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横風で集団が分断したジロ・デ・イタリア第3ステージはガビリアが区間優勝してマリア・ローザも獲得

レース
 
100回記念大会のジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月7日にトルトリからカーリアリまでの148kmで第3ステージを競い、コロンビアのフェルナンド・ガビリア(クイックステップフロアーズ)が区間初優勝し、ボーナスタイムで総合首位に立ってマリア・ローザも獲得した。


サルデーニャ島最終日の第3ステージは195選手が出走。スタートしてすぐにヤン・トラットニック(CCC・スプランディ・ポルコウィチェ)、クリスティアン・ズバラーリ(チームディメンションデータ)、イワン・ロヴニー(ガスプロム・ルスベロ)、エウゲルト・ズパ(ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア)が逃げ出し、5km地点でロット・スーダルがコントロールする集団に3分差を付けた。

しかし、この日は距離が150km以下と短かったこともあり、タイム差は大きく開かなかった。ズバラリは34.6km地点に設定されていた中間スプリント地点をトップで通過した後、集団に戻り、逃げは3人になった。

ゴールまで35kmを過ぎた後、ロシアのイルヌール・ザカリン(チームカチューシャ・アルペシン)が機材トラブルで遅れる場面があったが、今回はチームメートの働きで集団に戻ることができた。

ゴールまで残り26kmで、最後まで逃げ続けていたトラトニクが集団に吸収された後、コースは海岸沿いの横風が強いエリアに突入した。そして残り10kmで風のレースを得意とするベルギーのクイックステップフロアーズが集団の先頭を引き始め、ルクセンブルクチャンピオンのボブ・ユンゲルス(クイックステップフロアーズ)が加速し、集団を分断する作戦を開始した。

すぐに先頭は10数人のグループになり、そこにはクイックステップフロアーズの選手が6人加わり、区間優勝を狙うガビリアも加わっていた。この展開を予期していたマリア・ローザのアンドレ・グライペル(ロット・スーダル)も加わっていたが、不運にも機材トラブルに見舞われ、残り9kmで先頭グループから脱落してしまった。

6人のクイックステップフロアーズの選手がコントロールする先頭グループには、イタリアチャンピオンのジャコモ・ニッツォーロ (トレック・セガフレード)、ネイサン・ハース(チームディメンションデータ)、ルディガー・ゼーリッヒ (ボーラ・ハンスグローエ)、ベラルーシチャンピオンのカンスタンティン・シウツォウ(バーレーン・メリダ)が加わっていた。10人はゴールまで残り6kmでマリア・ローザの集団に20秒差を付けていた。

カーリアリの街中に入っても、タイム差はまだ15秒あった。仕事を終えたクイックステップフロアーズの選手たちが消え、7人に減った先頭グループはユンゲルスを先頭に残り1kmを通過。最後は長く伸びた先頭グループの後方からハースがロングスパートを仕掛けたが、すぐにマクシミリアーノ・リチェセ(クイックステップフロアーズ)とニッツォーロが後方に付けた。

その後方からガビリアがスパートし、他を寄せ付けることなく大差を付けてフィニッシュラインを通過し、22歳でグランツール区間初優勝を手中に収めた。ガビリアはコロンビアから家族が応援に来ていて、ゴール後は彼らと喜びを分かち合っていた。

マリア・ローザの集団は13秒後にゴール。第2ステージの総合成績でグライペルとガビリアのタイム差は14秒差だったが、ガビリアは区間1位で10秒のポーナスタイムを獲得したため、総合首位に立ってマリア・ローザを着ることができた。

■区間初優勝してマリア・ローザも獲得したガビリアのコメント「横風でのアタックは計画していなかった。集団が点火するのに備えて、僕たちは前にいたかった。強いチームだから、主導権を握ることができた。前に6人いて、他のチームを上回っていた。集団が分断したのを見たとき、エンジン全開で行ったんだ。

2日間は足の調子が悪かった。あるいは、調子はよかったけど、他の選手たちの方がもっとよかった。ジロの第1ステージの準備をするために、僕は家でたくさんの犠牲を払っていたから、それは苦い体験だった。今は休養日を楽しめるよ。僕はマリア・ローザを休養日と第4ステージの2日間持てるからね」
 

 
 
第3ステージ終了後、選手たちはサルデーニャ島を離れ、空路でシチリア島へ移動。5月8日は最初の休養日になる。

5月9日はシチリア島が舞台となる山岳ステージで、チェファルをスタートして標高1892メートルのエトナ山山頂にゴールする181kmの第4ステージが行われる。コース中盤には、まず標高1524メートルでカテゴリー2のポルテッラ・フェンミナ・モルタ峠を越えなければならない。上りの全長32.8kmで、平均勾配4.5%、最大勾配8%だ。

ゴールのエトナ山の登坂は全長17.9km、平均勾配6.6%で、最大勾配は12%。2011年にゴールになったときは、スペインのアルベルト・コンタドールが優勝した(※後に剥奪された)。
 
MAP : RCS Sport
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■第3ステージ結果[5月7日/トルトリ~カーリアリ/148km]

1 フェルナンド・ガビリア(クイックステップフロアーズ/コロンビア)3時間26分33秒
2 ルディガー・ゼーリッヒ (ボーラ・ハンスグローエ/ドイツ)
3 ジャコモ・ニッツォーロ (トレック・セガフレード/イタリア)
4 ネイサン・ハース(チームディメンションデータ/オーストラリア)
5 マクシミリアーノ・リチェセ(クイックステップフロアーズ/アルゼンチン)
6 カンスタンティン・シウツォウ(バーレーン・メリダ/ベラルーシ)+3秒
7 ボブ・ユンゲルス(クイックステップフロアーズ/ルクセンブルク)+3秒
8 カレブ・イーウェン(オリカ・スコット/オーストラリア)+13秒
9 サーシャ・モドロ(UAE・チームエミレーツ/イタリア)+13秒
10 アンドレ・グライペル(ロット・スーダル/ドイツ)+13秒
■第3ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1 フェルナンド・ガビリア(クイックステップフロアーズ/コロンビア)14時間45分16秒
2 アンドレ・グライペル(ロット・スーダル/ドイツ)+9秒
3 ルーカス・ポストルベルガー(ボーラ・ハンスグローエ/オーストリア)+13秒
4 ボブ・ユンゲルス(クイックステップフロアーズ/ルクセンブルク)+13秒
5 カンスタンティン・シウツォウ(バーレーン・メリダ/ベラルーシ)+13秒
6 カレブ・イーウェン(オリカ・スコット/オーストラリア)+17秒
7 ロベルト・フェラーリ(UAE・チームエミレーツ/イタリア)+17秒
8 ライアン・ギボンズ(チームディメンションデータ/南アフリカ)+23秒
9 エンリーコ・バッタリーン(チームロットNL・ユンボ/イタリア)+23秒
10 サーシャ・モドロ(UAE・チームエミレーツ/イタリア)+23秒
11 ゲラント・トーマス(チームスカイ/英国)+23秒
12 ビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ/イタリア)+23秒
13 アダム・イェーツ(オリカ・スコット/英国)+23秒
14 ドメニコ・ポッツォビーボ(アージェードゥゼール・ラモンディアル/イタリア)+23秒
17 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+23秒
19 トム・ドゥムラン(チームサンウェブ/オランダ)+23秒
36 スティーフェン・クラウスウェイク(チームロットNL・ユンボ/オランダ)+36秒
43 イルヌール・ザカリン(チームカチューシャ・アルペシン/ロシア)+43秒
[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):アンドレ・グライペル(ロット・スーダル/ドイツ)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):ダニエル・テクレハイマノット(チームディメンションデータ/エリトリア)
■新人賞(マリア・ビアンカ):フェルナンド・ガビリア(クイックステップフロアーズ/コロンビア)
(http://www.giroditalia.it/)
 








第3ステージのハイライト映像


Giro d'Italia - Stage 3 - Highlights 投稿者 giroditalia