トップ > 前号の立ち読み > これが正解!スネ毛の処理
自転車に乗らない友人から「なんでスネ毛なんかそるの?」と聞かれることがある。そんなときはいつも言葉につまり、「うーん……空気抵抗かなぁ?」などと苦しまぎれに答えることになる。
  コンマ一秒を争い、パーツ重量1gの増減に一喜一憂するプロ選手からすれば、スネ毛の有無が走りの違いにつながるのかもしれないが、われわれ一般サイクリストにとっては、毛の処理による空気抵抗の低減や体の軽量化など、取るに足らないものだ。
「ケガをしたときに処置しやすい」からと言われることもあるが、ではなぜ脚だけなのか。ウデの毛は?ほかのスポーツは?などの疑問がわく。
  一般レーサーに聞くと、スネ毛を処理する理由として、ケガ対策と並んで多かったのが「自転車乗りはそるものだと思っている」「ないほうがカッコいい」というもの。プロの選手に話を聞いても、みな口をそろえて「見た目」という答え。
  つまり、自転車乗りにとってスネ毛の処理は、実用的な理由というよりは、身だしなみやマナーのひとつという意味合いが強い。ヘルメットにサングラス、ジャージにレーパンなどと同じように、ロード乗りにとってスネ毛の処理は暗黙の了解であり、ピカピカに磨き上げられたフレーム同様、美しくそり上げられた脚はその人の人となりを映し出す鏡ともいえる。
  さあ、これでスネ毛を処理しない理由はなくなった。あとは「どう処理するか」だ。
 一般、プロを問わず圧倒的な支持を誇るカミソリ。デジタル化が進む現代においてこのアナログな道具が依然として支持され続けているのは、やはりデリケートで美しく見せたい脚には、自分の手で力加減を細かく調整できるカミソリがいちばんよいと感じられるからであろう。ヒザやももの裏側などそりにくい箇所もあり、慣れていないと処理に時間がかかるものの、仕上がりの美しさは秀逸である。
適度な強さならば皮膚表面の古い角質を取り除くだけなので、新陳代謝を促す効果があるが、過度な深ぞりは角質層に傷をつけ、細菌の侵入を許し炎症を起こしやすくするほか、紫外線によるダメージを受けやすくなる。肌を美しくするためのカミソリで肌を傷つけてしまっては本末転倒なので、ていねいな使用と、処理前後の適切なケアが重要になる。魅せる脚を手に入れるためには手間を惜しんではならない。
滞在先のホテルでも、コンビニでもカンタンに手に入るのがうれしいが、できることなら刃のしっかりしたマイカミソリと、マイシェービングフォームを携帯して、肌をいたわりながら処理したい。
 面倒くさがりの人にはこれ。シェービングフォームは不要で、アフターケアもいらない。トリマーをつければ毛の長さが調節でき、外せばある程度の深ぞりも可能。なんともラクちんだ。
全身用でなくてもヒゲそり用で十分と思われがちだが、パナソニックの担当者によると、ヒゲそり用のものは、スネ毛に比べて濃くて太いヒゲのための専用の刃を使用しており、深ぞりしたいからといってヒゲ用シェーバーを使用するのはオススメしないとのこと。全身用シェーバーはつるつるにするためというよりは、ムダ毛を目立たなくするという意味合いが強いとも言える。いきなりつるつるにするのは抵抗があるという人には最適だろう。電動シェーバーとカミソリを併用するのもよい。
 スネ毛の処理は今や「抜く」か「そる」かだけではない。第3世代の選択肢には「塗る」がある。クリームを手にとって、肌の色が見えなくなるくらいに塗りたくる。10分待ってクリームを拭き取り、脚を水で洗い流せばあら不思議。スネを覆っていたはずの毛がなくなっている。
表面の毛を溶かすので、長さとしてはカミソリと同程度。ただし塗りムラがあったり、放置時間が十分でないと、溶けきらずにちぢれた毛が残ることがある。肌に合わない可能性もあるので試し塗りが必要だ。毛をすべて除去するには1本丸々使うことになるので費用もかさむ。新しモノ好きは試してみる価値アリ。
粘性の高いワックスをシートで押さえつけ、シートをはがすことで毛を抜くという脱毛方法もある。一気にはがすのがポイントとのこと。でもそれって……。
脱毛器は回転する刃で毛をからめ取るタイプが多い。入浴中など毛穴が開いた状態で使用すると痛みは軽減する。コツは恐れずに強く押し当てること。アンケートでは「慣れれば痛くない」との回答も
究極がこれ。レーザー等で毛乳頭を破壊し毛の再生機能をストップする。あの今中大介さんも「やってはみたいよね」と語る。スネ毛そりの煩わしさから解放されるならば、施術代も高くない? ただし1回の施術では不十分で、何度か通う必要がある。
脚の毛をそるのは顔をそるのとは違って、不自然な格好になることが多い。とくにヒザの裏などをそるには体をひねらなければならないこともあるので、まずは軽くてハンドルが握りやすい形状のものがいい。よくそれるのはチタンコートのもので、スムーザー付きのものは肌を荒らさないし、横滑り対応のセーフティワイヤーがあれば、足首のまわりやヒザなどの凹凸がある部分でも安全だ。刃の枚数については、多いもののほうが肌にかかる圧力が減り、何度も剃らなくて済むので結果的に肌に優しい。
まず、そる場所はお風呂がベスト。ぬるめのお湯に5分ほど入って毛穴を開かせる。これは肌を痛めないため。シーズン明けなど毛足が長いときは、初めからカミソリを使うよりも、トリマーなどで毛を短くしておいたほうがそり残しが少なく毛詰まりもしにくい。次にシェービングクリームやシェービングジェル、ジェルフォームなどを塗ってカミソリを当てていくが、クリームやフォームは粘性が低いため目詰まりしにくく、一方のジェルは表面がきれいになりやすいという特徴がある。これらは肌を守るために作られたもので、洗うための石けんを使ってそるのとは少し効果が異なる。ただし洗顔用クリームならば肌にもいい。
単純なことだが、切れ味のよいカミソリを使うこと。切れ味の落ちたカミソリでは肌への負担も増えてしまう。いちばん重要なのは毛が生えている流れに沿ってカミソリを動かすこと。肌へのストレスを最小限に抑えるためだ。逆ぞりは表皮をそぎ落としやすいので、肌を痛めやすいといえる。そり残しがある場合などやむをえず逆ぞりする場合は、もう一度クリームを塗って注意深くそるようにしたい。また普通にそる場合でも、脚を伸ばして肌をできるだけ平らにするといい。部位でいえば足首からヒザまでと、ヒザから上は一気にやらずに別々にそること。毛詰まりしてしまったときは、ヘッドの後ろから水を流すようにすると取れやすい。
そり終わったあとはきれいに洗い流し、こすらずに軽くたたくようにしてやさしく水気を拭き取る。毛がなくなるということは、これまであったプロテクターがなくなることでもある。直接紫外線が肌に当たるため、ダメージが大きくなる。そった後は保湿クリームやローションで肌を守るようにするといい。使い終わったカミソリは洗って乾燥させること。そうしないと刃の上で雑菌が繁殖して、次回使うとき肌に菌をすりつけることになる。カミソリ負けをした場合には、肌にストレスが生じているということなので、ローションをつけるか、そるときに圧力をかけすぎないことが大切。
ヒゲでは2週間が交換の目安になるが、脚はそる面積も広くなるのでもう少し短くなる可能性がある。5、6回に一度を目安にして、切れが悪いと感じたら交換しよう。また刃は精度が高いぶん少しの衝撃でも影響があり、わずかな変形でも肌を傷つける可能性があるので、カミソリを落とした場合などは迷わず交換しよう。