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ブエルタのアンチ・ドーピング検査でフルームが「違反が疑われる分析報告」を通知された(updated)

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国際自転車競技連合(UCI)は、今年9月のブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)で行われたアンチ・ドーピング検査で、英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)が、 1000ng/ml を超えるサルブタモールの「違反が疑われる分析報告(AAF)」を通知されたと発表した。




サルブタモールは喘息の治療などに用いられる気管支拡張剤で、世界アンチ・ドーピング規定(WADA)の禁止薬物リストでは「尿中のサルブタモールが 1000ng/ml を超える場合は、治療を意図した使用ではない」として「違反が疑われる分析報告」になる。

このアンチ・ドーピング検査は、UCIが委任した独立機関である『自転車競技アンチ・ドーピング財団(CADF)』によって計画され、実施されたものだった。

違反が疑われる分析報告、いわゆる陽性の検査結果が出たのは9月7日(第18ステージ)に行われたアンチ・ドーピング検査で、フルームはこの通知を9月20日に受け取っている。彼は今年のブエルタで総合優勝していた。

すでにBサンプルの分析も行われてAサンプルの検査結果は確定しており、UCIアンチ・ドーピング規則に沿ってその後の手続きは進められている。

その一方で、UCIはリリースの中で「UCIアンチ・ドーピング規則7.9.1条に従い、サンプルの中にサルブタモールのような特定物質が存在しても、選手に対して暫定的な資格停止処分が課されることはない」としている。


(http://www.uci.ch/pressreleases/uci-statement-christopher-froome/)
 
 

フルームのブエルタ優勝は剥奪されるのか?

英国のガーディアン紙は、このセンセーショナルなニュースを「異常な薬物検査の結果で、フルームはブエルタのタイトルを失うかもしれない」というタイトルで報じていた。すでにフルームの陽性は確定しているため、果たして彼にどれ位の処分が課されるのか、ブエルタでの総合優勝は剥奪されるのかどうかが注目されている。

イタリアのディエゴ・ウリッシ(UAEチーム・エミレーツ)は、2014年のジロ・デ・イタリアでサルブタモール陽性になり、9ヶ月の資格停止処分を下された。彼は気管支痙攣の治療で許可を受けたサルブタモールを使用したと弁明していた。この時は彼の検査サンプルからは 1900ng/ml のサルブタモールが検出されていた。

ウリッシは陽性になったジロで区間2勝していたが、剥奪はされなかった。しかし、2007年のジロでサルブタモール陽性になって処分を受けたイタリアのアレッサンドロ・ペタッキは、その年のジロでの区間3勝を剥奪されている。