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第3回伊勢志摩サイクリングフェスティバル。サミット開催地を実走取材!

イベント
11月最後の週末、三重県志摩市を舞台に「第3回伊勢志摩サイクリングフェスティバル」が開かれた。「志摩スペイン村」の園内を走れることと伊勢志摩のグルメを堪能できることが、この大会の大きなウリ。初心者から上級者まで、約1000人の参加者を集める人気大会を実走取材!

text●西村裕貴 photo●益田和久、西村裕貴
主催者●伊勢志摩サイクリングフェスティバル実行委員会
後援●三重県、三重県観光連盟、日本サイクリング協会
開催日●2016年11月27日(日)
http://www.iseshima-cycling.jp

 

伊勢志摩のリアス式海岸を行く


2016年5月、第42回先進国首脳会議、通称「伊勢志摩サミット」が開催されたことで、注目を集めた三重県志摩市。そんな志摩市で第3回目となる「伊勢志摩サイクリングフェスティバル」が開催。三重県や愛知県、関西地方を中心に事前申込者は1085人に上った(当日出走者は932人)。東海3県では、1000人を越える規模のライドイベントは少なく、同エリアを代表するイベントのひとつといえる。

市内の地形は、英虞(あご)湾や的矢湾など狭い湾が複雑に入り込んだリアス式海岸が続き、湾内には小刻みなアップダウンが多く。コースの全長は約43km、獲得標高差は約350mながら、初心者にとっては侮れないコース設定だ。志摩市内には、磯部大王自転車道と呼ばれるサイクリングロードが整備されており、コースの一部はその自転車道を通過する。

 
会場にはビアンキのブースも出展。「スペシャリッシマ」「オルトレ」をはじめ2017年最新モデルを一挙展示
会場にはビアンキのブースも出展。「スペシャリッシマ」「オルトレ」をはじめ2017年最新モデルを一挙展示
932人の参加者が志摩スペイン村からスタート!ロードレーサーから軽快車まで思い思いのスタイルで走る
932人の参加者が志摩スペイン村からスタート!ロードレーサーから軽快車まで思い思いのスタイルで走る

志摩スペイン村を走れる唯一のイベント

大会名誉会長の竹内千尋・志摩市長がスターターとなり、午前8時10分より、順次参加者が「志摩スペイン村」をスタート。

スタート直後は、開園前の園内を走る。ふだんは遊園地として営業しているので、もちろん自転車で走行できない。この大会でしかできない貴重な体験に、自転車を止めて記念撮影をする参加者の姿も目立った。

スペイン村を後にすると、志摩市内に整備されている磯部大王自転車道に入る。参加者は時折見える的矢湾を眺めながら進んでいく。

 
大会名誉会長の竹内志摩市長
大会名誉会長の竹内志摩市長
志摩スペイン村の園内を走れるのもこの大会ならでは、絶叫マシーンをバックに進む
志摩スペイン村の園内を走れるのもこの大会ならでは、絶叫マシーンをバックに進む
大会では、ビアンキのクロスバイク・カメレオンテをレンタサイクルとして貸し出ししていた(先着10名)。大会以外でも、志摩市ではレンタサイクルでビアンキのバイクに乗ることが可能
大会では、ビアンキのクロスバイク・カメレオンテをレンタサイクルとして貸し出ししていた(先着10名)。大会以外でも、志摩市ではレンタサイクルでビアンキのバイクに乗ることが可能

見学できる灯台「安乗崎灯台」

第1エイドは、安乗崎(あのりざき)灯台。この灯台は、2つの珍しい特徴がある。灯台の建物が四角い形状をしていることと灯台の中が見学できることだ。日本国内にある3000基以上の灯台の中で、見学できる灯台は15基しかない。灯台の上から眺める的矢湾の絶景は伊勢志摩エリアでも随一の光景だ。参加者の中には実際に見学をしている人もいた。

安乗という名前には、「安」全に「乗」る、という意味が込められており、灯台から1kmほど行った安乗神社には、自転車の絵柄をあしらった交通安全のお守りも販売されていた。参加者の中には、サイクリングのついでに買い求める姿も。

スタートは8時台で足切り時刻は、13時と5時間近く走行時間が設けられているので、寄り道をしながらでも十分に完走できる。

途中、県内のサーフィンスポットのひとつである「国府白浜」を通過。ここでは、海岸に設けられた堤防上を走るルートが設定され、自転車を海岸に下ろして記念撮影をする光景も見られた。潮風を浴びながらのサイクリングは、とても気持ちいい。

 
写真左上が安乗崎灯台
写真左上が安乗崎灯台
安乗崎エイドで志摩産のふぐ汁を楽しむ参加者。「このイベントではおそろいの黄色いヘルメットをかぶるんです。他の参加者からも声をかけられます!」 
安乗崎エイドで志摩産のふぐ汁を楽しむ参加者。「このイベントではおそろいの黄色いヘルメットをかぶるんです。他の参加者からも声をかけられます!」 
安乗神社の交通安全お守り(500円)。ぜひ手に入れよう
安乗神社の交通安全お守り(500円)。ぜひ手に入れよう
国府白浜の海岸沿いを進む参加者たち。サーフィンスポットとしても有名
国府白浜の海岸沿いを進む参加者たち。サーフィンスポットとしても有名

伊勢志摩サミットのメイン会場「賢島」を走る

第2エイドの「神明漁港」では、地元の海藻を使った「志摩あられ」や「スポーツようかん」がふるまわれた。エイドからは、伊勢志摩サミットの会場となった「志摩観光ホテル」や賢島大橋を臨むことができる。

賢島から志摩半島へ戻ると、ゴールまではあと10km。交通量の少ない”抜け道” 県道61号線を通って、スペイン村へと戻る(クルマが通行する可能性はあるので、要注意)。

イベントでは、交通量の少ない道を選んでコースを選定しているので、参加者は安心して走ることができる。海沿いのルートだけでなく、狭い路地裏もコースの一部に組み込まれており、さまざまな道のバリエーションを楽しめるのだ。

 
賢島と志摩半島を結ぶ賢島大橋を渡る。橋の下に見えるのは真珠の”養殖用いかだ”
賢島と志摩半島を結ぶ賢島大橋を渡る。橋の下に見えるのは真珠の”養殖用いかだ”
”抜け道”の県道61号線を進む。思っていた以上にアップダウンが多かった
”抜け道”の県道61号線を進む。思っていた以上にアップダウンが多かった

お昼前にゴールして、ゆっくりと家路へ

12時前には、ゴール地点のスペイン村に到着。ゴール後はお楽しみの手ごね寿司とあおさのみそ汁。ライドで冷えた体を温めてくれる。

大会の足切り時刻は13時なので、近鉄特急や新幹線を使えば、大阪や東京方面へも早ければ夕方には到着可能だ。浮いた時間で、志摩市で温泉に入りゆっくりするもよし、ちょっと足を伸ばして伊勢神宮にいくもよし。

今回、三重県出身の西村は、地元での取材ということもあり、今大会を楽しみにしていた。伊勢志摩エリアは過去何十回と訪れているが、参加者の皆さんと自転車で走ってみると、海岸線と山々の織りなす景色に、改めて感動した。おそらく、天気がよければさらに素晴らしい景色が広がっていたに違いない。

最後に気になったことを1点記しておきたい。大会当日は前夜の雨の影響もあり、路面に砂利がたまり、パンクも多発していた。マヴィックカーが随行しているとはいえ、参加者はチューブやポンプなど最低限の装備は携行してほしい。

また、今回は利用できなかったが、大会の開催時に合わせて、近畿日本鉄道がサイクルトレインを特別運行している。来年も開催される可能性が高いので、参加する予定のある人はチェックしてみよう。

 
第1回大会より、マヴィックカーも随行。パンクなどのトラブルにも迅速に対応してくれる
第1回大会より、マヴィックカーも随行。パンクなどのトラブルにも迅速に対応してくれる
ゴール後は、伊勢志摩エリアの郷土料理”てこね寿司”と”あおさ汁”がふるまわれた。てこね寿司には、酢飯の上にカツオの切り身が盛りつけられている
ゴール後は、伊勢志摩エリアの郷土料理”てこね寿司”と”あおさ汁”がふるまわれた。てこね寿司には、酢飯の上にカツオの切り身が盛りつけられている