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「強くなるためには?」チャンピオン窪木一茂に聞く一問一答

いよいよ開催が来年に迫った東京2020オリンピック。実施される自転車競技の中でも、特にメダル獲得の期待が掛かるのがトラック競技だ。その大一番に向け、ブリヂストンサイクルが大きなプロジェクトを進めている。「日本開催の五輪で、日本製機材を使用した日本人選手によるメダル獲得」という大きな夢に向けての取り組みに、機材開発者、選手の両面から迫る。


 
text:中村浩一郎 photo:ブリヂストンサイクル
presented by ブリヂストンサイクル

より強くなるため必要なのは?

ブリヂストンサイクルの開発研究チームが受け取るデータは、そのワークスチームであるチームブリヂストンサイクリングの選手たちが提供する。18年はデータだけでなく、チ ームの窪木一茂が、数多くの勝利ももたらした。ロードレースでは《RS9》を駆り、日本最高峰シリーズ戦『Jプロツアー』で5勝を重ね、総合勝者に輝いた。タイムトライアル全日本選手権をTTバイク《RT9》で勝利し、トラックの中距離レースでは、オムニアム、個人パシュートなど《TR9》にて多くの日本チャンプを獲得した。なぜ強かったのか、オリンピックにどう向かうのか。2019年もチームブリヂストンのエースとして走る窪木に答えてもらった。



窪木(以下K):強い人たちと競い合えるような環境に身を投じること。また技術的にはどれも重要ですし、どれがと言われると答えづらいですが、2018のレース結果でも証明できたように、自身に必要な心技体はイメージどおりスキルアップに成功している。新たに必要なものは ......という考えはなく、これまでの積み重ねという印象です。つまり2018のカラダの延長でスピードもパワーも連戦を勝負できるタフなカラダが手に入ります。もちろん2020に余裕を持って間に合う予定です。多くの種目で世界と戦わなければならないので、数多くのスキルをもっと磨いていきます。必要なものを強いて言うなら、今の統合的トレーニングやリカバリーなどを専属でサポートしてくれるスタッフです。

 

オリンピック経験者として、オリンピックと他の競技との違いは?

K:選手たちから放出されるエネル ギー量の違いです。オリンピックはトラックレースでしか経験していませんが、各国オリンピックのときの仕上がりが、他の国際大会とはまるで違う。ギヤを1段以上上げてくるあたりが、4年に1度行われるオリンピックなのだろうと感じました。

2018年の身体改造の中で、最も気にしていたのは?

K:けがをしないこと。また落車をしてけがしたときに長引かせないようにすること。

 

ロードバイクのために、どんな練習をどんなところで?

K:特別な環境はいらないと思っています。ふだんみんなが自転車で通るような道、もちろんそれは自転車専用である道でなくても問題ない。またウェイトトレーニング場はおじいちゃんやおばあちゃんが体操教室で使うような施設で十分です。大事にしていることは、はやりや人のまねではなく、今の自分と常に向き合うということだけ。それと小さな工夫が重要だと思って、トレーナーと日々練習しています。

 

ロードレースのため、トラックレース経験は必要?

K:トラックのように狭い空間で闘う環境は得るものが大きい。相手の息遣い、表情、ペダリング全てが近い。もちろん相手にも自分自身が見破られる心配もある。食うか食われるか。ロードレースとはまたちょっと違う角度から闘争本能を養える場所でもあります。

 

ブリヂストンの開発チームへはフレーム・パーツなどの感覚を、どのようにフィードバックする?

K:結果を出している選手に共通する部分を、自分の目線で自分なりに集めて、それらをフィードバックしてきました。こちらにも、フレームやパーツの研究について試してもらいたいことがたくさんあります。さらに研究チームと現場の選手たちの意見が重なればすばらしいものが出来上がると信じています。今年はオリンピックに向けてより良いものを生み出せるよう、研究チームとより具体的に力を合わせてものにしていきたいと思っています。

 

東京2020オリンピックに向けて

K:もう一頑張りすることが何より大切。だから忘れず、あと一頑張りだ!もう一歩だ!と、自分がしていることは自分のモノになると思い込んで練習に取り組みます。頑張ったら頑張った分、自分のモノになる。手を抜いたら手を抜いた分、それも同じ。タイムイズライフ、時間は命。小さなことにこそ誠を込め心を行き届かせ、ペダルを漕いでいきたい。




 
チームブリヂストンサイクリング 窪木一茂
チームブリヂストンサイクリング 窪木一茂
1989年生まれ29歳。トラック競技とロードレースの両方で活躍する。2016年リオ五輪日本代表。2018年シーズンは全日本選手権ロード個人タイムトライアルで優勝し、さらに全日本選手権トラックレースではポイントレース、4km個人追抜、4km団体追抜、マディソン、オムニアムで優勝。

 


問:ブリヂストンアンカー