク長は170mm
 
■ハンドル、ステム、シートポストはマイクロテックで統一。ハンドル幅は400mmで、ステム長は90mm、100mm、110mmを使い分ける
 

大屋雄一の ロト 試乗レポート

 
コンフォート系に共通する、ひと回り大きなロードバイクに乗っているような印象。直進安定性に優れ、ハンドリング もビギナーをあわてさせるようなトリッキーさは皆無。そこにあるのは身を委ねられる「安心感」だ。
 
フレームに使われているカーボン素材をはじめ、構成パーツもすべてオールラウンダー系のラグーナと共通なのに、その走りは明らかにロングライドに適したもの。それでいて鈍重というイメージは一切なく、心地よく巡航できる速度域が競技志向のロードバイクよりほんの少し低い、という程度だ。  
 
そうしたジオメトリーに加え、標準装着のホイールがやや重いため、ヒルクライムはあまり得意ではない。ただ、ダウ ンヒルでは持ち味の安定性によって安心かつ安全に下れる。
 
ブレーキキャリパーをはじめコンポがすべて105で統一されていることも安心材料の1つで、絶対制動力や変速性能に一切の不満はない。タイヤやチューブのグレードを上げる だけで、走りはさらに上質なものになるだろう。このイタリアンバイクでいろいろな遊び方にチャレンジしてほしい。
 
BRAND STORY
1979年に創業。35年以上もの歴史を持つイタリアのスポーツサイクルブランド。国内 外の大学や地元企業などと協力し、研究開発を継続的に行なっている。バッソが重視 しているのは、目の肥えた消費者が多いことで知られるドイツマーケット。ここでクオリティの高さが認められ、欧州のトップブランドに名を連ねることとなった。
 
ジョブインターナショナル  TEL06・6368・9910
http://www.job-cycles.com
 
text●大屋雄一 photo●金上学