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アルプス山岳区間のジロ・デ・イタリア第16ステージはニバリが優勝/マリア・ローザのドゥムランが2分以上遅れた!

レース
 
100回記念大会のジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、休養日明けの5月23日にロベッタからボルミオまでの222kmでチマ・コッピ(最高峰)を含めた3つの峠を越える第16ステージを競い、ビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ)が、スペインのミケル・ランダ(チームスカイ)を一騎打ちのゴール勝負で打ち負かし、開催国イタリアにやっと勝利をもたらした。

マリア・ローザを着たトム・ドゥムラン(チームサンウェブ)は、最後の峠越えの序盤にトイレストップで遅れてしまい、区間優勝したニバリより2分18秒遅れてゴール。総合首位の座は死守したが、総合2位のナイロ・キンタナ(モビスターチーム)とのタイム差は31秒、総合3位になったニバリとは1分12秒差になってしまった。

ゴール後、表彰台に上がったドゥムランに笑顔は見られず、「僕はまだマリア・ローザでいるが、とても失望している」と語った。

 

第16ステージは174選手が出走。序盤からアタックと吸収が繰り返され、最初の1時間の平均時速は50.3km/hだった。48km地点で3選手がアタックを決め、3km先で22人が合流して先頭は25人の逃げ集団になった。

この日最初に越えたモルティローロ峠は、ジロ開幕前に交通事故で他界したイタリアのミケーレ・スカルポーニ(アスタナプロチーム)を追悼する『スカルポーニ・クライム』に選ばれていた。

その山頂は、スカルポーニのチームメートだったスペインのルイスレオン・サンチェス(アスタナプロチーム)がトップで通過する栄誉を得た。山岳賞総合2位でマリア・アッズーラを着ていたオマール・フライレ(チームディメンションデータ)、ランダ、イゴール・アントン(チームディメンションデータ)、スティーフェン・クラウスウェイク(チームロットNL・ユンボ)、ウイネル・アナコナとアンドレイ・アマドール(モビスターチーム)がその後に続いた。40人ほどに絞られたマリア・ローザの集団とのタイム差は2分だった。

チマ・コッピ(最高峰)のステルビオ峠を上り始めると、先頭の逃げはサンチェス、ヤン・ヒルト(CCC・スプランディ・ポルコウィツェ)、アマドール、ゴルカ・イサギレ(モビスターチーム)、アントン、クラウスウェイク、ランダ、フィリップ・デイグナン(チームスカイ)の8人になった。

マリア・ローザの集団では、ステルビオ峠でティージェイ・ヴァンガードレン(BMCレーシングチーム)がアタックしたが、結局抜け出すことはできなかった。ステルビオ峠山頂はランダが先頭で通過し、マリア・ローザの集団とのタイム差は2分38秒だった。

この日最後の峠越えだったウンブライルパス・ジョゴ・ディ・サンタ・マリア峠のふもとで逃げとマリア・ローザの集団のタイム差はまだ2分以上あった。

ゴールまで残り34kmで、逃げグループからクラウスウェイクがアタックし、ヒルトとランダが合流した。その時、後方ではドゥムランが突然止まり、マリア・ローザを脱ぎ捨てて路肩の草むらに飛び込んでいた。しかし、ライバルたちはレースリーダーを待ちはしなかった。

レースに戻ったドゥムランは、ゴールまで残り30kmでライバルたちからすでに1分遅れていた。戻ってすぐはローレンス・テンダム(チームサンウェブ)がアシストしていたが、ドゥムランはすぐに孤立し、ほとんど1人で峠を越えなければならなくなってしまった。

マリア・ローザ不在の精鋭グループでは、最後の峠でキンタナとニバリが激しい闘いを開始。ゴールまで24kmで、キンタナ、ニバリ、ドメニコ・ポッツォビーボ(アージェードゥゼール・ラモンディアル)、イルヌール・ザカリン(チームカチューシャ・アルペシン)の4人が他の総合上位の選手を蹴落として先行した。

先頭ではランダが山頂まで残り3kmで一人旅を開始し、トップで最後の峠を越えた。しかし、ニバリたちのグループとのタイム差は12秒しかなかった。マリア・ローザのドゥムランは、山頂で2分半遅れていた。

この日のゴールは峠を下った先にあった。そしてニバリはダウンヒルのスペシャリストでもあった。彼はキンタナたちを振り切り、ゴールまで残り12kmで先頭のランダに追いついた。そして最後はカーブがつづくテクニカルなゴールを物ともせず、ランダを打ち負かしてジロで7度目の区間優勝を手中に収めた。

この日逃げ続けて最後に勝利を失ったランダはフィニッシュラインでハンドルを叩いて悔しがっていたが、彼は山岳賞総合でトップに立ち、マリア・アッズーラを獲得している。


■イタリアに今大会初の区間優勝をもたらしたニバリのコメント「完璧な選手の勝利だ。僕はこの長く難しいステージのスタートからゴールまで筋が通っていなければならなかった。最後には攻撃的なクライマーであり、良いダウンヒラーであり、そしてスプリンターでなければいけなかった。

イタリアに最初の区間優勝をもたらすことは考えていなかった。それはとても難しいだろうとわかっていた。チームの助けを得て勝ててうれしいよ。僕は本当に疲れてゴールした。今は総合成績でドゥムランに近づいた。これからまだもっと難しいステージがあるが、ドゥムランにもミラノでの個人タイムトライアルというアドバンテージがある」


5月24日はティラーノからカナッツェーイ(バル・ディ・ファッサ)までの219kmで、中級山岳区間の第17ステージが行われる。
 
MAP : RCS Sport
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■第16ステージ結果[5月23日/ロベッタ~ボルミオ/222km]
1 ビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ/イタリア)6時間24分22秒
2 ミケル・ランダ(チームスカイ/スペイン)
3 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+12秒
4 ドメニコ・ポッツォビーボ(アージェードゥゼール・ラモンディアル/イタリア)+24秒
5 イルヌール・ザカリン(チームカチューシャ・アルペシン/ロシア)+34秒
6 ダヴィデ・フォルモロ(キャノンデール・ドラパックプロフェッショナルサイクリングチーム/イタリア)+1分26秒
7 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード/オランダ)+1分35秒
8 ボブ・ユンゲルス(クイックステップフロアーズ/ルクセンブルク)+1分35秒
9 アダム・イェーツ(オリカ・スコット/オーストラリア)+1分35秒
10 ティボ・ピノー(エフデジ/フランス)+1分35秒
12 スティーフェン・クラウスウェイク(チームロットNL・ユンボ/オランダ)+1分35秒
13 トム・ドゥムラン(チームサンウェブ/オランダ)+2分18秒
■第16ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1 トム・ドゥムラン(チームサンウェブ/オランダ)70時間14分48秒
2 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+31秒
3 ビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ/イタリア)+1分12秒
4 ティボ・ピノー(エフデジ/フランス)+2分38秒
5 イルヌール・ザカリン(チームカチューシャ・アルペシン/ロシア)+2分40秒
6 ドメニコ・ポッツォビーボ(アージェードゥゼール・ラモンディアル/イタリア)+3分05秒
7 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード/オランダ)+3分49秒
8 ボブ・ユンゲルス(クイックステップフロアーズ/ルクセンブルク)+4分35秒
9 スティーフェン・クラウスウェイク(チームロットNL・ユンボ/オランダ)+6分20秒
10 アダム・イェーツ(オリカ・スコット/オーストラリア)+7分00秒
[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):フェルナンド・ガビリア(クイックステップフロアーズ/コロンビア)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):ミケル・ランダ(チームスカイ/スペイン)
■新人賞(マリア・ビアンカ):ボブ・ユンゲルス(クイックステップフロアーズ/ルクセンブルク)
(http://www.giroditalia.it/)
 

第16ステージのハイライト映像


Giro d'Italia 2017 - Stage 16 - Highlights 投稿者 giroditalia