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ドロミテ山岳区間のジロ・デ・イタリア第18ステージでヴァンガードレンが区間初優勝/マリア・ローザはドゥムランがキープ

レース
 
100回記念大会のジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月25日にモエーナからオルティセイ(ザンクト・ウルリヒ)までの137kmでドロミテ山岳区間の第18ステージを競い、米国のティージェイ・ヴァンガードレン (BMCレーシングチーム)がマリア・アッズーラのミケル・ランダ(チームスカイ)を一騎打ちのゴールスプリントで打ち負かして区間初優勝した。

今年はこれで区間優勝した国に米国が加わり、12カ国(オーストリア、ドイツ、コロンビア、スロベニア、スイス、オーストラリア、スペイン、オランダ、ルクセンブルク、イタリア、フランス、米国)で大会新記録になった。

マリア・ローザを着たオランダのトム・ドゥムラン(チームサンウェブ)は、総合2位のナイロ・キンタナ(モビスターチーム)、総合3位のビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ)と一緒にゴール。この日も総合首位の座を守った。
 

第18ステージは166選手がスタート。前日にチームサンウェブはフィル・バウハウスがリタイアし、ドゥムランのアシストは6人になっていた。5km地点で4選手が抜け出した後、最初に越えた標高2239メートルのポルドイ峠でヴァンガードレンとランダを含めた追走グループが形成され、下りで先頭の逃げに合流して19人の集団になった。

2つ目のバルパローラ峠の山頂で、逃げ集団はメイン集団に2分差を付けていた。マリア・ローザの集団では、この日3つ目の峠だったガルデナ峠でキンタナ、ニバリが次々とアタックして先行する場面があったが、ドゥムランは慌てることなく彼らを吸収した。

ゴールまで残り40kmを切り、先頭はヴァンガードレン、ジョー・ドンブロウスキーとダビデ・ビッレッラ(キャノンデール・ドラパック)、ヤン・ヒルト(CCC・スプランディ・ポルコウィツェ)、ナトナエル・ベルハネ(チームディメンションデータ)、ランダ、ディエゴ・ローザ(チームスカイ)の7人に減っていた。

そこからゴールまで残り15kmの下り坂でヴァンガードレンとランダが先行。最後のポンティベス峠を2人で上り始めた。残り10kmで2人は後続の4人に22秒差、モビスターチームが引き続けるマリア・ローザの集団に54秒差を付けて逃げ続けていた。

マリア・ローザの集団では、ゴールまで残り6.5kmでキンタナがアタック。アシストのウィナー ・アナコナ(モビスターチーム)に1km引かせた後、単独で先行を続けた。しかし、後方とのタイム差は思いのほか広がらなかった。

それどころかキンタナは、ティボ・ピノー(エフデジ)をアシストするセバスチャン・ライヘンバッハ(エフデジ)が引くマリア・ローザの集団に残り5kmで捕まってしまった。

キンタナを吸収した後、ニバリがカウンターアタックを試みたが成功しなかった。ここでマリア・ローザのドゥムランが自らアタックを開始した。総合上位勢がし烈な闘いを繰り広げているスキに、この集団からドメニコ・ポッツォビーボ(アージェードゥゼール・ラモンディアル)がアタックし、ピノーが合流して2人でゴールを目指した。

アタックに失敗したキンタナは、ひたすらドゥムランの後方に付いていくしかなく、ニバリも同様だった。ドゥムランが前を追わなくていいのかと言うゼスチャーを見せる場面すらあった。

総合争いを尻目に、先頭ではヴァンガードレンとランダがゴールスプリントを競い、ヴァンガードレンが圧勝した。区間3位には総合4位のピノーが入り、ボーナスタイムを獲得。総合3位のニバリとのタイム差を24秒にまで縮めた。

新人賞のマリア・ビアンカを守り続けていたルクセンブルクのボブ・ユンゲルス(クイックステップフロアーズ)は、この日3分55秒遅れてゴール。オーストラリアのアダム・イェーツ(オリカ・スコット)に総合成績を逆転され、マリア・ビアンカを失ってしまった。


■グランツールで区間初優勝したヴァンガードレンのコメント「総合成績のために走ってきた2年間と数々のグランツールだった。でも、このジロで序盤は体が言うことを聞かなかった。僕はやる気を維持するためにベストを尽くした。これは僕にとって初めてのグランツールでの勝利だ。

信じられないような気分だ。特にここではたくさんトレーニング・キャンプをしていたから、ボクにはとても馴染みのある場所だった。道は全部知りつくしている。最後はランダを打ち負かす自信はなかった。彼はとてもいいスプリンターだからね」

■厳しい山岳区間でマリア・ローザを守ったドゥムランのコメント「ニバリとキンタナはただ僕にだけ集中し、勝とうという努力をする代わりに、僕を負けさせようという努力をしていた。最後には彼らは他のライバルたちにかなりのタイムを失ってしまった。こんなふうに走るのなら、彼らが表彰台を失うことを願うよ。最後の上り坂で、僕は強いと感じていた。だから彼らにも目が覚めているよって見せることにしたのさ」


5月26日はサン・カンディードから標高1290メートルでカテゴリー1のピアンカバッロ山頂までの191kmで第19ステージが行われる。ピアンカバッロは全長15.45kmの上り坂で、前半の勾配がキツく、最大14%のの難所がある。ピアンカバッロは1998年に故マルコ・パンターニが区間優勝した場所だ。
 

 
MAP : RCS Sport
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■第18ステージ結果[5月25日/モエーナ~オルティセイ(ザンクト・ウルリヒ)/137km]

1 ティージェイ・ヴァンガードレン (BMCレーシングチーム/米国)3時間54分04秒
2 ミケル・ランダ(チームスカイ/スペイン)
3 ティボ・ピノー(エフデジ/フランス)+8秒
4 ドメニコ・ポッツォビーボ(アージェードゥゼール・ラモンディアル/イタリア)+8秒
5 ヤン・ヒルト(CCC・スプランディ・ポルコウィツェ/チェコ)+11秒
6 イルヌール・ザカリン(チームカチューシャ・アルペシン/ロシア)+24秒
7 スティーフェン・クラウスウェイク(チームロットNL・ユンボ/オランダ)+34秒
8 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード/オランダ)+34秒
9 トム・ドゥムラン(チームサンウェブ/オランダ)+1分06秒
10 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+1分06秒
11 ビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ/イタリア)+1分06秒
12 アダム・イェーツ(オリカ・スコット/オーストラリア)+1分12秒
19 ボブ・ユンゲルス(クイックステップフロアーズ/ルクセンブルク)+3分55秒
■第18ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1 トム・ドゥムラン(チームサンウェブ/オランダ)80時間00分48秒
2 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+31秒
3 ビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ/イタリア)+1分12秒
4 ティボ・ピノー(エフデジ/フランス)+1分36秒
5 イルヌール・ザカリン(チームカチューシャ・アルペシン/ロシア)+1分58秒
6 ドメニコ・ポッツォビーボ(アージェードゥゼール・ラモンディアル/イタリア)+2分07秒
7 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード/オランダ)+3分17秒
8 スティーフェン・クラウスウェイク(チームロットNL・ユンボ/オランダ)+5分48秒
9 アダム・イェーツ(オリカ・スコット/オーストラリア)+7分06秒
10 ボブ・ユンゲルス(クイックステップフロアーズ/ルクセンブルク)+7分24秒
[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):フェルナンド・ガビリア(クイックステップフロアーズ/コロンビア)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):ミケル・ランダ(チームスカイ/スペイン)
■新人賞(マリア・ビアンカ):アダム・イェーツ(オリカ・スコット/オーストラリア)
(http://www.giroditalia.it/)
 



Giro d'Italia 2017 - Stage 18 - Highlights 投稿者 giroditalia