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新連載! 安井行生のロードバイク徹底評論 第1回 Cannondale SYNAPSE HI-MOD2 vol.7

2012年、名車スーパーシックスエボを完成させて、レーシングバイクカテゴリでライバルを置き去りにしたキャノンデールが、エンデュランスロードにも本気になった。イタリアで100km、日本で300kmを走り込んだ安井が、シナプスの本質とエンデュランスロードのあり方に迫る。技術者インタビューを交えた全10回、1万文字超の最新ロードバイク論。vol.7。
 
text●安井行生 photo●我妻英次郎

ホイールとの相性

海外取材は開発者本人に話を聞けるという大きなメリットがあるのだが、試乗するにはデメリットが大きい。パーツを交換することはほぼ不可能なため、完璧なポジションを出すことはできないし、ホイールを換えて試すこともできない。路面も標高も体調もいつもとは違う(時差ボケ)ので、条件の統一は不可能なのだ。この記事を書くため、帰国してから試乗車を改めて借り、パーツを交換して自分のポジションをキッチリと出し、ホイールを換えながら走り慣れたコースで再試乗した。
 
日本で乗った新型シナプスに、トスカーナの鮮烈はなかった。当然といえば当然である。イタリアでの試乗車にはヴィジョンのメトロン40カーボンクリンチャーが付いていて、このホイールの完成度が非常に高かったのだ。日本でのトップモデルにあたるシナプス・ハイモッド2レッドという完成車は、マヴィックのエントリーグレードであるキシリウムエリートを履いている。バランスのよさは感じられるものの、このハイエンドフレームに履かせるには明らかに力不足だ。
 

タイヤとの相性

私物のジップ・404で走ってみると、あのイタリアで感じた鮮烈が戻ってきた。キシリウムエリートも悪いホイールではないが、やはりこのフレームには「軽くて硬い」という分かりやすいホイールが合う。通常のフレームでは敬遠したくなるようなコンプレッション然としたホイールでも、シナプスはホイールの嫌な硬さを飲み込んでくれるのだ。
 
日本の道を走ると、ストラーデビアンケのような大きな凹凸だけでなく、高周波の微振動もよく食ってくれることに気付く。日本の道路にある滑らかな白線の上を走っている感覚と、白線から脱線して細かい凹凸が連続するアスファルトの上を走っている感触が、ほとんど変わらないほどだ。新型シナプスは、アスファルトの細かな凹凸を綺麗に消して、本当に地上1cmを滑空しているように走る。
 
しかし、タイヤを23Cにするとバランスが崩れやすいと感じた。タイヤ側のアブソーバ&ダンパー機能とフレーム側のそれとの連携が上手く取れなくなる印象だ。25Cのタイヤを前提に開発が進んだのかもしれない。
 
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