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ツール・ド・北海道2017 最終第3ステージはキナンのマルコス・ガルシアが函館山を制し総合優勝

レース
最終第3ステージは函館競輪場をスタートし東方へ向けて内陸部を走り、山岳ポイントを経て函館湾沿いを走り中間スプリントを1回、そのまま函館山を上り山頂フィニッシュする77kmのステージ。ハイライトは大会史上初となる函館山山頂フィニッシュだ。5kmで標高差320mを一気に登るフィニッシュで総合成績が大きく入れ替わる。

レースは1つ目の26.8km地点のKOMをめぐる、日本大学と鹿屋体育大学の戦いで幕を開けた。個人総合山岳賞暫定1位の草場啓吾(日本大学)と2位の冨尾大地(鹿屋体育大学)は同点であり、この山岳ポイント獲得で山岳賞が決まることに。

スタート5kmほどでその冨尾を含む4人が逃げて20秒差をつけたが、日本大学が引くメイン集団がこれを吸収。すると鹿屋体育大学勢が先頭に立ちKOMへ向けてハイペースで上る。徳田匠、山本大喜、黒枝咲哉の順にリードアウトしてラスト50mで黒枝から発射された冨尾が1位通過、2位通過は草場で、この瞬間にバーチャルの山岳賞が冨尾に決まった。
 
3日間好天に恵まれた今年の北海道は海岸線沿いの多いコース photo:Hideaki TAKAGI
3日間好天に恵まれた今年の北海道は海岸線沿いの多いコース photo:Hideaki TAKAGI
KOMへ向けて位置取りをする鹿屋体育大学勢。中央右の冨尾大地が1位通過で山岳賞を獲得 photo:Hideaki TAKAGI
KOMへ向けて位置取りをする鹿屋体育大学勢。中央右の冨尾大地が1位通過で山岳賞を獲得 photo:Hideaki TAKAGI

KOMを下り海岸線に出てから少人数のアタックはかかるが、すべてリーダーチームの愛三工業レーシングチームが逃げをつぶす。入部正太朗(シマノレーシング)と中田拓也(インタープロサイクリングアカデミー)の2人も20秒ほど差をつけるがこれも吸収され、集団は函館山入口へ向けて位置取りのためナーバスになる。

函館護国神社前の急坂に集まった大勢の観客の前を先頭で駆け上がるのは佐野淳哉率いるマトリックスパワータグ勢。これにキナンサイクリングチーム、NIPPOヴィーニファンティーニらが続く。函館山登山道へエースのホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)のために先頭で入ったのは土井雪広(マトリックスパワータグ)。

ここからはNIPPOヴィーニファンティーニ勢5人全員が前に出てエースの中根英登のために速いペースを作る。

ラスト2kmでアタックしたのはマルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)。これを中根が追い吸収すると今度はトマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)がアタックするがこれも中根が追う。ここでガルシアが再びアタックすると西薗良太(ブリヂストンアンカー)だけが追走でき、ラスト150mで西薗が先頭に立つが、ラスト50mでガルシアが抜き返して優勝。同時に個人総合優勝も達成した。
 
マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)が函館山を制し総合優勝達成 photo:Hideaki TAKAGI
マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)が函館山を制し総合優勝達成 photo:Hideaki TAKAGI

最終ステージはさまざまな思惑が絡み合う。ガルシアはルバとの連携でアタックを決めて総合優勝した。冨尾は見事なチームの連携で山岳賞を獲得した。そしてポイント賞はステージ15位で1点を獲得した岡本隼(愛三工業レーシングチーム)が獲得した。

この大会は本来、大学生にステージレースの経験を積ませることも目的の一つとして第1回大会から開催されている。今年は山岳賞をめぐり鹿屋体育大学と日本大学が競い、第2ステージでは黒枝が2位に入った。同ステージでは愛三工業レーシングチームから出場した日本大学所属の岡本が優勝しリーダージャージを着用した。大学生も対等に闘える場面のあることを彼らは証明した。
 
日本大学と好勝負を繰り広げた鹿屋体育大学はU26団体総合優勝。中央は個人総合山岳賞を獲得した冨尾大地 photo:Hideaki TAKAGI
日本大学と好勝負を繰り広げた鹿屋体育大学はU26団体総合優勝。中央は個人総合山岳賞を獲得した冨尾大地 photo:Hideaki TAKAGI
個人総合時間賞 1位マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)、2位西薗良太(ブリヂストンアンカー)、3位ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) photo:Hideaki TAKAG
個人総合時間賞 1位マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)、2位西薗良太(ブリヂストンアンカー)、3位ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) photo:Hideaki TAKAG

ステージ&個人総合優勝 マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)のコメント

今回の大会は最後の函館山が勝負のカギを握ると思っていたので、ここにかけていた。チームメイトも強くて勝てて嬉しい。素晴らしい場所の北海道、そしてこの函館で走らせてもらえて感謝している。


【text&photo:Hideaki TAKAGI】

第3ステージリザルト

第3ステージ 9月10日(日) 77km
函館市(スタート:函館競輪場前9:30)〜(亀尾町)〜(鉄山町)〜(女那川町)〜(汐首
岬)〜(湯川町)〜(大森浜)〜函館市(フィニッシュ:函館山山頂)


1位 マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)1時間43分47秒
2位 西薗良太(ブリヂストンアンカー)+02秒
3位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)+06秒
4位 トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)
5位 ジャコモ・ベルラート(NIPPOヴィーニファンティーニ)
6位 サルバドール・グアルディオラ(チーム右京)+09秒
7位 中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ)+11秒
8位 エゴイツ・フェルナンデス(チーム右京)+13秒
9位 ドリュー・モレイ(トレンガヌサイクリングチーム)+18秒
10位 ピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ)+25秒


最終総合成績
1位 マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)9時間44分28秒
2位 西薗良太(ブリヂストンアンカー)+06秒
3位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)+12秒
4位 ジャコモ・ベルラート(NIPPOヴィーニファンティーニ)+16秒
5位 トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)
6位 サルバドール・グアルディオラ(チーム右京)+19秒
7位 エゴイツ・フェルナンデス(チーム右京)+23秒
8位 ピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ)+25秒
9位 中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ)+26秒
10位 ドリュー・モレイ(トレンガヌサイクリングチーム)+28秒


各賞
個人総合優勝 マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)9時間44分28秒
個人総合ポイント賞 岡本隼(愛三工業レーシングチーム)42点
個人総合山岳賞 冨尾大地(鹿屋体育大学)13点
団体総合優勝 NIPPOヴィーニファンティーニ 29時間14分36秒
U26団体総合優勝 鹿屋体育大学 29時間27分35秒
 

ツール・ド・北海道2017
開催日:2017年9月8日(金)〜9月10日(日) 

スタートリスト(PDF)全20チーム
http://www.tour-de-hokkaido.or.jp/2017/team/PlayersList2017.pdf

第1ステージ(ロードレース)
9月8日(金)(162km) 函館市(S:函館競輪場前 9:30)~北斗市~木古内町~知内町~木古内町~上ノ国町 ~江差町~厚沢部町~北斗市(F:運動公園前 13:29 ころ)

第2ステージ(ロードレース)
9月9日(土)(185km) 北斗市(S:運動公園前 9:30)~木古内町~知内町~福島町~松前町~上ノ国町~ 木古内町(F:JR木古内駅前 13:58 ころ)

第3ステージ(ロードレース)
9月10日(日)(77km) 函館市(S:函館競輪場前 9:30)~(亀尾町)~(鉄山町)~(女那川町)~(汐首 岬)~(湯川町)~(大森浜)~函館市(F:函館山山頂 11:20 ころ) 

ツール・ド・北海道
http://www.tour-de-hokkaido.or.jp