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BOMA 注目のディスク仕様クロス「ドーラ」

ボーマのシクロクロスバイク「L'EPICE R(エピスアール)」と「D・OLA(ドーラ)」。シクロクロスといえば秋~冬に行なわれる競技だが、CXバイクはロードレースやMTBにも使い回せるような さまざまなメリットをもつ車種になる。2012~2013年シクロクロスシーズンを終えた宇都宮ブリッツェンの小坂 光選手が、走りの幅を大きく広げる2台に試乗した。

text:鏑木 裕、photo:吉田悠太

軽量性と機敏性を高めたレーシングモデル L'EPICE R

ツーリングでの使用を兼ねていたボーマのシクロクロスバイク「エピス」をベースとして、レーシーな味付けを強くした「エピス R」。軽量でダイレクトな操作感に優れるストレートフォークの採用、ワイヤルートの最適化、メインパイプ断面の扁平化などにより、ダートの上を最速で走るための機能を煮詰めた2013年モデルだ。ボーマはすでに多くのトップアマチュアたちから高い評価を獲得しているが、力強い布陣になることは間違いない。

 

【小坂 光の試乗インプレッション】

ハンドリングがクイックで、競技機材としての能力がとても高いのが第一印象。ハンドル操作が軽快だと、走行ラインをすばやく変えられるし、ダンシングではバイクを左右に振りやすくなる。たとえば180度回り込むような低速のタイトコーナーやテクニカルな路面では、思い描いたラインに前輪を乗せやすく、ロスが少ない。すっとハンドルが切れて、もたつきがない。そこからの加速も良好で、ストップ&ゴーを繰り返すことにストレスを感じにくい。基本的なジオメトリーはエピスと同じだが、ちょっとした仕様変更や味付けで操作感が変わっている。

 

ボーマ エピスアール

フレーム価格 16万5900円

 

フレーム:T-700HMカーボン

フォーク:T-700HMカーボン

サイズ:S、M、L

カラー:ミディアムグレー

 

■写真下・左:3本のケーブル類はトップチューブ上面をはわされ、トップチューブの下面は扁平加工で平らに。肩を入れやすくなっており、シケインや階段など「かつぐセクション」での機動力が向上している。

 

■写真下・中:コラムまでカーボン化されたストレートでカーボン化されたストレートフォーク。軽快なハンドリングをもたらす。

 

■写真下・右:テーパー形状のヘッドチューブ&フォークコラム。ヘッドの下側が大径化されているので、フレームのスタビリティはとても高い。

注目のディスク仕様クロス D・OLA

シクロクロス競技でディスクブレーキが解禁となって1年強がたった。まだまだユーザーレベルでの使用者は少ないとはいえ、新しいテクノロジーへの挑戦はメーカーに課せられる永遠の命題である。エピスR同様、2013年モデルとして登場した「ドーラ」もまた、エピスで培われたノウハウをベースにしている。

 

ただし、ディスクブレーキに対応するため、リヤのエンド幅は135mmへと広げられ、フロントフォークも専用品。カンチブレーキ台座は前後ともに排除された。またヘッドチューブもフロントのアウター受け分を補うために約20mm長くなっている。

 

ブレーキ制動力の乏しさは、シクロクロスバイクの大きな欠点ともいわれる。乗り慣れた上級者なら問題にならないのだが、ダートでコーナリングスピードを下げられない初心者にとっては恐怖心すら与えかねない。ブレーキのディスク化は、シクロクロスの裾野を広げる起爆剤となるのか、さらには競技レベルを上げる武器となるのか。ドーラの今後の動向に注目が集まる。

 

【小坂 光の試乗インプレッション】

コーナーでの扱いやすさ、加速のよさなど基本的なフィーリングに関してはエピスRに近い乗り味。軽快でレーシングバイクとして優れている。注目のディスクブレーキは、とにかく制動力が高められている。コーナー手前ギリギリまで我慢して一気に減速できるし、厳冬期なら指がかじかんでも大丈夫。泥詰まりに強いのは明白だし、リム側面が摩耗することもないのでホイールも長持ちする。スペアホイールを用意できるなら、ドーラに乗るメリットは大きくなりそうだ。

 

ボーマ ドーラ

フレーム価格 17万6400円

フレーム:T-700HMカーボン

フォーク:T-700HMカーボン

サイズ:S、M、L

カラー:アイスグレー×Mグレー

■前後のシフトワイヤ、Rブレーキケーブルはトップチューブに内蔵。見た目にもスッキリするが、シケインなどを越える際にトップチューブを握りやすいというメリットも。

 

■ブレーキ台座は前後ともにポストマウント方式。シマノやスラムをはじめとする各社のブレーキを、アダプターなしでダイレクトに装着できる。

 

 

 

■ケーブルハンガーがなくなって、すっきりとしたヘッドまわり。ヘッドチューブがやや長めに設定されているのは、このケーブルハンガーの分と考えていいだろう。

 

■フレーム&フォークとも、ブレーキ台座部分は強化され、強い制動力を受け止められる設計だ。

 

問い合わせ先

ASKトレーディング(ボーマ)
048-951-5820
http://www.boma.jp/