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ツール第4ステージは集団ゴールスプリントを僅差で制したドイツのキッテルが優勝!

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集団ゴールスプリントは第4ステージも写真判定にもつれ込んだ(Photo: YAZUKA WADA)
集団ゴールスプリントは第4ステージも写真判定にもつれ込んだ(Photo: YAZUKA WADA)
 
第103回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月5日にソミュールからリモージュまでの237.5kmで平坦区間の第4ステージを競い、集団ゴールスプリントは2日連続で写真判定にもつれ込み、ドイツのマルセル・キッテル(エティックス・クイックステップ)が、地元フランスのブライアン・コカール(ディレクトエネルジー)を僅差で下して区間優勝した。

これでキッテルのツール区間通算優勝回数は9勝になった。彼は昨年、シーズン開幕してすぐにウイルス感染で不調になり、ツールも欠場したため、2014年のパリ・シャンゼリゼ以来の区間優勝だった。

マイヨ・ジョーヌはスロバキアのペーテル・サガン(ティンコフ)が守った。彼は区間3位でボーナスタイムを4秒獲得している。
 
2年ぶりでツールの表彰台に戻ってきたキッテルは喜びをかみしめていた(Photo: YAZUKA WADA)
2年ぶりでツールの表彰台に戻ってきたキッテルは喜びをかみしめていた(Photo: YAZUKA WADA)

237.5kmで今年最長のステージ

(Photo: YAZUKA WADA)                                
(Photo: YAZUKA WADA)                                
第4ステージは198選手がスタート。距離は237.5kmで、今年最長のステージだった。長距離ステージのためか、いつものようにオフィシャルスタートの合図からアタックする選手はいなかった。

21km地点で逃げ出したのはマチエイ・ボドナル(ティンコフ)、マルケル・イリサール(トレック・セガフレード)、ナトナエル・ベルハネ(ディメンションデータ)、アンドレアス・シリンガー(ボーラ・アルゴン18)、トーマス・ドヘント(ロット・ソウダル)、ジュリアン・ブルモート(エティックス・クイックステップ)、ダリル・インピー(オリカ・バイクエクスチェンジ)だった。しかし、集団はその逃げを許さず、すぐに捕まえた。

イリサールとシリンガーがあきらめずに再度アタック。オリビエ・ナーセン(IAM)とアレクシス・グジャール(AG2R・ラモンディアル)が加わって4人になり、この逃げは集団から容認され、32km地点で1分差を付けた。

集団では、生まれ故郷のシャテルローを通過したシルバン・シャバネル(ディレクトエネルジー)が、家族の歓迎を受けた。「これは僕にとって16回目のツールだ。楽しみたいね。そしてコカールのためにいい仕事をしたい。彼は昨日の3位よりもいい成績に値する。昨日ボークレールがアタックした時は本当におかしかった。僕も同じことを考えていたからね。明日は厳しすぎるかもしれないが、チャンスがあれば思い切ってやってみるよ」と、シャバネルは公式ライブのインタビューに答えていた。
 
スタート時点は曇りだったが、中盤からツールには太陽が戻ってきた。補給地点で逃げのタイム差は6分を超えていた。ここで集団ではロット・ソウダルが仕事を開始し、ゴールまで残り100kmで、4人のタイム差は4分10秒にまで縮まっていた。

67.5kmの中間スプリントポイントを、マイヨ・ジョーヌのペーテル・サガン(ティンコフ)が集団の先頭を通過した時、4人とのタイム差は1分45秒だった。そしてゴールまで残り44kmで、その差は1分を切った。

先頭の逃げグループでは、残り35.5kmで唯一のフランス人だったグシャールが脱落し、ベルギーのナーセン、スペインのイリサール、ドイツのシリンガーの3人になった。しかし、3人も残り7kmで集団に吸収され、集団ゴールスプリントの準備が始まった。

残り3kmでは、チェコチャンピオンのロマン・クロイツィーゲル(ティンコフ)が、サガンのために集団の先頭を引く姿も見られた。しかし、集団ゴールスプリントで先頭に立ったのはキッテルだった。最後は後方から追い上げてきたコカールがキッテルの左側に車体をねじ込んできたが、写真判定の結果、キッテルがわずかに早くフィニッシュラインに到達していた。

「本当にチャンスだと思っていた。昨日は十分に車体を前に投げなかったとアングルバン監督に叱られた。今日はうまく行ったと思ったのに、見ての通りだ。すごくがっかりしたよ。でも、あきらめちゃいけない。まだチャンスはたくさんあるからね」と、負けたコカールは語っている。

■2年ぶりのツールで区間優勝し、大喜びだったキッテルのコメント「キネジスト(マッサージャー)が、僕が勝ったと教えてくれた。とても誇らしく思い、とても幸せだった。去年のツールを逃した後、チームを変えて、期待はとても大きかった。

第1ステージで勝つことを目標にして来たのに、僕はマイヨ・ジョーヌを逃してしまった。がっかりしたけど、チームは集中し続けた。僕はプレッシャーを感じていて、だからこんなに感動したんだ」
 
マイヨ・ジョーヌを守ったサガンは、表彰台で地元の英雄レイモン・プリドールに祝福された(Photo: YAZUKA WADA)
マイヨ・ジョーヌを守ったサガンは、表彰台で地元の英雄レイモン・プリドールに祝福された(Photo: YAZUKA WADA)
 
7月6日はリモージュからル・リオランまでの216kmで、今年最初の山岳区間となる第5ステージが行われる。前半はカテゴリー4の丘が1カ所しかないが、後半はカテゴリー3の坂が3カ所、カテゴリー2の峠が2カ所設定されている。

第1ステージで負傷したスペインのアルベルト・コンタドール(ティンコフ)には、試練の一日になりそうだ。
 
MAP : ASO
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■第4ステージ結果[7月5日/ソミュール~リモージュ/237.5km]

1 マルセル・キッテル(エティックス・クイックステップ/ドイツ)5時間28分30秒
2 ブライアン・コカール(ディレクトエネルジー/フランス)
3 ペーテル・サガン(ティンコフ/スロバキア)
4 ディラン・フルーネウェーゲン(ロトNL・ユンボ/オランダ)
5 アレクサンダー・クリストフ(カチューシャ/ノルウェー)
6 ゾンドルホルスト・エンガー(IAM/ノルウェー)
7 ダニエル・マクレー(フォルチュネオ・ビタルコンセプト/英国)
8 マーク・カヴェンディッシュ(ディメンションデータ/英国)
9 サミュエル・デュムラン(AG2R・ラモンディアル/フランス)
10 サイモン・ゲランズ(オリカ・バイクエクスチェンジ/オーストラリア)
43 アルベルト・コンタドール(ティンコフ/スペイン)
122 新城幸也(ランプレ・メリダ/日本)+52秒
■第4ステージまでの総合成績 
1 ペーテル・サガン(ティンコフ/スロバキア)20時間03分02秒
2 ジュリアン・アラフィリップ(エティックス・クイックステップ/フランス)+12秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+14秒
4 ワレン・バルギル(ジャイアント・アルペシン/フランス)+18秒
5 クリストファー・フルーム(スカイ/英国)+18秒
6 ロマン・クロイツィーゲル(ティンコフ/チェコ)+18秒
7 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+18秒
8 ファビオ・アルー(アスタナ/イタリア)+18秒
9 マイケル・マシューズ(オリカ・バイクエクスチェンジ/オーストラリア)+18秒
10 ピエール・ロラン(キャノンデール・ドラパック/フランス)+18秒
54 アルベルト・コンタドール(ティンコフ/スペイン)+1分06秒
133 新城幸也(ランプレ・メリダ/日本)+8分01秒
[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):ペーテル・サガン(ティンコフ/スロバキア)
※第5ステージはマーク・カヴェンディッシュ(ディメンションデータ)が着用
■山岳賞(マイヨ・アポワ):ヤスペル・スタイブン(トレック・セガフレード/ベルギー)
■新人賞(マイヨ・ブラン):ジュリアン・アラフィリップ(エティックス・クイックステップ/フランス)
■チーム成績(黄ゼッケン):オリカ・バイクエクスチェンジ(オーストラリア)
■敢闘賞(赤ゼッケン):オリビエ・ナーセン(IAM/ベルギー)
(http://www.letour.fr/us/)
 
マイヨ・ベールはサガンが取り戻した(Photo: YAZUKA WADA)
マイヨ・ベールはサガンが取り戻した(Photo: YAZUKA WADA)
マイヨ・アポワはスタイブンがキープ(Photo: YAZUKA WADA)
マイヨ・アポワはスタイブンがキープ(Photo: YAZUKA WADA)
敢闘賞はベルギーのナーセンが獲得(Photo: YAZUKA WADA)
敢闘賞はベルギーのナーセンが獲得(Photo: YAZUKA WADA)




ツール第4ステージの公式ダイジェスト映像




Summary - Stage 4 - Tour de France 2016 投稿者 tourdefrance_en