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宇都宮クリテリウムで国内ロードレースのシーズン幕あけ! 仁義なきスプリント対決を制したマトリックスパワータグ吉田が初戦V!

レース
3月18日(土)、第4回目となるJBCF宇都宮クリテリウムが開催された。今年もいよいよロードレースシーズンの幕あけだ。自転車の街としても名高い栃木県宇都宮市にある清原工業団地内を使用して行われたクリテリウムは、1周3kmのコースで競われ、1万人もの観客が会場に詰めかけた。
 
text&photo:滝沢佳奈子

Jプロツアーレース初戦はマトリックスパワータグの吉田隼人が制す

吉田がスプリントを制す
3月18日(土)、暖かい春の日差しが降り注ぐ中で行われた宇都宮クリテリウム。日本のトップレーサーが会するJプロツアーの開幕戦に位置付けられている。今年のJプロツアーのレースは、日本全国で行われる全22戦で個人総合優勝のルビーレッドジャージやチーム総合の座が争われることに。初戦である宇都宮クリテリウムの優勝者は、今年のルビーレッドジャージに最初にソデを通すこととなる。トップカテゴリーPのほか、エリートカテゴリーE1~E3、フェミニン(F)のレースが行われた。
 
Pカテゴリーは午前中に2組に分かれて予選が行われ、それぞれ上位50人が決勝に進んだ。午後12時30分ちょうど、決勝戦は地元栃木のチームが前方に並んでスタートが切られた。1周目から逃げに乗りたいチームが集団前方に位置し、タイミングを図る。しかし、少人数での逃げグループが若干の差を空けたかと思いきやなかなか集団はそれを許さない。
マトリックスパワータグが集団前方で位置取りする
各チームが攻撃を仕掛けるが、なかなか逃げが決まらない
5、10、15周回目にはスプリントポイントが設定され、5周回目は愛三工業レーシングチームの原田裕成が、10周回目はキナンサイクリングチームの中島康晴、15周回目は地元宇都宮ブリッツェンの鈴木譲が獲得した。20周回の合計60kmでレースは行われたが、それぞれのチームが逃げを送っては他のチームが潰し、という攻防が続き、逃げが決まらないまま終盤を迎えた。シマノレーシングの横山航太や那須ブラーゼンの新城銀二などが一人で飛び出すなどの場面も見られたが、半周しない内に集団に吸収されてしまう。

ラスト2周、各チームが集団スプリントに向けて隊列を組み始める。ラスト1周も前方での位置取り争いが続く。ラスト1kmの所でマトリックスパワータグの土井雪広が集団先頭に立ち、加速。その後ろにはチームメイトのアイラン・フェルナンデス、今日のレース大本命のスプリンター吉田隼人を引き連れる。ラスト500mまで土井が引き、フェルナンデスにバトンタッチ。最後の直線150mを残すラストコーナーまでフェルナンデスが引き、吉田の猛スプリント。他を寄せ付けず、真っ先にフィニッシュラインを超えた吉田が咆哮を上げた。
 

自分が一番強いと思ったので、後ろ見ることもなくそのまま行きました(吉田)

ルビーレッドジャージの吉田と、今回4位に入った水谷翔(シマノレーシング)がU23リーダーのピュアホワイトジャージにソデを通す
中間スプリント賞を獲得した原田、鈴木、中島
スプリントで2位に入った雨乞竜己(キナンサイクリングチーム)は「明らかに力負けだったので仕方ないかなと思います。今日1戦目で2位ですがある程度力を見せることができて良かったです。」と話した。続いて3位に入った住吉宏太(愛三工業レーシングチーム)は「チームメイトが最後引っ張ってくれたので、自分があとはもがくだけだった。優勝できれば良かったんですけど、最低限良かったです。明日のロードレースはコースがきついらしいんですけど、優勝目指して頑張ります」と初戦を締めくくった。
 
優勝した吉田は、「監督今日来てないんですけど、しっかり今日は僕一本っていうので外人選手も動いてくれました。僕が乗らない逃げは全部潰すようにしてもらって、みんなに感謝ですね。」と満足げな様子で話した。最後のスプリントについては、「メンバー的に見ても自分が一番強いと思ったので、後ろ見ることもなくそのまま行きました。」と自信のほどをのぞかせた。明日初めて開催される宇都宮ロードレースについても、「チーム全体的にコンディションも悪くないんで、楽しいレースができると思います。」と語った。

■宇都宮クリテリウムP1決勝リザルト
1  吉田 隼人 マトリックスパワータグ 1:19:41
2  雨乞 竜己 KINAN Cycling Team 1:19:42
3  住吉 宏太 愛三工業レーシングチーム 1:19:42 
4  水谷 翔 シマノレーシング 1:19:42
5  鈴木 譲 宇都宮ブリッツェン 1:19:42
6  渡邊 翔太郎 愛三工業レーシングチーム 1:19:42
7  大前 翔 東京ヴェントス 1:19:42
8  増田 成幸 宇都宮ブリッツェン 1:19:42
8  小野寺 玲 宇都宮ブリッツェン 1:19:42
10 岡 篤志 宇都宮ブリッツェン 1:19:43

ロードレースは、以前ジャパンカップのコースとしても使用されていた鶴カントリークラブ周辺特設コース、1周6.4kmの12周回で競われる。トップカテゴリーのレースは12時30分がスタート。こちらも見逃せない。

 

フェミニンも圧巻のスプリントでライブガーデンビチステンレの吉川美穂が3連覇!

喜びを語る吉川
午前中に行われたフェミニンのレースでも初戦から激しい闘いが繰り広げられた。最初に飛び出したのは、昨年のフェミニンの総合リーダーの座を獲得した弱虫ペダルサイクリングチームの唐見実世子。単独で逃げるも集団に飲み込まれてしまう。その後、ライブガーデンビチステンレのチーム攻撃が開始される。「最初から攻撃していってもみんな脚あるので。みんなが動いて、おさまってから行くようにオーダーを出していて、レースの展開次第で臨機応変に。伊藤(杏菜)も福本(千佳)も本当によく動いてくれたと思います。本当に助かりました。」と語るのは、今季からスペインのチーム、ビスカヤ・ドゥランゴとも契約を結ぶ吉川美穂(ライブガーデンビチステンレ)。

完璧なチームプレーによりライバルたちの脚をどんどん削っていく。決定的な逃げが決まらないまま、最終周回のラストコーナーを回ってくる。過去2連覇を果たしている吉川は、その時点で5番手ほどに位置していた。「フィニッシュラインまで踏み切ろうと決めていました。今日は絶対勝てるっていう確信がなかったので、とにかく最後まで力を出し切ろうと思って走りました。」と話した吉川は、得意のスプリントで集団のトップに躍り出て、そのまま3連覇を決め、両手を高く上げた。
 
序盤に単独で逃げる唐見
チームでの勝利、地元での勝利に喜ぶ
昨年の10月からレースのスケジュールがびっしりと詰まっていたと話す吉川。先日バーレーンで行われたアジア選手権の後、2週間ほど空いたという。「そこで一気に気持ちが切れちゃって、持ち直すのがすごい大変でした。」と話す。しかし、「今日は本当に勝てて良かった。ホッとしました。今年、スプリントは自分しかいなかったので、去年より緊張していました。」と笑顔を見せた。日本国内でのスプリントでは敵なしのように思われたがそうではなかったようだ。

「去年まで結構その自信があったんですけど、アジア選手権でポキっと折れちゃったんで。一回気持ち入れ替えて、磨きかけていきたいですね。」今後について、「今年はスペインのチームにも入るので、そっちのチームでもしっかり認めてもらえるように。世界選手権に出られるだけのUCIポイントはおそらく獲得できたので、そこからまた選んでいただけるように今年一年、1ランク、2ランク上げていきたいです。スペインのチームでは、ワールドツアーが初戦なんですけど、結構厳しいレースなので、後半の世界選手権に向けて調子上げていけたら一番いいかなと思っています。1年目なのでリズムつかむまでなんとも言えないですけど。」と語った。
 
■宇都宮クリテリウムF決勝リザルト
1 吉川 美穂 Live GARDEN BICI STELLE 38:13
2 岡本 二菜 日本体育大学 38:13
3 唐見 実世子 弱虫ペダル サイクリングチーム 38:13
4 金子 広美 イナーメ信濃山形-F 38:14
5 樫木 祥子 AVENTURA AIKOH VICTORIA RACI 38:14
6 高橋 瑞恵 イナーメ信濃山形-F 38:14
7 福田 咲絵 フィッツ 38:14
8 新川 明子 ブラウ・ブリッツェン 38:15
9 野口 佳子 FORCE 38:15
10 福本 千佳 Live GARDEN BICI STELLE 38:15

宇都宮ロードレース、フェミニンは午前11時10分スタートで6.4km×4周の25.6kmで行われる。こちらも注目だ。