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英国のヨークシャー地方からスタート ツール・ド・フランス 2014

今年100回の節目を盛大に祝ったツール・ド・フランスは、次の100回への軌跡を英国から歩み出す

 

 

Photo: Graham Watson / Map: ASO

英国で開幕し、クラシックのような石畳区間も登場!

来年7月5日に開幕する第101回ツール・ド・フランスのコースが、10月23日にパリのパレ・デ・コングレで発表され、その全貌が明らかになった。

 

すでに発表されていた通り、来年のグランデパール(開幕地)は英国北部のヨークシャー地方だ。英国は昨年ブラッドリー・ウィギンス(スカイ)が、英国人として初めてツールで総合優勝し、母国にマイヨ・ジョーヌをもたらしたが、今年はチームメートのクリストファー・フルームが後継者となり、2年連続で世界最大の自転車レースを制覇した。そんな王者“英国”でのグランデパールは、例年以上に盛り上がるだろう。


かつて有名なワンデーレースが開催されていたリーズからスタートし、温泉地として有名なハローゲートでゴールする第1ステージは、個人タイムトライアルではなく190kmの平坦区間だ。

 

世界最速スプリンターのマーク・カヴェンディッシュ(オメガファルマ・クイックステップ)は、来年のツールでの最大の目標は、このステージで優勝してマイヨ・ジョーヌを獲得することだと言っている。

 

来年のマイヨ・ジョーヌは、ヨークシャー地方のシンボルである白バラが、胸に大きく描かれたデザインになる予定だ。

英国で3ステージを行ったあと、空路で北フランスに戻り、時計回りでボージュ山脈、アルプス山脈、ピレネー山脈を越え、27日にパリのシャンゼリゼ大通りでフィナーレを迎える3週間のレースの総距離は3656km。

 

全21区間の内訳は、平坦ステージが9、丘のステージが5、山岳ステージは6で、そのうち5区間が頂上ゴール、個人TTは1となっている。

100回記念を祝った今年のツールは、初めてコルシカ島を訪れ、世界遺産に登録されているモン・サンミシェルで個人タイムトライアルを競い、モン・ヴァントゥとラルプ・デュエズの両方の山岳ステージが設定された、とても盛りだくさんな大会だっただけに、それと比べてしまうと、来年のコースはちょっと地味な印象がある。

 

ツール山岳の代名詞とも言えるモン・ヴァントゥもラルプ・デュエズも来年のコースにはなく、有名な峠はイゾアールとツールマレーだけだ。しかも、どちらも途中通過するだけで、頂上ゴールではない。

だからと言って来年のツールの山岳ステージが簡単なわけではない。

 

昨年のツールでフルームが区間優勝し、ウィギンスがマイヨ・ジョーヌを獲得したボージュ山脈のラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユの頂上ゴールがふたたび登場する。

 

後半戦はアルプスとピレネーの間が2日しか開いておらず、最終週のピレネー山岳3連戦で、疲労はピークに達するだろう。

アルプスでは標高2360メートルのイゾアール峠を越えた後、標高1855メートルのリズール峠にゴールする第14ステージが難所となるが、その後のピレネーが総合争いに大きく影響するにちがいない。

 

標高1680メートルのサン・ラリー・スーラン山頂にゴールする第17ステージは、ペイルスールド峠とバルルロン峠も越える。そして翌日のオタカム・ゴール(標高1520メートル)の第18ステージには、標高2115メートルのツールマレー峠が登場する。

来年はチームタイムトライアルがなく、個人タイムトライアルも最終日前日の54kmだけだ。その時点では、おそらくマイヨ・ジョーヌはすでに決まっているだろう。

来年のツールでいちばん話題になっているのは、ベルギーのイープルからスタートし、パリ~ルーベでおなじみのアランベールの石畳でゴールする第5ステージだ。

 

石畳に慣れていないステージレーサーにとっては、落車の危険が常に付きまとう要注意区間になるだろう。

 

2010年のツールでは、ルクセンブルクのフランク・シュレクが石畳区間で落車し、レースを棄権したハプニングが発生したこともあった。

話題になり始めているのが来年の主催者招待チームだ。フランスのシルヴァン・シャヴァネルが移籍を予定しているスイスのIAMサイクリングが、その有力候補に上がっている。

■アルベルト・コンタドール(チームサクソ・ティンコフ)「スタートはとても神経質な展開になるだろう。だから最初の数ステージを終えるまでは、どんな結論も出すことはできない。コースに個人タイムトライアルは1回だけだが、それはとても長い。たった1回しかないとは言え、今年の1区間がそうだったように丘があるコースであることを願うよ」

■クリストファー・フルーム(スカイ)「このコースは好きだ。挑戦的で、すべてが少しずつあって、それはツールには良い。まさに我々が必要としてるものさ。石畳はレースを面白くするだろう。それは確かだ。レースにはいい追加項目となるだろう。けれど我々選手にとっては、ちょっと危険が伴う。アクシデントや機材故障が起きる可能性もある。けれどそれはレースをエキサイティングなものにするだろうし、レースが序盤で選り分けられるだろう」

ツール・ド・フランス2014 全日程

7月5日(土) 第1ステージ リーズ(英国)~ハロゲート(英国) 191km

7月6日(日) 第2ステージ ヨーク(英国)~シェフィールド(英国)▲ 198km

7月7日(月) 第3ステージ ケンブリッジ(英国)~ロンドン(英国) 159km

7月8日(火) 第4ステージ ル・トゥルケ・パリ・プラージュ~リール 164km

7月9日(水) 第5ステージ イープル(ベルギー)~アランベール(ポルト・デュ・エノー)■ 156km

7月10日(木) 第6ステージ アラス~ランス 194km

7月11日(金) 第7ステージ エペルネ~ナンシー 233km

7月12日(土) 第8ステージ トンブレーヌ~ジェラールメール(ラ・モーズレーヌ)▲▲ 161km

7月13日(日) 第9ステージ ジェラールメール~ミュールーズ 166km

7月14日(月) 第10ステージ ミュールーズ~ラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユ▲▲▲▲ 161km

7月15日(火) 休養日

7月16日(水) 第11ステージ ブザンソン~オヨナ 186km

7月17日(木) 第12ステージ ブール・アン・ブレス~サンテチェンヌ 183km

7月18日(金) 第13ステージ サンテチェンヌ~シャンルース▲▲▲ 200km

7月19日(土) 第14ステージ グルノーブル~リズール▲▲▲▲ 177km

7月20日(日) 第15ステージ タラール~ニーム 222km

7月21日(月) 休養日

7月22日(火) 第16ステージ カルカッソンヌ~バニェール・ド・ルション▲▲▲ 237km

7月23日(水) 第17ステージ サン・ゴーダン~サン・ラリー・スーラン(プラ・ダデ)▲▲▲▲ 125km

7月24日(木) 第18ステージ ポー~オタカム▲▲▲▲ 145km

7月25日(金) 第19ステージ モーブルゲ・ペイ・デュ・バル・ダドゥール~ベルジュラック 208km

7月26日(土) 第20ステージ ベルジュラック~ペリグー(個人TT) 54km

7月27日(日) 第21ステージ エブリー~パリ・シャンゼリゼ 136km

 

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