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プロチームの監督が知りたい “勝利”を手にするためのサプリ活用術 Part1

一般人に比べ、運動量が多く体を酷使するサイクリスト。プロチームのレース活動の中で生まれた補給・回復に関する疑問を、コンチネンタルチーム「Cプロジェクト」の監督であり、千葉県松戸市にある「バイクショップスペース」店長の佐藤成彦氏に提示してもらい、スポーツサプリメントの定番シリーズ『パワープロダクション』の創立者である桑原弘樹氏にアドバイスをもらった。
 
サイクリストに特別な栄養補給は必要なのか。何をどのタイミングでどのくらい摂取すればいいのか。そもそも、サイクリストにサプリメントは必要なのか。この特集を読めばすべてが分かる。
 
text●安井行生 photo●吉田悠太、グリコ

コンディショニングスペシャリスト×プロチーム監督、プロショップ店長

●桑原弘樹さん
グリコのスポーツサプリメント「パワープロダクション」シリーズの生みの親。数多くのトップアスリートやモデルなどにコンディショニングやボディメイクの指導を行っている。10年以上に渡ってパワープロダクションの企画・開発を担当してきた経験をもとに、セミナーや執筆など幅広く活躍中。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム ディベロップメント アドバイザー)。
 
 
●佐藤成彦さん
千葉県松戸市にあるレース志向の強いプロショップ「バイクショップ・スペース」の店長。また、国内プロチーム、Cプロジェクトを率いる監督としても活躍している。数年前までBR-1で闘っていたレース派で、本誌の人気企画「最速店長選手権」では、3年連続で上位に入賞するなど、健脚は健在。今特集の取材は、茨城県つくば市にある兄弟ショップ「スペースゼロポイント」で行なった。

あくまでも食事がベースでサプリは補助

まず、基本的な知識を押さえておこう。サプリメントとは何なのか?プロテインやアミノ酸とはどんな効果があるものなのか?桑原さんに教えてもらった。
 
・Q1 サプリメントとは?
「サプリメントは、日本語にすると『栄養補助食品』ですよね。文字通り、栄養を補助する食品です。補助するということは補助されるものもあるわけで、補助されるものは栄養=食事です。よく、『効果がよく分からない』とか『効かない』という声を聞きますが、そういう人は食事というベースがぐらついているから。ちゃんと効かせようとおもったら、サプリメントの手前にある食事を見直す必要があります。でも、完璧な食事をするのは難しいので、足りない部分をサプリメントで補うというわけです。あくまでも補助。サプリメントは主役じゃないんです」
 
・Q2 プロテインとは?
「プロテインとは、究極の高タンパク・低脂質の食品です。スポーツをやっている人は、一般的な生活を送っている人よりタンパク質を多く摂らなければなりませんが、食事でタンパク質だけを摂るというのはなかなか難しいんです。タンパク質は肉、魚、豆類などに含まれているんですが、これらには必ず脂質も含まれているので、アスリートには不向きですね。でも、プロテインはタンパク質だけを摂取することができます。プロテインもまさに栄養補助食品です。あくまでも食事がベース。食事が崩れすぎていると、いくら補助しても効きませんよ」
 
・Q3 アミノ酸とは?
「僕らの体は、皮膚も筋肉も髪の毛も血液も骨も、全てタンパク質でできているわけですが、タンパク質を分解していくとアミノ酸になるんです。逆に、アミノ酸をつなげていくとタンパク質になります。タンパク質を作っているものがアミノ酸。アミノ酸がつながったものがタンパク質。アミノ酸は20種類に分類でき、つながり方や長さによって、髪の毛にも筋肉にもなります。例えばBCAAというのは、20種類の中の3種類のアミノ酸の総称ですが、これは筋肉の主原料であり、集中力の維持に効果があると言われています」
 

トレーニングをするレーサーには必須

では、サプリメントの具体的な効果や使い方について、佐藤監督が桑原さんに疑問をぶつける。まずはプロテインの必要性について。「プロテインは太るから飲まない」とか言っている人、必読です。
 
佐藤:そもそも、サイクリストにプロテインは必要なんでしょうか?
 
桑原:ちゃんとした食事をしている人にとっては必要ありません。でも、「ちゃんとした食事」の定義は、その人の生活強度によって変わります。同じ自転車好きでも、愛車を磨いているだけの人と毎日練習する人では、生活強度が全く違いますよね。生活強度が低い人にとっての「ちゃんとした食事」は、強度が高い人にとっては「足りない食事」。日々練習を欠かさない人は、それだけ多くの栄養を摂取する必要があります。
とくに大切なのは、体の材料となるタンパク質。タンパク質は肉、魚、豆類に含まれているんですが、これらを食べるとアスリートにとっては好ましくない脂質も同時に摂取することになってしまいます。食事でタンパク質だけを摂るというのはなかなか難しいんです。でも、プロテインならタンパク質だけを摂取することができます。
 
佐藤:激しい運動をするサイクリストにとっては、脂質を摂ることなく効率的にタンパク質を摂取できるので、プロテインが有効だと。
 
桑原:そうですね。ハードなトレーニングをしている人にとっての「ちゃんとした食事」にしようとすると大変ですよ。タンパク質は摂らないといけない。でも脂質はできるだけ摂りたくない。それには、ささみを毎日焼いて食べるとか肉の脂身を全部取るなどの工夫が必要になります。調理を含めてそういうことを全部やるなら、プロテインは必要ありません。
 
佐藤:それは現実的ではないですね。逆にストレスになっちゃう。とくに、選手は普通の人よりかなり高い負荷のトレーニングをしているわけで。
 
 

普通の食事では必要量の半分しか摂れていない

桑原:レースをやられているサイクリストは、健康のためだけではなく、「もっと速く」「もっと長く」「もっとスタミナを」と規格外のことを目指しておられると思います。運動面で規格外を目指すとなると、栄養や休息も規格外のものが必要になります。それには、普通の食事では追い付きません。そこにサプリメントの存在意義があります。
 
佐藤:では、プロテインの摂取量の決め方は?
 
桑原:運動量は強度×時間で決まるので、長い時間、強度の高い運動をすると、それだけ栄養をたくさんとってやる必要がありますね。目安ですが、アスリートレベルであれば一日に「体重1kgあたり2g」のタンパク質を摂る必要があります。70kgの人なら、140gのタンパク質が必要になる。ざっくりとした計算ですが、ベジタリアンなどではない限り、140gのうち半分は通常の食事で摂取できていると思います。
 
佐藤:選手にとって、普通の食事では必要量の半分しかタンパク質が摂れていないということですか?
 
桑原:そうです。ハードに自転車に乗っている人には、普通の食事では絶対に足りません。全てのタンパク質を食事で補おうとするとどうしても脂質が入ってきてしまうので、プロテインで補充するんです。アスリートまではいかないけれど、月に数回本気で走って普段は軽い練習だけというホビーレーサーは体重1kgあたり1.5gにするなど、摂取量の調整が必要です。少なくとも、ある程度負荷をかけて日常的に運動している人には、一日あたり体重×1g強のタンパク質が必要です。
 
佐藤:じゃあ、プロ選手にはプロテインが絶対に必要ですね。
 

ホエイプロテイン

タンパク質の含有率が94.2%と純度の高いプロテインで筋肉の材料として最適。11種類のビタミンやカルシウム、鉄分などが配合してあり、強靭な筋肉を必要とするアスリートにおすすめ。摂取タイミングは運動後・食後。「とことん質にこだわった、パワープロダクションを代表するベーシックなプロテインです。味をあえて薄味にしたのも、毎日飲んでも飽きないためというこだわりの一つです」と桑原さん。
 
●ホエイプロテイン
価格/6400円(税抜)
内容量/1kg(パウダー)
 
 
■より詳しいサプリメント活用術を紹介「プロチームの監督が知りたい  “勝利”を手にするためのサプリ活用術 Part2
 
 
 

問い合わせ先

■グリコパワープロダクション
http://www.glico.co.jp/info/pwr_pro/