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自転車レーンを路上駐車から守れ!「逆転の発想」で対処したNY市の方法とは?

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車道左側に自転車レーンやナビライン、ピクトグラムが設置されはじめた日本。ところが、それらを路上駐車がふさいでしまうことも珍しくない。一方、米国ニューヨーク市では駐車需要を踏まえた「逆転の発想」で自転車の走行空間を確保している。
 

道路の中央側に駐車帯

NY市の「parking-protected bike lane」(宮田さん提供)

宮田浩介さんは昨年秋に訪れたニューヨーク市で、車道の中央側に駐車帯を設ける自転車レーンを取材した(上記写真)。マンハッタン中心部の一方通行の大通りが車道、駐車スペース、ドア開閉などを考慮したスペース、自転車通行空間、歩道の順に区切られている。

現地では「parking-protected bike lane」と呼ばれる。車道の中央側に駐車スペースを設け、自転車レーンに路上駐車や走行中のクルマが入るのを防ぐしくみで、「クルマは車道の端に駐車するもの」という従来の常識をくつがえす手法だ。市の2011年の調査では自転車の通行量が1.5倍に増えたことに加え、自転車の歩道通行が平日で半分以下に減ったとのデータもあり、市民の反応も良いという。

「自転車利用の最先進国であるオランダなどで先行して採用されてきたものをニューヨーク市が取り入れ、同市での主要な自転車レーン整備方法となっています。マンハッタンの車道は一方通行が多いですが、対面通行の車道でも設置されるケースがあります。また、ボストンやシカゴなど北米の主要都市でも同様の手法で整備が進み、女性や子どもなど幅広い層で自転車利用が増える効果を生んでいます」(宮田さん)

 

「ドアゾーン」の余白を確保

宮田さんは2003年から07年までニューヨーク市で暮らし、その後も度々滞在。現在は国内外の仲間で作るグループ「Cycling Embassy of JAPAN」に参加し、自転車交通の政策提言などを行っている。

「ニューヨーク市では、クルマのドア開けリスクがある『ドアゾーン』を余白とすることで自転車との事故を防ぐ、オランダ等の知見が活かされている」と宮田さん。整備には相応の道幅が必要だが、「北米では自転車レーンと駐車帯との間を空ける必要性が共有されている」と話す。

日本でも都内で自転車レーン右側(車道中央側)に駐車スペースを設けた事例があるが、ドアゾーンの余白は確保されていない。NPO自転車活用推進研究会の内海潤事務局長は「日本は道路構造令に自転車レーンの規定がないなど、法令整備が急がれる状況。その先の落とし所の一つとしてニューヨーク市の事例もあり得るのでは」と話している。(斉藤円華)

<参考サイト>
宮田さんのブログ記事
https://note.mu/kosukemiyata/n/n9be2ad974224

Cycling Embassy of JAPAN

http://cycling-embassy.jp/
 
子供乗せ自転車も通行(同)