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リオ五輪ロードレースを完走した新城「悔しい。そして申し訳ない思いです。本当に良い日本チームだった」

レース
リオオリンピックのオープニング競技となった男子ロードレースは、リオデジャネイロ市南東部のリゾート海岸コパカバーナをスタート。海岸線を西へと進み、1周24.7km、途中1.3km、平均勾配9.4%、最大勾配17%というグルマリを4周した後、1周25.5km、途中2.1km、平均勾配6.8%のグロータ・フンダに山岳ポイントが設けられる周回を4周。さらに2kmにわたるパヴェ(石畳)区間を含むというアップダウンを繰り返すテクニカルかつタフなコースレイアウトで行われた。
 
コパカバーナをスタートしていく144人の選手たち。写真前方に新城 Photo:Cor vos
コパカバーナをスタートしていく144人の選手たち。写真前方に新城 Photo:Cor vos
序盤8人の有力選手たちで構成された逃げグループがリードする展開でレースは進みますが、最初の周回に入ると強豪国が動き、上りの度にペースアップを繰り返し、メイン集団から脱落していく選手が続出。また、パヴェ区間でのマシントラブルやテクニカルな下りでの落車などが相次ぎ、同じ日本代表の内間康平選手も落車とパヴェ区間でのマシントラブルで途中リタイアとなってしまった。生き残りをかける選手たちはさらにペースアップし、まさにサバイバルレース。それを如実に表すように144人の出走選手中、完走は半数以下の63人。新城は残り20㎞まで30人ほどのメイン集団に残りますが、最後の周回で遅れだし、優勝したグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー)から9分38秒遅れの27位でフィニッシュした。
 

「力不足だった」が「4年後にチャンスをもらえる選手でいたい」

「良くアシストしてくれた」内間選手と選手村をバックに photo:新城幸也
「良くアシストしてくれた」内間選手と選手村をバックに photo:新城幸也
レース後の新城は「悔しい。そして申し訳ない思いです。本当に良い日本チームだった。内間は完璧にアシストしてくれたし、完全に自分の力不足で残り20km集団から遅れたので、ゴールに向かう間は悔しさしかありませんでした。ケガした僕を選んでくれた浅田監督始め、スタートラインに立つまでずっと自分をサポートしてくれた人たちの期待に応えられなかったのはとても残念です。今日から4年間でもっと強くなってリベンジしたい。4年後そのチャンスをもらえる選手であり続けるために、これからも頑張ります。」と語りました。
 

左親指先端を粉砕骨折していた……

そして、一夜明けた新城は、選手村に設置されている施設を利用し、ツール・ド・フランスの第1ステージの落車し負傷して以来、ずっと痛みを感じていた左親指のレントゲン検査を行い、親指先端を粉砕骨折していたことが判明した。

「突き指にしては痛みが引かないので、おかしいと思っていた。もし、ツール中に骨折だと知ったら、走りがもっと消極的になってしまっていたと思うし、逃げて敢闘賞を取ることもなかった。知らなくて良いこともあるのかも(笑)」と、本人にとっては深刻な怪我ではないようだ。
 

今後の新城は9日、フランスの自宅に帰宅し、14日には自身優勝経験もあるプロクリテ(※)クリテリウム ドゥ キアンに出場。

・8月20日~9月11日 ブエルタ・ア・エスパーニャ
・9月18日~25日 エネコツアー


に出場予定だ。シーズン後半とはいえ、グランツールをはじめ、まだまだビッグレースが続く。【text:Miwa IIJIMA】


※ツールで活躍した選手やUCIプロチームから毎年様々なスター選手が招待されて繁華街に設定された短い周回を使用して行うクリテリウムレース。この時期のフランスでは各地で開催されるフランスの夏の風物詩とも言えるお祭りムードで選手と観客が身近に触れられるファン感謝レース。