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ジロ最終日前日の第20ステージでニーバリが逆転劇を演じてマリア・ローザ!

レース
 
第99回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、最終日前日の山岳ステージに信じられないようなドラマが待ち受けていた。

フランスのギレストルからイタリアのサンタンナ・ディ・ビナーディオまでの134kmで競われた第20ステージで、イタリアチャンピオンのビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)が、マリア・ローザを着ていたコロンビアのエステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ)との最後の闘いに勝ち、総合を逆転して最終日前日にマリア・ローザを着たのだ。

区間優勝はエストニアのレイン・ターラマエ(カチューシャ)が逃げ切り、ジロで初優勝している。

ジロに初出場中の山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)は、45分06秒遅れのグルペットでゴールし、目標の完走まで残り1ステージになった。
 
 
 
スタート前、総合首位のチャベスとニーバリのタイム差はたった44秒だった。

終盤のロンバルダ峠(カテゴリー1)でニーバリがメイングループからアタックしたとき、マリア・ローザのチャベスとアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)が一度は付いて行ったが、すぐに引き離されてしまった。

チャベスはバルベルデにも付いて行けず、ロンバルダ峠を越えた時にはニーバリに44秒以上のタイム差を付けられてしまい、コース上でマリア・ローザを失ってしまっていた。彼は結局、ニーバリよりも1分半以上遅れてゴールし、総合2位へと陥落した。

ニーバリの後ろでゴールしたバルベルデは、この日の走りで総合3位に浮上し、初出場のジロで表彰台が確実になった。一方、前日の転倒で肋骨にヒビが入っていたオランダのスティーブン・クルイスウエイク(チームロトNL・ユンボ)は、総合3位から総合4位へと後退してしまった。

第20ステージでは、逃げに加わったスペインのミケル・ニエベ(チームスカイ)が1日で山岳ポイントを合計54ポイント稼ぎ、山岳賞総合首位に立ってイタリアのダミアーノ・クネゴ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)からマリア・アッズーラを奪い取ってしまった。

■最終日前日の逆転劇を演じたニーバリのコメント「驚異的だ。今年のジロで勝てるなんて思っていなかった。本当にスペクタクルな日だった。チームのものすごい働きのおかげだよ。ボクは失うことを恐れずに走ったが、昨日の後でこのジロで勝てると理解していた。他の選手が苦しんでいるのを見て、ボクはアタックしたんだ。素晴らしいよ」

■区間初優勝したターラマエのコメント「イルヌール・ザカリンの昨日のクラッシュは、ボクをすごく怖がらせた。ボクは彼の近くにいたんだ。全部見てたよ。とても深刻なことが起きたのではないかという思いが心をよぎったけれど、彼が起きているのを見て安心した。あんなことの後で、今日はふたたびレースをするのが困難だったが、ボクはこのステージをザカリンのために勝ちたかったんだ」
 
 
 
 
■第20ステージ結果[5月28日/ギレストル(フランス)~サンタンナ・ディ・ビナーディオ/134km]

1 レイン・ターラマエ(カチューシャ/エストニア)4時間22分43秒
2 ダーウィン・アタプマ(BMC/コロンビア)+52秒
3 ジョー・ダンブロウスキー(キャノンデール/米国)+1分17秒
4 ミケル・ニエベ(チームスカイ/スペイン)+4分12秒
5 アレクサンダー・フォリフォロフ(ガズプロム・ルスベロ/ロシア)+4分36秒
6 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+6分44秒
7 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+6分57秒
8 リゴベルト・ウラン(キャノンデール/コロンビア)+6分57秒
9 ジョバンニ・ビスコンティ(モビスター/イタリア)+7分47秒
10 ラファウ・マイカ(ティンコフ/ポーランド)+8分06秒
11 ボブ・ユンゲルス(エティックス・クイックステップ/ルクセンブルク)+8分06秒
13 スティーブン・クルイスウエイク(チームロトNL・ユンボ/オランダ)+8分13秒
14 エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)+8分20秒
114 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル/イタリア)+45分06秒
140 山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ/日本)+45分06秒
■第20ステージまでの総合成績
1 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)82時間44分31秒
2 エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)+52秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+1分17秒
4 スティーブン・クルイスウエイク(チームロトNL・ユンボ/オランダ)+1分50秒
5 ラファウ・マイカ(ティンコフ/ポーランド)+4分37秒
6 ボブ・ユンゲルス(エティックス・クイックステップ/ルクセンブルク)+8分31秒
7 リゴベルト・ウラン(キャノンデール/コロンビア)+11分47秒
8 アンドレイ・アマドール(モビスター/コスタリカ)+13分21秒
9 ダーウィン・アタプマ(BMC/コロンビア)+14分09秒
10 カンスタンティン・シウツオウ(ディメンションデータ/ベラルーシ)+16分20秒
20 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル/イタリア)+51分49秒
152 山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ/日本)+4時間49分05秒
[各賞]
■ポイント賞(マリア・ロッサ):ジャコモ・ニッゾロ(トレック・セガフレード/イタリア)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):ミケル・ニエベ(チームスカイ/スペイン)
■新人賞(マリア・ビアンカ):ボブ・ユンゲルス(エティックス・クイックステップ/ルクセンブルク)
(http://www.giroditalia.it/it/)
 
 
様々なドラマが繰り広げられた今年のジロもいよいよ閉幕する。5月29日は、クネオから古都トリノまでの163kmで平坦な最終ステージが行われる。チャンピオンの復活優勝で、イタリア中がバラ色のお祭りになっているだろう。