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ブエルタ第15ステージはコンタドールとキンタナの奇襲でフルームが遅れた! 区間優勝はブランビッラ

レース
 
第71回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、9月4日にサビニャニゴからカテゴリー1のサレント・デ・ガレゴ(アラモン・フォルミガル)山頂までの118.5kmで山岳区間の第15ステージを競い、イタリアのジャンルーカ・ブランビッラ(エティックス・クイックステップ)が区間初優勝した。

リーダージャージのマイヨ・ロホを着たコロンビアのナイロ・キンタナ(モビスター)は、スタートしてたった6kmでアタックしたアルベルト・コンタドール(ティンコフ)の逃げに加わって終日先行し、区間2位でゴール。遅れを取った総合2位のクリストファー・フルーム(チームスカイ)に3分近いタイム差を付けることに成功した。

これで総合首位のキンタナと総合2位のフルームのタイム差は、いっきに3分37秒差にまで開いた。

区間優勝を狙って奇襲を仕掛けた当のコンタドールは、ゴールまで残り1.6kmで先頭のキンタナとブランビッラに付いて行けず、結局区間6位でレースを終えている。しかし、彼は総合成績で6位から4位に浮上した。


この日は日本の別府史之(トレック・セガフレード)と新城幸也(ランプレ・メリダ)を含めた91選手が、ゴールの制限時間よりも23分遅い53分54秒遅れでゴールし、ルール上は全員タイムアウトになるところだったが、競技審判により救済されている。
 
 
第15ステージは118.5kmと短い距離の山岳区間だったが、予想外の展開になった。スタートして6kmでコンタドールが自らアタックし、14人の逃げ集団を作った。そこにキンタナはアシストのホナタン・カストロビエホとルベン・フェルナンデスを従えて加わっていた。

この奇襲をまんまと食らってしまったフルームは、アスタナやオリカ・バイクエクスチェンジとともに先頭グループを追ったが、不運にもその追走グループに彼のアシストは一人も加わっていなかった。

中盤で3分にまで開いたタイム差を、追走グループはカテゴリー2のコテファブロ峠で1分45秒にまで縮めた。しかし、その後のダウンヒルでタイム差はふたたび2分半にまで開いてしまった。

スキーリゾート施設のアラモン・フォルミガルへと向かう最後の登坂が始まったとき、キンタナとコンタドールのグループは追走に2分差を付けていた。

キンタナは自ら先頭を引いて最後の上り坂を上り続け、そのタイム差をしっかりとキープした。その頃、追走グループでは孤軍奮闘を強いられていたフルームが遅れ始めていた。

ゴールまで残り2.3kmで、先頭はキンタナ、ブランビッラ、コンタドールの3人になったが、区間優勝を狙っていたコンタドールは残り1.6kmで後退した。

最後はキンタナの後ろをずっと走っていたブランビッラがゴール手前150メートルでスパートし、まんまと区間初優勝をかっさらった。ブランビッラは今年のジロ・デ・イタリアの第8ステージでグランツール区間初優勝を上げていて、今季2つのグランツールで区間優勝した4選手の1人になった。


第15ステージを31分24秒の制限時間内で完走した選手はたった71人で、53分54秒遅れのグルッペットとその前にゴールした2選手を含めた93選手がルール上はタイムアウトになるはずだった。しかし、競技審判は主催者と協議し、もしも第16ステージをスタートする選手がたった71人になってしまったら、自転車競技のイメージを損なうことになると判断。93選手の救済を決めた。

もし、93選手がタイムアウトになっていたら、英国のチームスカイはフルーム1人しか残らなくなり、フランスのディレクトエネルジーは全員がブエルタを去ることになっていた。タイムアウトを逃れた93選手は、UCIルールに定められていた通り、ペナルティとしてポイント賞の総合成績から25ポイントが減算された。


■区間初優勝したブランビッラのコメント「最も厳しく、同時に最も素晴らしいステージだった。僕は逃げにグランツールの総合を争うリーダーとしては加わっていなかった。だからその視点からは楽しむことができた。僕はスタート直後からアタックした選手の1人で、ダビド(デラクルス)と一緒にエンジン全開で走った。ゴールまで休む暇さえなかったよ」

■ライバルのフルームとのタイム差を広げたキンタナのコメント「我々が期待していた以上にうまくいった。正直言って、最後には何か動きがあると思っていた。しかし、実際に何が起こるかわからないものだ。我々は昨日の大きな山岳ステージよりもここで大差を付けた」

■区間優勝は逃したが、総合4位に浮上したコンタドールのコメント「今日のステージには満足している。昨日フィニッシュラインを通過した時には、自分の脚の調子が結果に繋がらずがっかりした。とても奇妙な感覚だった。だから僕はそれを忘れて今日に集中したかった」
 
 
9月5日はアルカニスからペニスコラまでの156.4kmで平坦区間の第16ステージが行われる。コースは中盤にカテゴリー3の峠を1つ越えた後、ゴールに向かってひたすら下る。
 
■第15ステージ結果[9月4日/サビニャニゴ~サレント・デ・ガレゴ(アラモン・フォルミガル)/118.5km]

1 ジャンルーカ・ブランビッラ(エティックス・クイックステップ/イタリア)2時間54分30秒
2 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+3秒
3 ファビオ・フェッリーネ(トレック・セガフレード/イタリア)+25秒
4 ケニー・エリソンド(FDJ/フランス)+28秒
5 ダビド・デラクルス(エティックス・クイックステップ/スペイン)+31秒
6 アルベルト・コンタドール(ティンコフ/スペイン)+34秒
7 ダビデ・フォルモロ(キャノンデール・ドラパック/イタリア)+53秒
8 マトベイ・マミキン(カチューシャ/ロシア)+1分16秒
9 エステバン・チャベス(オリカ・バイクエクスチェンジ/コロンビア)+1分53秒
10 ミケーレ・スカルポーニ(アスタナ/イタリア)+1分59秒
13 サムエル・サンチェス(BMC/スペイン)+2分10秒
14 ダニエル・モレノ(モビスター/スペイン)+2分10秒
15 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+2分31秒
18 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)+2分40秒
21 サイモン・イエーツ(オリカ・バイクエクスチェンジ/英国)+2分47秒
90 別府史之(トレック・セガフレード/日本)+53分54秒
146 新城幸也(ランプレ・メリダ/日本)+53分54秒
■第15ステージまでの総合成績
1 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)61時間36分07秒
2 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)+3分37秒
3 エステバン・チャベス(オリカ・バイクエクスチェンジ/コロンビア)+3分57秒
4 アルベルト・コンタドール(ティンコフ/スペイン)+4分02秒
5 サイモン・イエーツ(オリカ・バイクエクスチェンジ/英国)+5分07秒
6 サムエル・サンチェス(BMC/スペイン)+6分12秒
7 アンドリュー・タランスキー(キャノンデール・ドラパック/米国)+6分43秒
8 ダビデ・フォルモロ(キャノンデール・ドラパック/イタリア)+7分17秒
9 ダビド・デラクルス(エティックス・クイックステップ/スペイン)+7分23秒
10 ミケーレ・スカルポーニ(アスタナ/イタリア)+7分39秒
16 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+12分48秒
114 新城幸也(ランプレ・メリダ/日本)+3時間00分28秒
121 別府史之(トレック・セガフレード/日本)+3時間12分00秒
[各賞]
■マイヨ・ベルデ:アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)
■マイヨ・デ・ルナレス:ケニー・エリソンド(FDJ/フランス)
■マイヨ・ブランコ:ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)
(第16ステージはクリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)が着用)
■チーム成績:BMCレーシングチーム(米国)
■敢闘賞:アルベルト・コンタドール(ティンコフ/スペイン)
*マイヨ・ロホ(個人総合リーダージャージ)...真紅/マイヨ・ベルデ(ポイント賞ジャージ)...緑/マイヨ・デ・ルナレス(山岳賞ジャージ)...白地に青い水玉/マイヨ・ブランコ(コンビネーション賞)...白(※ブエルタには新人賞の設定はない)
(http://www.lavuelta.com/)

第15ステージのハイライト映像


Summary - Stage 15 (Sabiñánigo / Sallent de... 投稿者 la_vuelta