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日向涼子ともっと楽しむ!ヒルクライム 番外編「お世話になった愛車を洗車」

今シーズンのイベントもひと段落した日向。ふと愛車に目を向けてみるとあれ、汚れが目立つ・・・。このタイミングで愛車をキレイにしてしまおう! ナカジ編集長を指南役に、洗車方法を日向がレポート!
 
text&model:日向涼子 photo:下城英悟

きれいにしたいけど・・・。

年内のライドイベントを全て終え、ホッと一息。「ありがとう」という気持ちで部屋にある愛車を眺めると、あれ?こんな色だったっけ?昔に比べてくすんでいるような・・・。ライド後は必ずフレームを拭いていたはずなのに、なぜ!? 一目惚れした愛車を元の美しい姿に戻したい!・・・とは言え、どこから手をつけたらいいのか分からない。そこでナカジに相談をしてみると、ライド後に習慣化させたい洗車ポイントを教えてくれました。
 

フレームをひっくり返す

フレームをひっくり返す前に、ライトやメーター、ベルなどの装備が傷つくのを防ぐために外しておきます。
前屈みの状態で自転車のシートチューブとフロントフォークを持ち、上体を起こしながら自転車を逆さにします。ハンドルがまっすぐになっていることを確認して、サドル・ブラケットの三点を下にして地面におきます。
 
ホイールを外します。スタンドがない場合は、フレームをひっくり返すことで、女性でも簡単に外すことができます。後輪を外す場合には、あらかじめ、フロントをインナー側に、リヤディレーラーをトップギアに変速してから後輪のクイックレバーを解除します。こうすることでディレーラーのテンションに余裕が生まれ、脱着時にムダな力がかかることを防ぎます。
 
続いて、ディレーラーを後ろに引きながらホイールを斜めに引き上げて、掛かっているチェーンを外すとスムーズに行えます。掃除用の薄手のゴム手袋をすれば、作業性を維持しながら手が汚れるのを防ぐことができます。
 

各部を洗浄

●チェーンステー
チェーンをシートステーに引っかけて、チェーンステーから離すことで拭きやすくなります。今回は、チェーンをウエスでシートステーに引っかけるというナカジ考案の裏技を教えてもらいました。チェーンの汚れはディグリーザーをしっかりと吹き付けて油汚れを落とします。また、吹き付ける際には反対側をウエスで押さえることで、汚れの飛散を防ぐことができます。
 
●大まかな汚れを落とす
フレームを拭く前にブラシで大まかな汚れを落としましょう。砂などが付着した状態のままウエスで拭くと、フレームの塗装に傷がついてしまうことがあります。使用するブラシはニスを塗る刷毛など、毛が柔らかくヘッドがコンパクトなものがオススメ。フレーム各部に差し込んで狭いところの汚れをしっかり落とすことができます。その後、ケミカルメーカー各社から出ている洗浄剤を使用します。お手軽に中性洗剤を水で希釈したものも使えます。
 
●フォーク
フロントフォークを拭きます。フォークの内側、とくに付け根の部分はブレーキシューから落ちてくる汚れがついているので念入りに拭きましょう。ウエスでしごくようにすると拭きやすく、汚れも落ちやすいです。
 
●ダウンチューブ
自転車の下側の部分は泥などがはねて汚れがひどいことが多いので、汚れが比較的軽微な上側から行います。上側はボトルの中身で、下側は路面からの跳ね上げで汚れていることが多いです。
 
 ●シートステー
シートステーの内側も砂や泥汚れがつきやすい箇所になります。とくにリヤブレーキの直下はブレーキシューから落ちてくる汚れがつきやすいので、上手にウエスを差し込んで拭いていきましょう。
 
● シートチューブ
シートチューブも跳ね上げた泥がつきやすい箇所のひとつですが、あらかじめホイールを外してから作業をすることで見落としが少なく、シートチューブとホイールの隙間も簡単に拭くことができます。
 
●プーリー
プーリーが汚れていると変速機能にも影響するので、チェーンを少しずつずらしながら付着している油の塊をていねいに拭き取りましょう。特に裏側は見落としがちなので注意が必要です。
 
●ブレーキシュー
制動力にかかわるブレーキまわりも泥はねで汚れやすいので、ていねいに拭きとりましょう。その際に、ブレーキパッドの摩耗の具合や異物が刺さっていないかもあわせてチェックします。パッドの異物は千枚通しなどで取り除きましょう
 

ホイールはまっすぐ入れ、クイックレバーは確実に締める

フレームの掃除が終わったらホイールを装着します。リヤホイールは、いちばん小さなギアにチェーンをかけ、リヤディレーラーを後ろに引きながら後輪をフレームエンドにはめます。フロントホイールはクイックレバーがチェーンのない側にくるようにはめます。
 
最後に前後のクイックレバーを締めて固定します。フレームをひっくり返した状態でホイールをはめる場合は、車輪が曲がっていないことを確認するため、車体を起こしてからクイックレバーをゆるめ、まっすぐ入れ直した状態で再び締め直します。
 

ていねいに注油

チェーンを滑らかに動かすには、部品の接合部分がしっかり潤滑され、摩擦を発生させないことがポイント。つまり、チェーンの注油は接続部だけにオイルを落として内部へ浸透させ、留まらせることが重要です。クランクを少しずつ動かしながら、ひとコマひとコマ根気よく最適な量を注油しましょう。面倒くさがって必要のない部分にまでオイルを垂らすと、不経済なだけなく、ホコリやゴミが付着しやすくなり逆効果となってしまいます。
 
 
 

完成!

 
最後に、ブレーキが効くか、前後のクイックレバーがきちんと倒しきれているかをチェックします。レバーが倒れていても簡単に開いてしまうようでは締め方が足りません。手のひらでしっかりと締め直しましょう。これらの確認はホイールを外した際には必ず行ないます。
洗車は習慣化させることで、愛情が増すだけでなく、愛車の不調を事前に見つけやすくなります。異常に気付いたら、行きつけのお店に点検をお願いしましょう。
 
●日向メモ「洗車してみて」
マット加工のフレームのせいか、洗車をしても以前のようにならないというか、少しずつ汚れが染みこんでいるような気がしていましたが、拭く前に毛の柔らかいブラシで砂を払ってから拭いたことで、美しい姿を取り戻せました。
驚いたのは注油です。オイルはチェーン全体的になじませるものだと思っていましたが、必要なのは接合部だけとは・・・!今後は「ひとコマひとコマ根気よく」油を差してパフォーマンスアップを図りたいと思います。
 
 

ケミカル紹介

 
今回使用したのはKURE5-56でおなじみの呉工業製バイク専用ケミカルシリーズ。写真右から、
●バイク全体に使えるバイクシャンプー「パーフェクトバイクウォッシュ(参考価格/1575円 内容量/600ml)」。コンパウンドが入っていないので塗装や樹脂パーツ、カーボンパーツを傷める心配なく愛車をきれいにすることができる。使用後は充分水洗いし、洗浄剤を洗い流します。
 
●チェーン用クリーナーに必要な性能を計算して作られている。「チェーンクリーナジェット(参考価格/1575円 内容量/520ml)」。高い噴射力によって汚れを吹き飛ばしてくれ、防錆剤を含んでいるので使用後そのままにしていても錆びにくい。
 
●走りの軽さを最優先したドライタイプのチェーンオイル「チェーンルブドライ(参考価格/1280円 内容量/130ml)」。浸透力が高く、チェーンの細部にまでしっかり浸透し高い潤滑効果を得られる。ナノセラミックス、フッ素樹脂、エステル化学合成油を組み合わせることで、抵抗をおさえつつ潤滑性能と防汚性を高めているのだ。また、水置換効果もすぐれており、サビの発生を防いでくれる。
 
●手が汚れないように着用した「ニトリルグローブ」。薄手なので細かい作業でも煩わしさがない。
 
●最近のフレームに増えてきたマット塗装。通常のワックスで仕上げてしまうと、せっかくのマット塗装の風合いが損なわれてしまう。この「ヴゥードーライド・モジョ(3129円(税込) 内容量/355ml)」なら、テカリが出る心配がなく洗浄とコーティングが可能。