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キャノンデール SUPER SIX EVO ブラックエディション

2011年のジロでデビューを飾ったキャノンデール・スーパーシックスエボは、フレーム単体(56サイズ)の実測重量697gという驚くべき軽さを実現した。それから約1年という短期間で、同社はさらなる軽量化を果たした「スーパーシックスエボ・ブラックエディション」を新たに投入する。
text:吉本 司 photo:山内 潤也/小見哲彦

2つのテクノロジーによる超軽量化

100台限定というこの特別な1台は、塗装済みのフレーム単体重量で656g(56サイズ)を実現。この軽量化の達成には2つのテクノロジーが存在する。 まずは素材の見直し。フレーム形状はこれまでのエボと同様だが、ブラックエディションでは新たにナノカーボンテクノロジーを採用。これにより従来のモデルに比べて引っ張り強度を高めることに成功し、軽量化によって生じる破断強度の低下を抑えている。さらにエボなどに使用されるHMカーボンは、長期間フレームに加わる振動や圧力によって剛性が低下する傾向があるが、それも抑えることに成功。結果として軽量化を可能にしている。また、カーボン素材を紫外線などから守るための最低限の塗装とすることで軽量化を追求している。こうした超軽量を達成しつつも、もともとのエボが持つ高い重量剛性比、優れた路面追従性や空力などは維持されており、軽さだけではないトータルバランスに優れた走行性能が追求されている。 ブラックエディションの軽さは乗った途端に体感できる。エボも踏みだしと挙動の軽さは一級品だが、ブラックエディションはそれを上回る。軽量車ならではのパリッとした走行感覚が高まっているのだが、感心するのはポジティブなしなやかさを持っていること。とくに加速でのペダリングフィールがいい。トルクをロスしない硬さを持ちながら、絶妙なしなりを持っていて、これがリズムのよい加速に生きてくる。そして、軽量車にありがちな過敏な挙動も少ない。これは前後に装備されたSAVEシステムによる路面追従性の高さとジオメトリーのよさに起因するものだろう。エボのほうがガッチリ感はあるが、走りの軽さではブラックエディションに軍配が上がる。

スーパーシックスエボ ブラックエディション

フレーム価格 44万9000円 フレーム:カーボン フォーク:カーボン コンポーネント:シマノ・デュラエース リム:エンヴィ・ロード25mm ハブ:DTスイス・240 タイヤ:シュワルベ・アルトレモ ハンドルバー:エンヴィ・カーボンロードコンパクト ステム:エンヴィ・カーボンロード サドル:フィジーク・アンタレス シートポスト:FSK・Kフォース 実測重量:5.53kg(サイズ56、ペダルなし) サイズ:48、50、52、54、56、58 カラー:BLE *写真は日本入荷モデルと異なる場合があります
■写真下・左:スピードSAVEテクノロジーによって、横方向に扁平加工されたチェーンステー。優れた路面追従性に貢献する。 ■写真下・右:PF30規格としたハンガー部の体積はさして大きくはないが、ペダリングロスの少ない効率的な走りができる。
■フロントエンドは一般的な方向と逆にオフセットする同社独自の設計により、衝撃をしっかり吸収する。

問い合わせ先

キャノンデール・ジャパン
http://www.cannondale.com/jpn