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頂上ゴールのブエルタ第5ステージはカザフスタンのルツェンコが逃げ切り優勝

レース
photo : Luis Angel Gomez/BettiniPhoto©2017
photo : Luis Angel Gomez/BettiniPhoto©2017

第72回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、8月23日にベニカシムからカテゴリー3のアルコセブレ頂上までの175.7kmで第5ステージを競い、カザフスタンのアレクセイ・ルツェンコ(アスタナプロチーム)が独走で逃げ切ってグランツール区間初優勝を果たした。

総合リーダーの証であるマイヨ・ロホを着た英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)は、息を吹き返したアルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード)、エステバン・チャベス(オリカ・スコット)、マイケル・ウッズ(キャノンデール・ドラパック)とともに4分31秒遅れでゴールしたが、総合首位の座は守った。


2012年のリンブルフ世界選でアンダー23の世界チャンピオンになった24歳のルツェンコは、すでに2015年にツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)、2016年にはパリ〜ニース(UCIワールドツアー)で区間優勝していた。彼はこの日、序盤に逃げ出した17人の1人だった。

4つの峠を越えた後、ゴールまで残り45kmの下り坂で先頭の逃げ集団からマルコ・ハーラー(チームカチューシャ・アルペシン)がアタックして先行。ルツェンコは残り33kmで彼に合流した。ゴールまで残り3.4kmで、最後のカテゴリー3の登坂がスタートするとすぐにルツェンコはアタックし、ハーラーを置いてゴールを目指した。

後続からはエリトリアのメルハウィ・クドゥス(チームディメンションデータ)が追走したが、ルツェンコの背中を観ることもできなかった。

メイン集団は一時7分半遅れていたが、終盤に4分半にまで追い上げた。残り2kmで集団の先頭は、フルームをアシストするイタリアのジャンニ・モスコン(チームスカイ)がハイスピードで引いてバラバラになった。この攻撃でフルームは多くのライバルたちにわずかなタイム差を付けることができた。

第5ステージはドイツのジョン・デゲンコルプ(トレック・セガフレード)が病気で出走しなかった。


■グランツールで区間初優勝したルツェンコのコメント「最後の登坂はとても難しかった。僕は早めにアタックし、ほとんど自分自身で走った。カチューシャの選手(ハーラー)は少しだけ助けてくれた。向かい風だった。ブエルタは素晴らしい。2014年に初めて出場して、区間2位になっていた。これは僕の競技キャリアで最も素晴らしい勝利だ。

ツール・ド・フランスではひどい落車に遭った。回復してからチームと話し合い、ブエルタのためによくトレーニングが出来た。今は良い調子だ。世界選の準備のためにもここにいるのさ」


■総合首位の座を守ったフルームのコメント「ライバルたちのことをたくさん学んだ。チャベスは最も強いクライマーの1人だと思う。明らかにコンタドールは今日は良い走りをした。バンガードレンはまだわからない。ロッシュも残っているから、BMCにはいくつかの選択肢がある。

ニバリとアルーが少しタイムを失ったのには驚いたよ。バルデもだ。しかし、長いレースだし、本格的な山岳区間になったらまた異なったレースになると思う」
 
 

■第5ステージ結果[8月23日/ベニカシム~アルコセブレ/175.7km]
1 アレクセイ・ルツェンコ(アスタナプロチーム/カザフスタン)4時間24分58秒
2 メルハウィ・クドゥス(チームディメンションデータ/エリトリア)+42秒
3 マルク・ソレル(モビスターチーム/スペイン)+56秒
4 マテイ・モホリッチ(UAE・チームエミレーツ/スロベニア)+1分11秒
5 アレクシー・グジャール(AG2R・ラモンディアル/フランス)+1分24秒
6 マルコ・ハーラー(チームカチューシャ・アルペシン/オーストリア)+1分37秒
7 ジュリアン・アラフィリップ(クイックステップフロアーズ/フランス)+1分40秒
8 イェツェ・ボル(マンサナポストボンチーム/オランダ)+2分04秒
9 マトヴィ・マムイキン(チームカチューシャ・アルペシン/ロシア)+2分18秒
10 ジェレミー・メゾン(FDJ/フランス)+2分31秒

13 アルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード/スペイン)+4分31秒
14 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)+4分31秒
15 マイケル・ウッズ(キャノンデール・ドラパック/カナダ)+4分31秒
16 エステバン・チャベス(オリカ・スコット/コロンビア)+4分31秒
17 ティージェイ・バンガードレン(BMCレーシングチーム/米国)+4分39秒
18 アダム・イエーツ(オリカ・スコット/英国)+4分42秒
19 ニコラ・ロッシュ(BMCレーシングチーム/アイルランド)+4分42秒
20 ファビオ・アルー(アスタナプロチーム/イタリア)+4分42秒
21 ウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ/オランダ)+4分42秒
22 イルヌール・ザカリン(チームカチューシャ・アルペシン/ロシア)+4分42秒
23 ダビド・デラクルス(クイックステップフロアーズ/スペイン)+4分52秒
26 サイモン・イエーツ(オリカ・スコット/英国)+4分52秒
30 ビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ/イタリア)+4分57秒
39 ロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル/フランス)+5分20秒
■第5ステージまでの総合成績(マイヨ・ロホ)
1 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)18時間07分10秒
2 ティージェイ・バンガードレン(BMCレーシングチーム/米国)+10秒
3 エステバン・チャベス(オリカ・スコット/コロンビア)+11秒
4 ニコラ・ロッシュ(BMCレーシングチーム/アイルランド)+13秒
5 ダビ・デラクルス(クイックステップフロアーズ/スペイン)+23秒
6 ビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ/イタリア)+36秒
7 ファビオ・アルー(アスタナプロチーム/イタリア)+49秒
8 アダム・イエーツ(オリカ・スコット/英国)+50秒
9 サイモン・イエーツ(オリカ・スコット/英国)+1分09秒
10 マイケル・ウッズ(キャノンデール・ドラパック/カナダ)+1分13秒
12 ロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル/フランス)+1分37秒
26 アルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード/スペイン)+3分10秒
[各賞]
■マイヨ・ベルデ:マッテーオ・トレンティン(クイックステップフロアーズ/イタリア)
■マイヨ・デ・ルナレス:ダヴィデ・ヴィッレッラ(キャノンデール・ドラパック/イタリア)
■マイヨ・コンビナダ:クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)
※第6ステージはエステバン・チャベス(オリカ・スコット/コロンビア)が着用
■チーム成績:アスタナプロチーム(カザフスタン)
■敢闘賞:アレクセイ・ルツェンコ(アスタナプロチーム/カザフスタン)
*マイヨ・ロホ(個人総合リーダージャージ)...真紅/マイヨ・ベルデ(ポイント賞ジャージ)...緑/マイヨ・デ・ルナレス(山岳賞ジャージ)...白地に青い水玉/マイヨ・コンビナダ(コンビネーション賞)...白
(http://www.lavuelta.com/la-vuelta/2017/us/)
 
 
MAP : Unipublic
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MAP : Unipublic
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8月24日はビラ・レアルからサグントまでの204.4kmで、カテゴリー3とカテゴリー2の峠を5ヶ所越える丘越え区間の第6ステージが行われる。
 

第5ステージのハイライト映像


Summary - Stage 5 - La Vuelta 2017 投稿者 la_vuelta