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パールイズミのコールドブラックで涼しい黒を体感せよ!

パンツやビブタイツの黒は「体のラインが引き締まって見える」「ジャージの色と合わせやすい」など、さまざまな理由で定番カラーとなっている。唯一欠点があるとすれば「黒=暑い」ということだった。しかし、パールイズミから発売される「コールドブラック」は、そんな常識を変えてしまう「涼しい黒」。その機能をインプレで明らかにする。
text●小林鉄夫 photo●山手良樹

白と同じレベルの涼しい黒

定番カラーである黒は夏を苦手としている。その理由は、白は太陽光(赤外線)を反射しているが、黒は赤外線の多くを吸収して熱に変換してしまうから。そんなネガティブな常識をくつがえす黒がパールイズミから発売される。表と裏に異なる素材を使用することで、夏でも快適に走れるという。生地表面にスイスのメーカーが作る加工素材「コールドブラック」を使用することで、赤外線の反射率をこれまでの30%から60%にまで上げている。これは白とほとんど同じ数字だというから驚きだ。裏には「ココナ」という吸水性に優れた繊維を使用。これまでのウエアに比べて1.5~2倍の吸水性があるそうだ。 コールドブラックには「UPF50+」のUVカット性能もある。この数値は衣服が太陽の紫外線を遮断する効果を数値化するための規格基準で、衣類の紫外線防止指数。簡単に言えば「どのくらい日焼けを防ぐのかを示した値」で、この値が高いほど日焼け防止効果が高く、UPF50以上はすべて「UPF50+」と表記される。通常UPF15以上がいいとされており、UPF50+は最高値。これらの効果により、コールドブラックは「マイナス5度C以上の涼しさ」を実現している。

赤外線カットでマイナス5度C涼しくなる

コールドブラックはスイスで開発された加工繊維で、最先端技術賞を獲った新技術の素材。日本の自転車業界ではパールイズミだけがその使用を許されている。従来の黒いウエアの赤外線反射率が30%なのに対し、コールドブラックは60%も反射する。これは白色とほぼ同等で、外的要因による温度上昇を抑えている。赤外線ストーブを当てる簡易的なテストを行なってみたが、その効果は数値で表れた。 サーモグラフィーを使えば体の表面の温度変化が一目瞭然。コールドブラック素材(左)の効果がはっきりと色に現れている。夏の強い日差しのなかでは大きなメリットになる。

吸水性が1.5~2倍向上

峠では冬でも大汗をかくし、下りでは一気に冷やされる。サイクルウエアに求められる機能はかなり厳しいといえる。このウエアの裏面に使われる「ココナ」は、ココナッツの殻から取り出した活性炭を組み込んでおり、体の表面から出る上記や汗をすばやく吸収、拡散してくれる。汗をかいても生地が肌にくっついて突っ張るようなことがないので、常に動かしている脚へのストレスがない。また、活性炭による消臭効果もある。 素材をよく見てみると、ココナ(左)従来の生地(右)に比べて凹凸がある。さらに、繊維1本1本にも細かな凹凸があり、水分を吸収する面積が広いので、通常素材より素早い吸水が可能になっている。
吸水性をテストしてみると、右の従来の生地では水滴を落としても数秒間は盛り上がったまま。ココナでは落とした瞬間に水滴を吸収、拡散してしまった。

UVカット機能付きアイテムが豊富

コールドブラックは、赤外線カット機能だけでなくUPF50+のUVカット機能も備えている。同素材を使用したアイテムは、男女ともにパンツ、7部丈のスパッツ、タイツ、アームカバー、レッグカバーが揃う(タンクトップパンツは男性モデルのみ)。 コールドブラック タンクトップパンツ 1万3440円
スソのゴムにもこだわりアリ!新開発の汗を吸うスソの滑り止めで、肌とゴムがこすれることなく「かぶれ」を防いでくれる。

インプレッション

コールドブラックのタンクトップパンツを手にしてみると、生地がとても柔らかく、引っ張っても前後左右のどの方向にもよく伸びる。生地の伸びる方向が決まっていないので、着用したときに突っ張る感じがない。複雑な動きをする体に不要なテンションがかからないのでストレスフリー、ショルダー部も楽だ。生地自体の通気性は高く、軽く引っ張ってみると伸縮性は抜群であった。おもしろいのは、これほど通気性がある生地にもかかわらず、体の冷えが感じられないこと。ダウンヒルでもお腹や股間が冷たく感じないのは快適であり、不思議な感じだ。 生地をよく見ると、表と裏で2層構造になっているが、裏面のココナには小さな凹凸がある。この層が微妙に空気をためて寒いときには保温の効果、暑いときには空冷の効果を持っているのかもしれない。またその素材の特性として、走り込んで汗をかいても体の表面の汗をすぐに生地が吸収してしまうので、体が濡れずに冷たさを感じないのだろう。逆に夏はどんどん汗を気化させて、表面温度が必要以上に上昇するのを防いでくれると思われる。暑い、寒いという不快感をまったく忘れてしまう自然なパンツという印象だ。スソの長さは好みも流行もあるが、日焼け防止の面からも長めは効果的。デザインも好感がもてる。 コールドブラック商品など注目のパールイズミ2011モデルは、サイクルスポーツ3月号綴じ込み付録のカタログで!

問い合わせ先

PEARLIZUMI
03-3633-7556
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