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イグリンスキーがサプライズ優勝! リエージュ2012

“ラ・ドワイヨンヌ(長老)” と呼ばれる世界最古のクラシックレース、リエージュ~バストーニュ~リエージュでイグリンスキーがサプライズな勝利を上げた
Photo: Graham Watson

2位を目指して走っていたイグリンスキーが逆転勝利!

第98回リエージュ~バストーニュ~リエージュが4月22日にベルギーで行われ、カザフスタンのマクシム・イグリンスキー(アスタナ)が、逃げていたイタリアのビンチェンツォ・ニーバリ(リクィガス・キャノンデール)を残り1kmのフラムルージュの手前で追い抜いて初優勝を飾った。3位争いのゴールスプリントはイグリンスキーのチームメートであるエンリーコ・ガスパロットが制し、表彰台に上がった。ディフェンディングチャンピオンのフィリップ・ジルベール(BMCレーシング)は、3位争いのスプリントにも加われず、1分27秒遅れの16位でレースを終えている。 雨と雹が断続的に降る悪天候に見舞われた今年のリエージュは、波乱のスタートになった。ニュートラルゾーンでスペインのイゴル・アントン(エウスカルテル・エウスカディ)が落車し、鎖骨骨折で病院へ搬送されてしまった。その結果、199選手が正式にスタートを切った。38km地点でまず逃げ出したのはダリオ・カタルド(オメガファルマ・クイックステップ)、シモン・ゲシュケ(チームアーゴス・シマノ)、ケビン・イスタ(アクセントジョブス)。この3人にライニエル・ホーニング(ランボークレジット)、グレゴリー・アボー(アクセントジョブス)、アレッサンドロ・バッザーニ(チームタイプワン)が合流し、6人は79km地点で最大12分35秒差を付けて逃げ続けた。
166.5km地点のストックの丘で、逃げグループのゲシュケが落車して脱落し、レディオシャック・ニッサンがコントロールする集団に吸収された。172km地点のオート・ルベーの丘で逃げる5人のタイム差は3分を切った。ここで集団からバシリ・キリエンカ(モビスターチーム)、ダビー・ルレ(ソール・ソジャスン)、ピエール・ロラン(ヨーロッパカー)がアタックし、ゴールまで残り72kmで先頭の5人に合流した。しかしその逃げも、次第に人数が減っていった。集団の先頭はラ・ルドゥトの丘でBMCレーシングが加速し、30人ほどに絞られていた。最後まで逃げていたカタルド、キリエンカ、ロランもロッシュ・オー・フォコンの丘で精鋭集団に捕まってしまった。 ゴールまで残り18.5km、優勝候補のなかから最初に仕掛けたのはニーバリだった。彼はサン・ニコラの丘のふもとで、追走するホアキン・ロドリゲス(カチューシャチーム)とイグリンスキーに25秒差を付けていた。サン・ニコラの丘の上り坂ではロドリゲスが脱落し、イグリンスキーは単独でニーバリを追い続けた。後方ではベルギーチャンピオンのジルベールが追走グループから脱落。彼のリエージュはここで終わってしまった。イグリンスキーは驚異的な追い上げを見せ、フラムルージュが間近に見えるゴール手前1.2kmでついにニーバリを捕らえた。そしてそのまま単独でゴールへの上り坂を駆け上がり、ビッグタイトルを手中に収めた。彼はフレッシュ・ワロンヌが行われた18日に、31歳の誕生日を迎えたばかりだった。

優勝したイグリンスキーのコメント

ニーバリを追いかけて行ったとき、勝つチャンスはないと思っていた。ボクは2位になるために闘っていた。けれどボクはニーバリを捕まえることができて、彼はいい調子ではないと見て取った。それでそのまままっすぐゴールを目指したんだ。これはボクのキャリアで最高の優勝だ。ボクは自分がゲント~ベベルゲムやE3プレイスのような石畳のクラシックに向いていて、こういうレースは向いていないと思っていたけど、それはまちがいだったよ。

リエージュ~バストーニュ~リエージュ2012 結果

1 マクシム・イグリンスキー(アスタナ/カザフスタン)6時間43分52秒 2 ビンチェンツォ・ニーバリ(リクィガス・キャノンデール/イタリア)+21秒 3 エンリーコ・ガスパロット(アスタナ/イタリア)+36秒 4 トーマ・ボークレール(ヨーロッパカー/フランス)+36秒 5 ダニエル・マーティン(ガーミン・バラクーダ/アイルランド)+36秒 6 バウケ・モレマ(ラボバンク/オランダ)+36秒 7 サムエル・サンチェス(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)+36秒 8 ミケーレ・スカルポーニ(ランプレ・ISD/イタリア)+36秒 9 ライダー・ヘシェダール(ガーミン・バラクーダ/カナダ)+36秒 10 イェル・バネンデルト(ロット・ベリソル/ベルギー)+36秒