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エトナ山頂ゴールのジロ・デ・イタリア第4ステージはポランツェが逃げ切り優勝! マリア・ローザはユンゲルスが獲得

レース
 
100回記念大会のジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月9日にシチリア島のチェファルから標高1892メートルのエトナ山山頂までの181kmで第4ステージを競い、スロベニアのヤン・ポランツェ (UAE・チームエミレーツ)が逃げ切り、2015年につづいて2度目のジロ区間優勝を果たした。彼はエトナ山頂ゴールで35ポイントを獲得し、山岳賞のマリア・アッズーラも獲得した。

メイン集団は29秒後にゴール。この日のスタート時点に総合4位だったルクセンブルクチャンピオンのボブ・ユンゲルス(クイックステップフロアーズ)もこの集団でゴールし、総合首位に立って2年連続でマリア・ローザにソデを通した。

レース終了後、スペインのハビエル・モレノ(バーレーン・メリダ)は、競技中のディエゴ・ローザ(チームスカイ)に対する暴力行為で失格になった。
 
 
休養日明けの第4ステージは195選手がスタート。2km地点でパヴェル・ブルット(ガスプロム・ルスベロ)、ジャック・イャンスファンレンスブルフ(チームディメンションデータ)、エウジェニオ・アルファーチ(トレック・セガフレード)、ポランツェが逃げ出し、44km地点で集団に5分半のタイム差を付けた。スタートは高速レースとなり、最初の1時間の平均時速は50.9km/hだった。

集団はマリア・ローザのフェルナンド・ガビリアを擁したクイックステップフロアーズがコントロール。この日最初の峠越えだった標高1524メートルでカテゴリー2のポルテッラ・フェンミナ・モルタ峠の途中で、タイム差は最大8分以上に開いた。

メイン集団ではオーストラリアのローハン・デニス(BMCレーシングチーム)が棄権し、今年のジロで最初のリタイアになった。彼は第3ステージで落車し、5分以上遅れてゴールしていた。

90km地点のポルテッラ・フェンミナ・モルタ峠(カテゴリー2)はヤンセバンレンスブルクが先頭で通過し、ポランツェが続いた。集団は6分23秒後にマリア・アッズーラを着たエリトリアのダニエル・テクレハイマノット(チームディメンションデータ)が先頭で通過した。

ポルテッラ・フェンミナ・モルタ峠を下りきった後、アラファチが遅れて先頭は3人になった。残り30kmでブルットも力尽き、先頭はポランツェとイャンスファンレンスブルフの2人になったが、集団はまだ5分後方だった。

ゴールまで残り18kmでエトナ山の登坂が始まった時、先頭の2人とメイン集団のタイム差は4分を切っていた。ここでポランツェはイャンスファンレンスブルフを置き去りにして、一人旅を開始した。集団ではコーナーで先頭のガビリアが道を間違えた混乱で落車が発生し、イルヌール・ザカリン(チームカチューシャ・アルペシン)やスティーフェン・クラウスウェイク(チームロットNL・ユンボ)が巻き込まれたが、大事には至らなかった。

ポランツェが残り12.4km地点を上っている時、集団からピエール・ローラン(キャノンデール・ドラパックプロフェッショナルサイクリングチーム)がアタックして先行した。

スペインのミケル・ランダ(チームスカイ)は残り10kmでパンクに見舞われて一時メイン集団から遅れたが、チームメートのお陰で2km先で追いつくことができた。飛び出していたローランは残り5.5kmでメイン集団に吸収された。

強い向かい風が吹き荒れるエトナ山をポランツェは単独で上り続けた。ゴールまで残り4kmで、メイン集団とのタイム差は2分を切っていた。集団では残り2.5kmでビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ)がアタックしたが、アンドレイ・アマドール(モビスターチーム)が引く集団にすぐ吸収された。

ポランツェがフラム・ルージュを通過する前に、集団からはザカリンがアタックし、単独でポランツェを追いかけたが、タイム差はまだ1分近くあった。ポランツェは何とか逃げ切り、ザカリンに19秒差を付けたまま両手を上げてゴールに飛び込んだ。

第2ステージ終盤にパンクで遅れて20秒を失っていたザカリンは、メイン集団より10秒先行してゴールし、ボーナスタイムも獲得して遅れを取り戻した。


■区間優勝したポランツェのコメント「逃げはたった4人だった。そのうちの2人はもう限界だったから、上りのふもとで彼らを蹴落とすのは難しくはなかった。難しかったのは、集団との差を保つことだった。僕は最後の数100メートルでできる限りの力を出さなければならなかった。優勝候補たちが追いついて来ているのはわかっていたからね。

このステージのことは、ここでチームのトレーニングキャンプをした時に考えていた。だからもし捕まったら、チームのエースのために僕はそこにいることになるだろうとわかっていた。今日ここで勝つのは、2年前のアベトーネよりもずっと難しかった。エトナの上りはずっと険しく、風がとても強かったからだ」

シチリア島最終日の5月10日は、ペダーラからニバリの故郷メッシーナまでの159kmで第5ステージが行われる。前半は峠越えが続くが、後半は平坦で、集団ゴールスプリントになるだろうと予想されている。
 
MAP : RCS Sport
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■第4ステージ結果[5月9日/チェファル~エトナ/181km]
1 ヤン・ポランツェ (UAE・チームエミレーツ/スロベニア)4時間55分58秒
2 イルヌール・ザカリン(チームカチューシャ・アルペシン/ロシア)+19秒
3 ゲラント・トーマス(チームスカイ/英国)+29秒
4 ティボ・ピノー(エフデジ/フランス)+29秒
5 ダリオ・カタルド(アスタナプロチーム/イタリア)+29秒
6 トム・ドゥムラン(チームサンウェブ/オランダ)+29秒
7 ボブ・ユンゲルス(クイックステップフロアーズ/ルクセンブルク)+29秒
8 アダム・イェーツ(オリカ・スコット/英国)+29秒
9 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード/オランダ)+29秒
10 ビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ/イタリア)+29秒
11 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+29秒
12 シモーネ・ペティッリ(UAE・チームエミレーツ/イタリア)+29秒
13 ドメニコ・ポッツォビーボ(アージェードゥゼール・ラモンディアル/イタリア)+29秒
14 ピエール・ローラン(キャノンデール・ドラパックプロフェッショナルサイクリングチーム/フランス)+29秒
15 ティージェイ・ヴァンガードレン (BMCレーシングチーム/米国)+29秒
20 スティーフェン・クラウスウェイク(チームロットNL・ユンボ/オランダ)+29秒
160 フェルナンド・ガビリア(クイックステップフロアーズ/コロンビア)+25分37秒
■第4ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1 ボブ・ユンゲルス(クイックステップフロアーズ/ルクセンブルク)19時間41分56秒
2 ゲラント・トーマス(チームスカイ/英国)+6秒
3 アダム・イェーツ(オリカ・スコット/英国)+10秒
4 ビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ/イタリア)+10秒
5 ドメニコ・ポッツォビーボ(アージェードゥゼール・ラモンディアル/イタリア)+10秒
6 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+10秒
7 トム・ドゥムラン(チームサンウェブ/オランダ)+10秒
8 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード/オランダ)+10秒
9 ミケル・ランダ(チームスカイ/スペイン)+10秒
10 ティボ・ピノー(エフデジ/フランス)+10秒
11 ティージェイ・ヴァンガードレン (BMCレーシングチーム/米国)++10秒
14 イルヌール・ザカリン(チームカチューシャ・アルペシン/ロシア)+14秒
15 スティーフェン・クラウスウェイク(チームロットNL・ユンボ/オランダ)+23秒
[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):アンドレ・グライペル(ロット・スーダル/ドイツ)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):ヤン・ポランツェ (UAE・チームエミレーツ/スロベニア)
■新人賞(マリア・ビアンカ):ボブ・ユンゲルス(クイックステップフロアーズ/ルクセンブルク)
(第4ステージはアダム・イエーツが着用)
(http://www.giroditalia.it/)
 










第4ステージのハイライト映像


Giro d'Italia - Stage 4 - Highlights 投稿者 giroditalia