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カンパニョーロ第3の電子式コンポ アテナEPSデビュー!

スーパーレコードEPSの発表から8カ月。カンパニョーロはアテナのEPSバージョンを発表してきた! 最もリーズナブルなEPSはいったいどんなものなのか? イタリア・ヴィチェンツァにあるカンパニョーロ本社でテスト&チェック!
text●ナカジ photo●カンパニョーロジャパン/ナカジ

“普及版EPS“登場!? これなら……

つい数年前までは、一般ユーザーのレベルまでロードバイクの電動変速機が普及するなんて、想像の域を出なかった。いくつもの電動コンポーネントが登場しては消えてきたからだ。だが今や、レースシーンでは当たり前。ホビーサイクリストにもかなりのスピードで普及している。 そんななか、7月16日にイタリアの自転車コンポーネントメーカー、カンパニョーロの本社には、各国の自転車専門誌のジャーナリストたちが集まった。創業80周年を迎える来年に向けて、同社が発表したのは、コンポーネントのラインナップで上から4つめのグレードとなる、アテナのEPS(エレクトロニック・パワー・シフト)バージョンだ。すでに発売されているスーパーレコードとレコードに次ぐ“電子式”コンポーネントとなる。グレードの順番としては途中にコーラスがあるが、レコードEPSとの有意な差が出しにくいと判断し、アテナEPS登場となった。

ダウングレードのポイントは? え!?素材だけ!?

では、具体的に上位グレードとは何が違うのか? カンパニョーロの説明では、パーツの素材が異なるだけで、システム自体は同じものを流用しているということだ。スーパーレコードEPSやレコードEPSでは、カーボンを積極的に使用していたが、アテナEPSではそれがアルミ製やスチール製に置き換えられている。 EPSを構成する4つのパーツについて見てみよう。エルゴパワーはブレーキレバーがアルミ製になっているが、秀逸な変速レバータッチを実現したマルチドームテクノロジーや、手のサイズが小さくてもハンドルのドロップ部から操作しやすいシフトアップレバー、ブラケット形状は共通だ。バッテリーと変速システムを備えるパワーユニットも、コネクタが変更されているが、バッテリーの容量はまったく同じ。前後のディレーラーについても、シマノではデュラエースとアルテグラでずいぶん形状が違っているが、カンパニョーロは素材が違うだけで形状は上位グレードを踏襲している。変速調整方法についても同様のプロセスだ。

各部ディティール

●EPSエルゴパワー ブレーキレバーはアルミ製に変更。シフトダウンレバーには軽量化の穴あき処理はされていないが、それ以外はスーパーレコードEPSと同様の設計だ
●パワーユニット バッテリーとCPUを内蔵するパワーユニットは上位グレードとコネクタが異なる。バッテリー容量は同じだ。持続時間は月間走行距離が2000kmの場合は約1カ月。走行距離が500kmの場合は約3カ月となる
●フロントディレーラー ブレードはスチール製に変更されている。動力を発生するアクチュエイターを納めたボディーはテクノポリマーを採用し、コードもジャックではなく本体から直接出ている。このあたりのは上位グレードと同じだ
●リヤディレーラー こちらも上位グレードではカーボンで作られていたパーツをアルミ製に置き換えている。シェイプは同様の設計だ

気になる価格は? 誰でも手が届くのか?

クランクセット、スプロケットなど完成車として組み上げるのに必要なパーツを込みにして29万1795円。これに充電器(価格/1万3650円)が必要になる。スーパーレコードEPSから約25万円のプライスダウンは驚異的だ。 スーパーレコード、レコードのEPSコンポとのミックス使用ができないのかと考える人もいるとは思うが、残念ながらそれはできないということだった。また、TT用のEPSレバーがプロのレースでは目撃されているが、ちゃんと発売を予定しているとのこと。ただ発売時期はまだ未定だ。 ●イタリアでのインプレッション記事はこちら

問い合わせ先

カンパニョーロジャパン
045・264・2780
http://www.campagnolo.com/jsp/jp/newindex/index.jsp