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旗艦機4代目! WILIER TRIESTINA CENTO1 SR

2007年に創業100周年記念として誕生したチェントの成功により、ロードシーンでの存在感を高めたイタリアンブランド「ウィリエールトリエスティーナ」。同社のこの旗艦機は2013年、4代目となる「チェントウノSR」へと進化する。このバイクをひと言で表すのなら「トレンドのいいとこどり」だ。
text:吉本 司 photo:佐藤正巳

トレンドを上手に融合して好バランスを実現

60tカーボンを素材とするフレームは、自転車業界のエアロダイナミクスにおいて、ひとつのトレンドにもなっているカムテール形状のチューブを多用し、空力面への配慮がなされている。見てのとおりボリューム感にあふれるヘッド部は、従来よりも40%という大幅な剛性アップに成功している。この部分の大きさはそのままダウンチューブへと受け継がれる。そして、BB386規格を基に形成された大きなボリュームを持つハンガー部、さらに左右異径断面、非対称の太いチェーンステーによって高剛性が実現され、パワーロスの少ない効率的なペダリングが追求されている。 前作に比べてマッシブな雰囲気となった「チェントウノSR」は、スパルタンな乗り味を予想したが、結論から言えば非常に扱いやすい走行性能が魅力的だ。剛性はヘッドやBBまわりなどフレームの隅となる部分にしっかり与えられている。それでいて中間部の肉厚を薄めに設計したダウンチューブによって積極的にウイップが得られ、これが脚への負担を抑えながらもトルクを生みやすい効率的なペダリングを演出する。また、フロント部の固さとトップ部の適度なしなやかさの好バランスは、ダンシングでのバイクの軽さを演出しつつ、この状態での加速のよさにつなげられている。 前作となる「チェントウノSL」のほうが初期加速の鋭さは上まわる印象だが、全体的な動的性能のバランスは1枚も2枚も上手であり、なおかつ素直な特性を有しているのでライダーレベルのスイートスポットはかなり広範囲だろう。そして、快適性も十分なレベルを備えるため、ハンドルポジションを最適に保てるライダーならロングライドにもいいだろう。重量比剛性と快適性、そして空力を巧みにパッケージし、走行性能と実用のバランスに優れる完成度の高さが魅力であり、手堅い一台を求めるライダーにオススメだ。

ウィリエールトリエスティーナ チェントウノSR

シマノ・デュラエース(11S)WH-9000-C24完成車価格 67万7000円 シマノ・デュラエース(11S)WH-RS21完成車価格 59万8500円 シマノ・アルテグラ WH-RS61完成車価格 49万9000円 フレーム価格 39万9000円(特別カラーは44万9000円) フレーム:60tカーボン フォーク:60tカーボン コンポーネント:カンパニョーロ・スーパーレコード クランクセット:FSA・SLKライトウィリエール ホイール:カンパニョーロ・ボーラワン タイヤ:ヴィットリア・コルサエボCX 700×23C ハンドルバー:FSA・K-フォースライトナノ-K31コンパクトカーボン ステム:FSA-K-フォースライト31カーボン サドル:セライタリア・SLRキットカルボニオ シートポスト:リッチー・スーパーロジックカーボン 試乗車実測重量:6.49kg(Mサイズ、ペダルなし) サイズ:XS、S、M、L、XL カラー:マットブラック、ライムイエロー 特別カラー:ランプレ、ブラック×グリーン、ホワイト×グリーン、レッド
■写真下・左:横方向に扁平加工された角形のシートステー。上下からの荷重に対して適度なしなりを生み、乗り心地を高める。 ■写真下・右:フォークブレードもまた、チューブの後端を平らに成型したカムテール形状を採用して、エアロ効果を追求する。
■写真下・左:ウィリエールがFSAとともに提唱したBB規格、BB386を搭載。軽量化を果たしながらパワーラインの高い剛性を生む。 ■写真下・右:コンパクトな仕上がりが美しいリヤエンド。ディレーラーハンガーは、電動変速用とワイヤ変速用で交換することになる。
■ダウンチューブにある変速ワイヤリードは調整ボルトを備える。ネジ式で固定され、電動変速用との交換が可能。

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