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ホイールインプレの読み解き方 スーパーディープ編

3月号のホイールインプレッション企画「最先端ホイール一気乗り」では、登場するホイールたちをアルミクリンチャー、フルカーボンミドルハイト、特殊構造、スーパーディープの4つのカテゴリに分け、インプレッションを行なった。各カテゴリの“今”について、評者3人が語る。その、スーパーディープ編。
text●安井行生 photo●山内潤也

スーパーディープの性能を語る、その前に

各ブランドが力を入れ始めた、80mm前後のリムハイトを持つスーパーディープ。トライアスロンブームを受け、近年増えてきている最速集団である。空力面における優位性は明白だが、近年は他の項目でも高得点を叩きだすモデルが登場している。しかしインプレに入る前に、安井が「ちょっと言わせろ」と口を開いた。

自分の技量を見極めることが必要

CS:このカテゴリでも、リム幅を広げて斜めや横から吹く風に対して最適化している、と主張しているものが増えました。 安井:スーパーディープを扱う記事を読んでいていつも思うんですが、「速い、カッコいい、高速レースならスーパーディープだぜ!」ってみんな言ってるじゃないですか。でも、バイクの扱いに慣れていないビギナーが買っちゃマズいだろ、と思うんですよ。お恥ずかしい話ですが、僕は今でも怖くて使えない。 小笠原:集団の中でも、リムハイトが60mmくらいになると横風で明らかに進路を乱している人が多いですね。 安井:レースでもそうですか。 小笠原:やっぱりあおられてます。だからそういう人にはホイールをかぶせたくない。 安井:トンネル出口とかビル風とか、どれだけ慣れても進路が乱れてしまうんじゃないかと。 小笠原:慣れても怖いですね。一定の風ならいいんですが、瞬間的に変化する風は読めないので。 岩佐:突発的な横風には、いつまでたっても慣れないですよね。 安井:高速コーナーは曲がってくれないし。 岩佐:ロードに付けるもんじゃないですよ。 安井:扱いにくいよ、慣れないと危険だよ、という情報を前提としてちゃんと提示しないといけないな、と。お客さんの反応としてはどうなんですか? 岩佐:ターゲットはTTとトライアスロンですね。ロードオンリーの人は、80mmまで手を出すことはめったにないです。 安井:存在が目立つだけで、実際は売れてないのかな。TTとトライアスロンを本気でやる人には、絶対に有利だと思いますが。 岩佐:お店はお客さんの技量を見て、ヤバそうなら止めるべきだと思いますけどね。 安井:ですよね。 小笠原:でも売っちゃうでしょうね。 岩佐:確かに速いですけどね、時速30km後半からなら。時速30km前半なら、ただ重いだけ。 小笠原:反応はにぶいので、レースでも踏み遅れます。 CS:みなさんインプレは気を付けて。とくに横風に弱い安井さん(笑)。 安井:はい… 本誌掲載モデル ●カンパニョーロ・ボーラウルトラ80 ●エンヴィ・スマートエンヴィシステム6.7 ●ライトウエイト・フェーンウィグ(チューブラー) ●マヴィック・コスミックCXR80T ●レイノルズ・エアロ90 ●ジップ・808 ・あわせて読みたい! ホイールインプレッション その前に! ホイールインプレの読み解き方 ホイールインプレの読み解き方 アルミクリンチャー編 ホイールインプレの読み解き方 ミドルハイトカーボンホイール編 ホイールインプレの読み解き方 特殊構造ホイール編

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サイクルスポーツ 2012年 3月号
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