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リドレーの上り番長! ヘリウム試乗レポート

ベルギーの自転車ブランドとして日本でもすっかり定着したリドレー。価格と性能のバランスがいいことが人気の要因となっている。

今回試乗した「ヘリウム」は2005年から同社のラインナップに存在するモデル名で、その名のとおり軽さを武器とするバイクだ。

 

text:ナカジ photo:小見哲彦

上位機種に一歩近づいた軽量バイク

 

2013年モデルではISPを採用していたが、2014年モデルでは上位機種の「ヘリウムSL」同様、ノーマルのシートポストになっている。

 

リドレーのラインナップの特徴として、ほぼ同じフォルムではあるが使用するカーボンを変更することで、フレームのグレード差をつけている。

「ヘリウム」もSLは60t、40t、30tの3種類のカーボンを場所によって使い分けているのに対して、ノーマルヘリウムは30t、24tを使っている。

フレームセット重量もカタログ値で140g重い。

 

ヘリウムの特徴でもある極薄のフレキシブルシートステーは健在。ヘッドチューブのベアリング径は下ワンが1.5インチだったものが、ヘリウムSLと同様の1.1/4インチにサイズダウン。

ヘッドまわりの剛性と軽さが両立されている。

 

フロントフォークの形状も2013年モデルまでは区別されていたが、2014年モデルでは同様のものとなっている。

BBにはプレスフィット30を採用するなど、流行の規格を押さえた堅実なフレーム設計だ。

 

RIDLEY HELIUM

リドレー・ヘリウム

フレームセット価格 26万4600円

 

フレーム:カーボン

フォーク:カーボン

コンポーネント:カンパニョーロ・コーラス

ホイール:ファストフォワード・F4R

タイヤ:ヴィットリア・コルサCXエリート 700×21・28C

ハンドルバー:3T・エルゴサムLTD

ステム:フォルツァ・シーラス

サドル:サンマルコ・コンコール

シートポスト:3T・ドリコLTD

試乗車実測重量:6.42kg(Sサイズ、ペダルなし)

サイズ:XS、S、M

カラー:LV-BEL LTD

 

 

■2013年モデルではブレード後方に向かうにつれて薄くなっていたが、上位と同じプレーンな形状となった。

 

 

■シートクランプはISPタイプのものからノーマルのバンドタイプに変更。径は27.2mm。快適性を狙っての太さだ。

 

 

■ヘリウムシリーズを特徴づける極薄のシートステー。縦方向にしなり、横方向には踏ん張ることで快適性と動力伝達能力を両立。

 

 

■ゆるくベンドし、中間部分が胸の筋肉のように盛り上がっていた前作に比べると、こちらもプレーンな形状。

 

CYCLE SPORTS.jp ナカジの試乗レポート

 

バイクの軽さを生かして、上りは相変わらず軽快なヘリウム。シッティングで踏み込んでいくと、じわじわとフレームがしなってトルクを推進力へと変換してくれる。

フレーム形状は似通っているが、以前試乗したヘリウムSLと比べ、ヘリウムのほうがしならせやすいフレームだ。

 

ISPからノーマルのシートポストになったことで、ポジション調整は楽になった。ISPは専用のスペーサーをいちいち抜き差しする必要があったからだ。

見た目はISPのほうがかっこいいと思う。ルックスをとるか、利便性を優先するのかは悩ましい問題だ。

 

ただ、下りはやや不満が残る。スピードがイマイチ伸びていかないのだ。

試乗車についていたホイールがFFWDのF4Rだったのだが、このフレームとの組み合わせだとフレームもホイールも柔らかく軽いので、下りで芯がない感覚。

 

でもハンドリングがぶれて不安定になるというような危うさはない。もう少し硬いホイールモデルを選べば、また印象は違うだろう。

上りの軽さは心強く、使えるギヤが変わってくるほどだ。

上りの快適さと乗り味を考えると、ヒルクライムレースやロングライドなどで使いたい。

 

 

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