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山本が逃げに加わったジロ第18ステージは地元イタリアのトレンティンが区間初優勝!

レース
 
第99回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月26日にムッジョからピネローロまでの240kmで中級山岳区間の第18ステージを競い、地元イタリアのマッテーオ・トレンティン(エティックス・クイックステップ)が逃げ切って区間初優勝した。


トレンティンはツール・ド・フランスですでに区間2勝しているが、地元のジロで勝ったのはこれが初めてだった。エティックス・クイックステップは今年のジロで区間4勝目になり、ロット・ソウダルに並んだ。

マリア・ローザはオランダのスティーブン・クルイスウエイク(チームロトNL・ユンボ)が守った。

この日は序盤から24選手が逃げ出し、ジロに初出場中の山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)も加わっていた。そこから終盤のアップヒルでモレノ・モゼール(キャノンデール)とジャンルーカ・ブランビッラ(エティックス・クイックステップ)が抜け出したのだが、ゴール目前で追いついたトレンティンが、スプリントでモゼールを下してしまった。

ジロで初めて逃げに加わった山本もかろうじてマリア・ローザ集団から逃げ切り、区間23位でゴールしている。山本と言えば、逃げが得意な選手だが、開幕前に話を聞いた時は「逃げはチームの指示と自分の調子次第。でも、あんまりやりすぎると終わってしまって完走できなくなる」と、完走が今回のジロで最大の目標であることを強調していた。

ここで山本が逃げたということは、彼自身この後の厳しい山岳2区間を走り切ってトリノにゴールする自信があり、チームもそれを確信して逃げの指示を出したということだろう。
 
24人の逃げには山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)が入っていた           
24人の逃げには山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)が入っていた           

■区間初優勝したトレンティンのコメント「素晴らしい! 本当に素晴らしい! クラシックではものすごく調子がよかったのに、不運続きだった。だからジロには最低でも1ステージ勝つことを目標にして来た。ボクはキッテルのために働くことから始めて、その後はユンゲルスとブランビッラのために働いた。今日はすべてが完璧だった」
 
■第18ステージ結果[5月26日/ムッジョ~ピネローロ/240km]
1 マッテーオ・トレンティン(エティックス・クイックステップ/イタリア)5時間25分34秒
2 モレノ・モゼール(キャノンデール/イタリア)
3 ジャンルーカ・ブランビッラ(エティックス・クイックステップ/イタリア)
4 サシャ・モドロ(ランプレ・メリダ/イタリア)+20秒
5 ニキアス・アールント(ジャイアント・アルペシン/ドイツ)+30秒
6 イワン・ロブヌイ(ティンコフ/ロシア)+30秒
7 マッテーオ・ブザート(ウィリエール・サウスイースト/イタリア)+1分10秒
8 クリスティアン・クニース(チームスカイ/ドイツ)+1分16秒
9 アクセル・ドモン(AG2R・ラモンディアル/フランス)+1分24秒
10 ダビデ・マラカルネ(アスタナ/イタリア)+4分28秒
23 山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ/日本)+13分12秒
■第18ステージまでの総合成績
1 スティーブン・クルイスウエイク(チームロトNL・ユンボ/オランダ)73時間50分37秒
2 エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)+3分00秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+3分23秒
4 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+4分43秒
5 イルヌール・ザカリン(カチューシャ/ロシア)+4分50秒
6 ラファウ・マイカ(ティンコフ/ポーランド)+5分34秒
7 ボブ・ユンゲルス(エティックス・クイックステップ/ルクセンブルク)+7分57秒
8 アンドレイ・アマドール(モビスター/コスタリカ)+8分53秒
9 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル/イタリア)+10分05秒
10 カンスタンティン・シウツオウ(ディメンションデータ/ベラルーシ)+11分15秒
12 リゴベルト・ウラン(キャノンデール/コロンビア)+13分53秒
156 山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ/日本)+3時間38分45秒
[各賞]
■ポイント賞(マリア・ロッサ):ジャコモ・ニッゾロ(トレック・セガフレード/イタリア)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):ダミアーノ・クネゴ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ/イタリア)
■新人賞(マリア・ビアンカ):ボブ・ユンゲルス(エティックス・クイックステップ/ルクセンブルク)
(http://www.giroditalia.it/it/)
 
 
今年のジロも残り3ステージ。5月27日はピネローロをスタートし、今年の最高峰(チマ・コッピ)である標高2744メートルのアニェッロ峠を越え、フランスに越境してカテゴリー1のリスル山頂にゴールする162kmの第19ステージが行われる。

チマ・コッピのアニェッロ峠は全長21.3kmの長い登坂で、平均勾配は6.8%、中盤と後半に15%の難所がある。ゴールのリスル山は標高1862メートルで全長12.9km。平均勾配は6.9%で、残り2km地点に最大勾配の10%がある。

ここまでマリア・ローザを守り続けている28歳のクルイスウエイクは「明日はボクにとって良いステージのようだ。ボクは長い上り坂が好きだからね。おそらく何かできるだろう。区間2位に3回なってるから、区間優勝したい。でも、まずはマリア・ローザを守ることだ」と、豊富を語っている。