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ハイエンドキラー RIDLEY FENIX

フラッグシップモデルで使用された技術の一部を使用して設計されることの多いミッドレンジバイクは、ユーザーにとっては上位グレードの性能がどこまでいかされているかが気になるところ。しかし2013年モデルでは、その差がどんどん小さくなっている。その典型がリドレー「フェニックス」だ。
text::中島丈博 photo:岡 拓

ロット・ベリソルのグライペルがクラシックレースで使用

スペックを見てみると、上下異径のヘッドチューブに大きな下ワンを生かしたボリューミーなダウンチューブ。BBももちろん大きな体積を持っている。そして、フラッグシップモデルではお約束の電動コンポーネントへの対応も済ませている。走りの性能を表すエピソードとしては、ロット・ベリソルのエース、A・グライペルがフェニックスを使用して、2012年のツール・デ・フランドルに出場したことが挙げられる。いくつもの石畳区間が登場する格式高いクラシックレースの相棒として選ばれたのだ。バイクに貼られた「tested on pave(石畳でテストしました)」のステッカーはダテじゃない。 もっとも注目すべきは15万円を切るフレーム価格だ。カーボンのグレードこそ24tと高くないが、これだけ上位グレードと同じ機構を備えているのは評価できる。それというのもリドレーのロードバイク開発コンセプトとして、どのグレードのバイクであろうともレースで使えることを重視しているからだ。

リドレー フェニックス

フレーム価格 14万4900円 フレーム:カーボン フォーク:カーボン コンポーネント:シマノ・アルテグラ ホイール:FFWD・F6R-240S タイヤ:ヴィットリア・コルサCX 700×23C ハンドルバー:フォルツァ・ストラトス ステム:フォルツァ・シーラス サドル:フォルツァ・ストラトス シートポスト:フォルツァ・シーラス 試乗車実測重量:7.18kg(XSサイズ、ペダルなし) サイズ;XXS、XS、S、M カラー:レッド、ブルー、チームレプリカ(ホワイト・100台限定)
■写真下・左:横から見ると、ブレード先端のボリュームが抑えられている。これにより振動吸収性を向上させている。その分、厚みを持たせることで横方向の剛性は確保されている。 ■写真下・中:下ワンのベアリングに1.5インチ径を採用した上下異径タイプ。ワイヤ類はすべて内蔵される。電動コンポーネントの場合も同様だ。シマノDi2、カンパニョーロ EPSの両方に対応する。 ■写真下・右:悪路でもライダーがパフォーマンスを発揮できるよう、フレキシブルシートステーを採用。ステー中ほどに扁平加工を施すことで、リヤホイールからの衝撃を緩和する。
■写真下・左:「tested on pave」とステッカーが貼られているとおり、石畳で2万5000km~3万kmのテストをしている。石畳の道が多いベルギーで使えるバイクでなければ意味がない。 ■写真下・右:ダウンチューブの裏側に電動コンポーネントのバッテリー台座を設けている。ワイヤ出口は穴ではなく、スリットになっているので、ケーブル類を通すわずらわしさが抑えられていると思われる。
写真下・左:太いダウンチューブとチェーンステーが接合されるBBも、同様に大きな体積をもち、ペダリングパワーをしっかりと受け止める。BBはオーソドックスなスレッドタイプを採用。

CYCLE SPORTS.jp編集長・ナカジの試乗インプレッション

リドレーのバイクは以前、ヘリウムを試乗したときに軽量に仕上がっているのに悪路を走ってもはじき飛ばされてしまう不安感がなく、芯が通ったいいバイクだなと思った記憶がある。ただ、フレーム価格も約25万円。それに対してフェニックスは14万円強だ。10万円以上の価格差がどう影響しているのか・・・。 フレームの剛性を感じようと、ペダルにしっかりとトルクをかけてみると硬質な反応が返ってくる。BBこそノーマルのスレッド仕様だが、太いダウンチューブとチェーンステーのおかげだろう、速度の維持もラクだ。時速30kmくらいからハンドルに体重を預けて加速していくと、もう少し「のび」が欲しいと思うが、フォークのボリュームのおかげでふらつくことはなく、いい具合にスピードが上がる。 ヘリウム同様、シートステーの振動吸収性は気に入った。ヘリウムでは細さが一定だったが、フェニックスではセンターだけより薄くつぶされた形状となっており、使用するカーボンのグレード差を埋める工夫だろう。写真のようにグレードの高いホイールが装備されていたので、試しにマヴィック・キシリウムエキップに交換して走ってみた。十分に走りを楽しめるフレームだ・・・そこでふと、価格差のことを思い出した。フェニックスのフレームの出来が価格以上に仕上がっているので、これじゃあ上位グレードの立場がないじゃないかと、人ごとながら心配になってしまう。
ロット・ベリソルが今シーズンクラシックレースで使用するリドレー「FENIX(フェニックス)」。そのチームレプリカカラーの受注がスタートした。カーボン材質、価格、ジオメトリーなどは現行のフェニックスと同じで、ホワイトカラーにパヴェ(石畳)デザインとなっている。限定100セットのみ!3月入荷予定。
ノア・ファスト、ノア、ノア RSなどのプロが使用するエアロフレームテクノロジーを受け継ぐ、リドレーの人気エアロ アルミフレーム「フェートンR」が数量限定で受注を開始した。902Aホワイトカラーも新登場! *************************************

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