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ジロ・デ・イタリア第11ステージはスペインのフライレが逃げ切って区間初優勝

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100回記念大会のジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月17日にフィレンツェのポンテ・ア・エマからバンニョ・ディ・ロマーニャまでの161kmで、4つの峠を越える第11ステージを競い、スペインのオマール・フライレ(チームディメンションデータ)が逃げグループでのゴールスプリントで元世界チャンピオンのルイ・コスタ(UAE・チームエミレーツ)を下し、区間初優勝を果たした。


26歳のフライレはブエルタ・ア・エスパーニャで一昨年と昨年に山岳賞を獲得しているが、グランツールで区間優勝したのはこれが初めてだった。

総合リーダーのマリア・ローザはオランダのトム・ドゥムラン(チームサンウェブ)が守った。

 

第11ステージは188選手がスタート。イタリアチャンピオンのジャコモ・ニッツォーロ (トレック・セガフレード)はアレルギー性喘息のため、ジロを去った。最初の峠では、ネイサン・ハース(チームディメンションデータ)がリタイアした。

スタートして29kmのパッソ・デッラ・コンスーマ峠の登坂でローレンス・デプルス(クイックステップフロアーズ)とイゴール・アントン(チームディメンションデータ)が抜け出した後、下りで23選手が合流し、25人の逃げ集団が形成された。そこにフライレ、コスタも加わっていた。

25人のうち、総合成績で最も上位だったのはアンドレイ・アマドール(モビスターチーム)で、彼はドゥムランに4分39秒遅れの総合9位でこのステージをスタートしていた。

2つ目のパッソ・デッラ・カッラ峠に差し掛かり、先頭の25人からフライレとミケル・ランダ(チームスカイ)がアタックし、64km地点の山頂で追走集団に2分10秒、マリア・ローザの集団に5分以上のタイム差を付けた。

つづく102.4km地点のパッソ・デル・カルナーロ峠の山頂でも、フライレとランダは追走に2分以上、マリア・ローザの集団に5分以上のタイム差を付けていたが、下りで大きく差が縮まり、120km地点で追走グループに吸収された。この時点で先頭の逃げとマリア・ローザのグループのタイム差はまだ3分以上あった。

ゴールまで残り30kmを切り、カテゴリー2のモンテ・フマイオロ峠で先頭の逃げグループからコスタがアタックし、ピエール・ローラン(キャノンデール・ドラパック)とデプルスが付いていった。マイヨ・ジョーヌ集団はビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ)が引き、ゲラント・トーマス(チームスカイ)とスティーフェン・クラウスウェイク(チームロットNL・ユンボ)が遅れてしまった。

先頭では山頂近くでロランがアタックして先頭に立ったが、フライレに追い越されてしまった。しかし、下りで再び追いついた。コスタは一度後続グループに戻ったが、残り13.5kmの上り坂でふたたびアタックし、先頭のフライレとロランに追いついた。

最後はこの3人でのスプリント勝負になるかと思われたが、フラムルージュの直前でタネル・カンゲルト(アスタナプロチーム)が追いつき、残り数100メートルで他の選手たちも合流。しかし、フライレは何とか逃げ切り、先頭でフィニッシュラインを通過した。

■グランツールで区間初優勝を果たしたフライレのコメント「信じられない1日だった。これ以上よくなることはなかった。スーパーハッピーだよ。長い間夢に見ていた勝利だ。僕は子供の頃からジロに情熱を持っていた。今までで最高の勝利だよ」


5月18日は、フォルリからレッジョ・エミリアまでの234kmで、今大会最長区間の第12ステージが行われる。100回記念大会のジロもすでに日程の半分を消化したが、まだイタリア人選手の区間優勝がないのは残念だ。
 
MAP : RCS Sport
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■第11ステージ結果[5月17日/フィレンツェ(ポンテ・ア・エマ)~バンニョ・ディ・ロマーニャ/161km]

1 オマール・フライレ(チームディメンションデータ/スペイン)4時間23分14秒
2 ルイ・コスタ(UAE・チームエミレーツ/ポルトガル)
3 ピエール・ローラン(キャノンデール・ドラパックプロフェッショナルサイクリングチーム/フランス)
4 タネル・カンゲルト(アスタナプロチーム/エストニア)
5 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(バーレーン・メリダ/イタリア)
6 ベン・ヘルマンス(BMCレーシングチーム/ベルギー)
7 ダリオ・カタルド(アスタナプロチーム/イタリア)
8 シモーネ・ペティッリ(UAE・チームエミレーツ/イタリア)
9 マキシム・モンフォール(ロット・スーダル/ベルギー)+3秒
10 ローレンス・デプルス(クイックステップフロアーズ/ベルギー)+3秒
11 アンドレイ・アマドール(モビスターチーム/コスタリカ)+3秒
18 ティボ・ピノー(エフデジ/フランス)+1分37秒
19 トム・ドゥムラン(チームサンウェブ/オランダ)+1分37秒
20 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+1分37秒
22 ビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ/イタリア)+1分37秒
24 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード/オランダ)+1分37秒
29 スティーフェン・クラウスウェイク(チームロットNL・ユンボ/オランダ)+2分25秒
34 ゲラント・トーマス(チームスカイ/英国)+2分25秒
■第11ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1 トム・ドゥムラン(チームサンウェブ/オランダ)47時間22分07秒
2 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+2分23秒
3 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード/オランダ)+2分38秒
4 ティボ・ピノー(エフデジ/フランス)+2分40秒
5 ビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ/イタリア)+2分47秒
6 アンドレイ・アマドール(モビスターチーム/コスタリカ)+3分05秒
7 ボブ・ユンゲルス(クイックステップフロアーズ/ルクセンブルク)+3分56秒
8 タネル・カンゲルト(アスタナプロチーム/エストニア)+3分59秒
9 ドメニコ・ポッツォビーボ(アージェードゥゼール・ラモンディアル/イタリア)+4分05秒
10 イルヌール・ザカリン(チームカチューシャ・アルペシン/ロシア)+4分17秒
12 スティーフェン・クラウスウェイク(チームロットNL・ユンボ/オランダ)+6分07秒
14 ゲラント・トーマス(チームスカイ/英国)+6分21秒
[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):フェルナンド・ガビリア(クイックステップフロアーズ/コロンビア)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):ヤン・ポランツェ (UAE・チームエミレーツ/スロベニア)
■新人賞(マリア・ビアンカ):ボブ・ユンゲルス(クイックステップフロアーズ/ルクセンブルク)
(http://www.giroditalia.it/)
 

第11ステージのハイライト映像


Giro d'Italia - Stage 11 - Highlights 投稿者 giroditalia